東京二期会、モーツァルト四大オペラのひとつ『コジ・ファン・トゥッテ』を上演 クリスティアン・アルミンク(指揮)のメッセージが公開
2024年9月5日(木)~8日(日)新国立劇場 オペラパレスにて(三重、岡山、山形公演あり)、東京二期会オペラ劇場 シャンゼリゼ劇場、カーン劇場、パシフィック・オペラ・ヴィクトリアとの共同制作『コジ・ファン・トゥッテ』が上演される。この度、指揮を務めるクリスティアン・アルミンク(山形公演以外)からのメッセージが届いたので紹介する。
『コジ・ファン・トゥッテ』 はモーツァルト四大オペラのひとつと称される名作。「恋の絆の深さを証明するため、お互いの恋人を入れ替える」という、オペラ史上最も物議を醸した「恋愛実験」物語が展開する。
本オペラを演出するのが、喜劇演出の天才ロラン・ペリー。ペリーは、パリ・オペラ座、ロイヤル・オペラ・ハウス、メトロポリタン歌劇場、グラインドボーン音楽祭等、主要な歌劇場、音楽祭で活躍するフランスを代表するアーティストのひとりで、東京二期会には21年に絶賛されたヴェルディ『ファルスタッフ』以来2度目の登場となる。
本プロダクションは、22年3月シャンゼリゼ劇場でワールドプレミエを迎えた 。ペリーの卓越したイマジネーションと、フランスらしい軽妙洒脱なセンスが随所に光る舞台は、パリでも絶賛を浴びた。舞台の始まりは、とあるレコーディングスタジオ。しかし、モーツァルトの極上の音楽が導くように、世界が幻想的に移り変わっていく。決して奇抜な読み変えではなく、原作を尊重しながら、新しい視点を加えた演出は、オペラファンはもちろん、オペラ未体験の方にも楽しんでもらえる舞台作りとなっている。
指揮は、小澤征爾の薫陶を受け、現在欧州一流の歌劇場、オーケストラで活躍するクリスティアン・アルミンク。高貴な佇まいと流麗な音楽づくりに加えて、端正な指揮ぶりから「貴公子」と呼ばれ、国内でも人気を集めるマエストロで、今年、広島交響楽団音楽監督に就任したことでも話題を呼んでいる。東京二期会主催オペラ公演には16年ぶりの登場となり、演奏する新日本フィルハーモニー交響楽団では10年に渡って音楽監督を務めており、厚い信頼関係で結ばれた両者の紡ぐ息の合ったハーモニーは注目だ。
また、二期会の歌手も有望な若手から日本を代表するベテランまで多彩なメンバーが集結。いずれも人気・実力を兼ね備えたモーツァルト・オペラのスペシャリストたち。どんな公演になるのか、マエストロが導く極上のモーツァルトを楽しみにしよう。
クリスティアン・アルミンクからのメッセージ
親愛なる皆様、オペラファンの皆様、
今年の9月、新日本フィルハーモニー交響楽団と東京二期会と、
モーツァルト『コジ・ファン・トゥッテ』を上演できることをたいへん嬉しく思います。
この作品は1790年ウィーンで初演された極めて楽しいコメディ・オペラです。
しかし、シリアスな瞬間もあります。
長い間、この作品は不道徳で、低俗なものとみなされてきました。
このオペラのテーマは、《恋愛関係》《忠実であること》です。
2人の青年士官が愛する女性の誠実さを試すのです。
この「テスト」はとても難しいものになりそうなのですが、
最後には、ハッピーエンドに! …それは、とてもほろ苦い、ハッピーエンドです。
上演をとても楽しみにしています。ぜひお越しください。
お会いできることを楽しみにしています。