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【酒で店を選びたいあなたへ】工夫を凝らしたクラフトビールが味わえる東京都内の酒場11店

さんたつ

ならしのクラフトビール むぎのいえ2

小規模醸造所で造られた一杯、名喫茶の趣ある空間で楽しむ一杯。限定品を惜しげもなく提供していたり、クラフトビール専門店の立ち飲みバーがあったり。醸造家の創意工夫が生んだ、個性際立つ味わいをぜひ飲み比べてみて。

ならしのクラフトビール むぎのいえ

年間2000種以上飲むビール好き店主が厳選『Canal brewing』【大井町】

各種ビールはSサイズ1100円~。合鴨スモーク770円。

全国に先駆けて明治時代からビール醸造を行ってきた大井町にある、クラフトビール専門の立ち飲みバー。店主の濱口恵さんはLAでクラフトビールに開眼。帰国後は年間2000種以上のクラフトビールを飲み、ブルワリーを訪問するなど知見を深め、2023年5月に開店した。ビールサーバーのタップ(注ぎ口)は10口あり、それぞれ種類が異なる。限定醸造の缶・ボトルも50種ほどそろえている。自社の醸造所の設立も準備中だ。

タップから注ぐビールは最大10種まで。

『Canal brewing』店舗詳細

Canal brewing(カナル ブルーイング)
住所:東京都品川区大井1-26-4/営業時間:17:00~22:15(土・日・祝は14:00~)/定休日:不定/アクセス:JR・私鉄・りんかい線大井町駅から徒歩4分

もう一杯、のニーズにクラフトビールで応える『大井町PUB 810』【大井町】

ビール左から、「伊勢角屋ペールエール」「箕面スタウト」「九十九里オーシャンビールIPA」各1050円は、鮮魚のカルパッチョ600円やスパイシーソーセージ650円などと楽しみたい。

鉄板料理『八天』の真裏にあり、「裏八天」の店名で愛された歴史をもつ。そこそこ腹もふくれ、ほろ酔い気分になりながらも“もう一杯飲みたい” 時にピッタリな隠れ家的パブで、強炭酸のウイスキーハイボールとクラフトビールの品ぞろえに定評がある。ビールは「箕面(みのお)」「九十九里オーシャンビール」など国産を軸に約8種。運が良いとメニューにない限定醸造のゲストビールが味わえるので、気軽に聞いてみるのもよいだろう。

「お客さまの好みに合わせて絞りました」と、代表の狩野有希さん。
飲食店が多く立ち並ぶ、すずらん通りにある。

『大井町PUB 810』店舗詳細

大井町PUB 810(おおいまちパブ ハチイチマル)
住所:東京都品川区南品川6-19-2 ルミエール・マルダイ102/営業時間:20:00頃~翌0:30LO/定休日:火・木/アクセス:JR・私鉄・りんかい線大井町駅から徒歩3分

上野アメ横の高架下でクラフトビールをゴクリ『Jalana(Coffee by Jalana)』【御徒町】

チーズビーフ500円とストーン・ブルーイングの「ストーンIPA」800円。

上野アメ横のほぼ真ん中、JR高架下にあるコーヒースタンド。アメリカを中心に世界各国から仕入れたカジュアルアイテムを販売するショップが、コロナ禍で落ち込んだ地域の活性化を願い2021年にオープンした。3種類の最高級豆を配合したコーヒー、専用機で焼くホットサンドのほか、クラフトビールも提供。アメリカ「バドワイザー」、ドイツ「シェッファーホッファー」、ベルギー「ニュートン」などをそろえている。

スタッフの那須さん、槙さん、桑原さん。
どこか外国の風景にも見える高架下の店舗。

『Jalana(Coffee by Jalana)』店舗詳細

Jalana(Coffee by Jalana)(ジャラーナ(コーヒーバイジャラーナ))
住所:東京都台東区上野6-10-1/営業時間:11:00~20:00(金は~24:00、土・祝は10:00~24:00、日は10:00~22:00)/定休日:無/アクセス:JR山手線・京浜東北線御徒町駅から徒歩5分

世界の逸品に肩を並べる自家醸造ビールも登場『ノベル クラフト』【千歳烏山】

スウェーデンや茅ケ崎のブルワリーのクラフトビールはタコライス850円などと味わいたい。

店主は、クラフトビール=IPA(ホップを大量に使用したビール)の概念を壊したく、タップから瓶、缶まで多様なスタイルのビールをそろえている。イギリス発祥のビターエールから樽熟成、ハーブとスパイスの効いたものなど幅広く、丁寧な説明を聞くのも楽しい。2023年には念願の自家醸造所と併設の姉妹店を杉並区高井戸でオープン。さらに品ぞろえが豊かになり、ビール好きを喜ばせている。

タップのビールは約8種。瓶や缶のクラフトビールも数多い。

『ノベル クラフト』店舗詳細

ノベル クラフト
住所:東京都世田谷区南烏山4-13-9 カザマビル2F/営業時間:17:00~24:00(土・日・祝は15:00~)/定休日:火/アクセス:京王電鉄京王線千歳烏山駅から徒歩4分

厳選した国産シードルとクラフトビールを堪能『Noge West end』【日ノ出町】

前菜盛り合わせ2人前4900円の注文は21時まで。

縄のれんを下げた小料理屋『肴地魚 みかみ』と思いきや、その正体はクラフトビールと国産シードルの専門店というユニークな店。酒類の仕入れは店主の東和彦さんが生産者と相談し、日替わりで4〜7種類を提供する。名物料理は前菜の盛り合わせ。店主のサービス精神が示すように、大皿に旬野菜のフリットやグリル、サラダ、揚げ物などがてんこ盛りに。一人前から注文できるが、最終入店は22時なので気をつけよう。

日替わりの銘柄もあり、グラス900円~。
元小料理屋を居抜きで借り、造りも当時のままだ。

『Noge West end』店舗詳細

Noge West end(ノゲ ウエスト エンド)
住所:神奈川県横浜市中区宮川町2-16/営業時間:18:00~23:00(土・日・祝は16:00~)/定休日:木/アクセス:京浜急行電鉄本線日ノ出町駅から徒歩3分

タンゴが流れる店内で世界のビールを味わう『ミロンガ ヌォーバ』【神保町】

「ライオンスタウト」や「ギロチン」などビールはすべて瓶。ピザ900円やミックスナッツ450円。

1953年創業の名喫茶。アルゼンチンタンゴをBGMに、炭火焙煎のコーヒーが楽しめる。もう一つの名物が期間限定のクラフトビールを含めて約30種そろう世界各国のビール。店長おすすめの「ライオンスタウト」1000円は、ほろ苦さと甘さが融合したスリランカの黒ビール。自家製酒の珈琲酒650円は、ブレンドコーヒーに使用する豆を焼酎に約2カ月漬け込み、約1カ月寝かすことで、まろやかな味になる。

2024年2月に現在地に移転。旧店舗同様にレンガ張りの外観。テーブル、スピーカーなどは旧店舗のもので、昔ながらの変わらぬ雰囲気。

『ミロンガ ヌォーバ』店舗詳細

ミロンガ ヌォーバ(みろんが ぬぉーば)
住所:東京都千代田区神田神保町1-3/営業時間:11:30~22:00LO(土・日・祝は~18:30LO)/定休日:水/アクセス:地下鉄神保町駅から徒歩2分

国内外で受賞を重ねる家族一丸で造るビール『こまいぬブルワリー』【柏】

3種飲み比べセット1300円。左から「カシワエール」「将門麦酒」「手賀沼ポーター」。

家族経営のクラフトビール醸造所。父・丹羽文隆さんの「みんなが好きなビールを造る仕事がしたい」という発言をきっかけで開業した。ビアソムリエでもある次男の一宇(かずひろ)さんが醸造長を、ベンチャー企業や流通会社に勤めていた長男の岳悠(たけひろ)さんが醸造を手伝いながら広報と営業を兼務する。目指した味は、ビールが苦手な母でもおいしく飲めること。国内外のビールコンペティションで受賞を重ねていることからも、その確かさがわかる。

レストランでは約10種を用意。
父の願いを実現した丹羽岳悠さん(左)と一宇さん。

『こまいぬブルワリー』店舗詳細

こまいぬブルワリー
住所:千葉県柏市柏5-8-15/営業時間:17:30~21:00LO(直営レストラン)/定休日:月~木(応相談)/アクセス:JR常磐線・東武鉄道アーバンパークライン柏駅から徒歩14分

団地醸造のビールで笑い、楽しみ、元気に『ガハハビール』【東陽町】

飲み比べ3種セット(各200㎖)1550円とおつまみ3点盛り650円。

マンモス団地の1階にある旬魚が自慢の居酒屋で、クラフトビールの醸造も行う。店主の馬場哲生さんは料理修業中にIPAにハマり、酒類醸造免許を取得。『高円寺麦酒工房』で働いていた現醸造長と知り合い、2017年に江東区初の醸造場を開設した。店名には“ビールは笑って飲むものだから”という思いが込められている。自家製ビールは定番に限定品を加えた10種ほど。まずは飲み比べ3種セットがおすすめだ。

笑顔の素敵な店主の馬場さん。

『ガハハビール』店舗詳細

ガハハビール
住所:東京都江東区南砂2-3-1-118/営業時間:11:00~22:00/定休日:月(不定あり)/アクセス:地下鉄東西線東陽町駅から徒歩6分

チェコ出身の醸造家が故郷の製法で醸す『EBINA BEER』【海老名】

ジャガイモのお好み焼きのようなブランボラーク790円、ピルスナー480㎖990円など。

『ららぽーと海老名』の向かい側に立つブルワリーパブ。通り側はガラス張りになっていて、店内は明るく醸造設備を見ることもできる。醸造主任のトーマス・レハクさんはピルスナーの発祥地・チェコ出身で、故郷の製法を貫いている。無濾過無殺菌の生ビールのため、濃厚な麦の風味とさわやかなホップの香りが楽しめる。パブでは定番6種類と季節替わり2種のビールを提供。チェコの家庭料理ブランボラークと一緒に味わいたい。

木材をふんだんに使った温かみのある店内。
トーマスさんは元オーケストラのチューバ奏者という経歴を持つ。

『EBINA BEER』店舗詳細

EBINA BEER(エビナビール)
住所:神奈川県海老名市扇町5-4-104/営業時間:17:00~22:00LO(土・祝は11:30~22:30LO、日は11:30~20:30LO)/定休日:月/アクセス:JR・私鉄海老名駅から徒歩5分

小ロット醸造を武器に斬新なビールに挑戦『26K Brewery』【武蔵境】

「シューティングスター吉★祥★寺」900円(前)とスコティッシュエール750円(奥)。完売次第終了。

JR中央線の高架下にある食の複合施設『ond craft food+(オンド クラフト フードプラス)』内でクラフトビールを醸す、わずか3坪の醸造所。仕込みは週1回200ℓと少ないが、醸造も担うディレクターの平槇駿一さんは「小ロットだからこそ多品種のビールが造れ、さまざまな挑戦ができる」と語る。これまで、紅茶、山椒、唐辛子、コーヒー豆などを使ったものが登場し、ビール好きの注目を集めた。併設のタップルーム『オンド武蔵境』では常時5種をラインアップしている。

少量・多品種なので訪れるたびに違ったビールに出合える。
「上品な味に仕上げています」と平槇さん。
コーヒーやタルト専門店なども同居。

『26K Brewery』店舗詳細

26K Brewery(ニーロクケー ブルワリー)
住所:東京都武蔵野市境南町3-2-13/営業時間:10:00~21:00/定休日:水/アクセス:JR中央線武蔵境駅から徒歩5分

来店者だけが味わえる小工房の手づくりビール『ならしのクラフトビール むぎのいえ』【谷津】

右から「KOHAKU」760円と「谷津遊路」790円など。

地元の家族連れや学生にも愛されるビール醸造所併設のビアバー。ビールは缶詰め、瓶詰めをしないので、この店でしか飲むことができない。どこか文学的な銘柄は「谷津で醸造している意味・物語性を大事にしたい」という代表の今井貴大さんの思いから。ペールエールの「谷津遊路」は干潟の野鳥のさえずりや花を連想させる華やかな香りから命名された。常時10種を用意し、その中には「紫薫(しくん)」という燗で味わうビールもある。

「むぎのくら」M790円は、モルトの香りが濃く、料理との相性も良い。
店内はほぼ今井さんのDIYだという。
毎日、新作の仕込みをする今井さん。

『ならしのクラフトビール むぎのいえ』店舗詳細

ならしのクラフトビール むぎのいえ
住所:千葉県習志野市谷津4-6-33 K&Y 時・遊・館1F/営業時間:16:00~22:00ドリンクLO(土は11:30~21:30ドリンクLO)/定休日:火/アクセス:京成電鉄京成本線谷津駅から徒歩3分

取材・文・撮影=アド・グリーン 撮影=小野広幸、岡田孝雄、丸毛透、佐藤侑治、鈴木奈保子、井上洋平、加藤熊三

『散歩の達人 東京名酒場』より

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