街中の〝なまず〟の正体は? 建設業協会との関わり
街中の看板にいる、なまず=写真。誰もが一度は見たことがあるのではないだろうか。
その正体は、緊急交通路や緊急用道路資材置場を示す看板だ。緊急交通路は、大地震などの発災時に、災害対策を迅速に行うため一般車両の通行が禁止・制限される道路のこと。横浜市との協定でその道路の通行止めや安全確認を担うのが、地域の建設業者からなる「横浜建設業協会」だ。18区会に分かれ、震度5強以上の地震が発生した際には、道路の安全確認を行い、必要に応じて通行止めや道路の修復作業を行う。神奈川区会では17事業者で14路線・15区間を担当。会員は枕元にスマホを置くなど、常に地域の有事に備えている。
資材置場には、通行止めなどの作業時に必要な資材がそろえられている。区内には28カ所ある置場だが、実は神奈川区から生まれたもの。有事の際の備えとしてその必要性を神奈川区会が訴えたことで設置が始まり、同協会では、市に対して置場に備えるカラーコーンの寄贈も行っている。
そのほか、防災拠点となる市内43施設(区内は区役所と市民防災センター)の安全確認も実施。さらに神奈川県との協定では、震度6以上で各警察署の安全確認も担っている。
年始の能登半島地震や8月の南海トラフ地震臨時情報の発表など、防災意識の重要性が再確認される今。街中でなまずを見かけたら、地域の安全を守る地元企業の存在を思い、改めて防災を考える機会にしてみては。