自転車と歩行者・車との共存 その答えはポートランドにあり?
石井正則(七代目自転車名人)と疋田智(自転車博士)がいろんな角度から自転車の魅力を発信するTBSラジオ「ミラクル・サイクル・ライフ」(毎週日曜日18時30分~19時) 今週の「ポイント オブ サイクルトーク」はこちら!
先週に引き続き、香坂みゆきさんをゲストにお迎えしました。
最初の話題は「自転車脳内BGM」。これはこの番組のリスナーのみなさんにはおなじみ、自転車に乗っているときに自然と頭の中で流れてくる曲のことです。香坂さんの場合は、はっぴいえんどの「風をあつめて」。サビの部分が何度もリフレインし、まさに風を集めながら走っているような心境になるそうです。石井さんも「このサビは自転車にぴったりですね。香坂さんが愛用しているヤマハ『PAS』のテンポとよく合います」と分析。ちなみに疋田さんの場合は、アニメ『タイムボカン』のテーマソングだそうです(笑)。
続いてのテーマは、香坂さんが提案された「自転車も車も歩行者も快適に過ごせるまちづくりは難しいのか?」というもの。息子さんがアメリカ・ポートランドに滞在していた時期があり、ご自身も訪れた経験から「とても自転車が走りやすい街だった」と語ります。実際に歩いてみると、車と自転車がお互いを気遣いながら自然に道をシェアしていたのだそうです。日本でも同じような環境が実現できないかと、日頃から考えているとのことでした。 香坂さんは車と自転車の両方を利用している立場からも率直にこう語ります。 「自分本位で申し訳ないけれど、車を運転しているときは自転車を邪魔に感じるし、逆に自転車に乗っているときは車に腹を立ててしまう。みんなが気持ちよく進むにはどうすればいいのか。子どもの安全にもつながりますし、通勤に自転車を利用する人も増えているし」。
これに対し石井さんは「個人の意識も大切ですが、個々人の努力だけでは限界がありますよね」とコメント。さらに疋田さんからは「実はポートランドはアメリカで最も自転車を優遇している都市。日本にとってまさにお手本です。日本はオランダやドイツのように自転車を前提に街づくりをした国ではなく、車社会のなかに後から自転車を導入した点でアメリカと似ている。その意味でポートランドが一番参考になる。専用道が整備され、車の駐車を禁止する取り締まりも市が徹底しているんです」と解説がありました。香坂さんも「そうなんですね!」と驚いた様子。石井さんは「少しずつ良くはなっているけど、過渡期の分、余計危ないこともありますね」と指摘し、香坂さんも「車道の端を走ると斜めになっていて危ないことが多い」と実感を語りました。最終的には「日本の自転車インフラはまだまだ微妙」という意見で一致しました。
(TBSラジオ『ミラクル・サイクル・ライフ』より抜粋)