15人のひ孫がいる女性 90歳で準学士号取得し、再び大学生へ「学ぶのに遅すぎるということはない」(米)
人生に翻弄され、大学を途中で辞めざるを得なかったアメリカ人女性が、15人のひ孫を持ちながらも夢を叶えた。11月下旬、米ニューハンプシャー州の大学の卒業式に出席し、90歳で経営学の準学士号を正式に取得した。米ニュース番組『Good Morning America』などが伝えた。
【動画】アカデミックガウンを着て大学の卒業式に出席した90歳女性。その表情は喜びに満ちていた
11月23日、アネット・ロベルジェさん(Annette Roberge、90)が、米ニューハンプシャー州マンチェスターの「サザン・ニュー・ハンプシャー・ユニバーシティ、SNHU」の卒業式に出席し、長年の夢だった「準学士号」を取得した。
アネットさんがサザン・ニュー・ハンプシャー・カレッジ(現在のSNHU)で学び始めたのは、米軍に勤務していた夫がベトナムに派兵され、死亡した直後の1972年だった。ところが5人の子のシングルマザーとなったアネットさんは、次第に子育てと学業の両立が困難になり、大学での学びを一旦保留する決意をした。その後、幼い子供たちの生活に合わせてパートタイムの仕事を始め、最終的には保険業界でキャリアを築いた。
2017年、82歳のアネットさんは再び大学で学ぶことを目指した。しかし、当時は健康上の問題に加え、新型コロナウイルス感染症の流行も重なり、夢を叶えることはできなかった。
そんなアネットさんに朗報が届いたのはつい最近の出来事で、4人の娘のうちの1人がリサーチをした結果、SNHUで経営学の準学士号を取得するのに十分な単位をすでに修得していることが分かった。
こうして5人の子、12人の孫、15人のひ孫がいるアネットさんは11月13日、90歳の誕生日会でこの朗報を家族に伝え、その10日後の11月23日には卒業式に出席した。
式では学長から「SNHUで準学士号を取得した最高齢の学生」と紹介され、壇上に上がるとスタンディングオベーションで卒業証書を受け取った。
アネットさんは、当時のことを「最高の気分だった。現実とは思えないし、今でも夢を見ているみたいです」と明かしており、来年1月からはさらに上を目指し、学士号取得に向けて授業を履修する予定だと明かしている。
そして「夢を諦めないで! もし夢があるなら行動することよ」と述べ、胸を張って次のように語った。
「学ぶことに遅すぎるということはありません。学ぶことで視野が広がり、世の中の出来事をより深く理解できるのです。そうすることで、この世界は自分自身にも、周りの人にも、より良い変化をもたらします!」
ちなみに昨年、米ミシガン州では、生後10日の娘を抱いて大学の卒業式に出席した2児の母親が注目を集めた。女性は子育てと仕事をしながら6年をかけて大学を卒業した。
画像は『Good Morning America 「Great-grandma of 15 graduates college at 90: ‘It’s like being in a dream’」(Southern New Hampshire University)(Courtesy of Annette Roberge and Karen Roberge)』より
(TechinsightJapan編集部 A.C.)