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厚木市 外来種の動植物を駆除 行政主導で初の取り組み

タウンニュース

水路を覆うように繁茂したオオフサモを駆除する参加者

厚木市は8月17日、広町公園(中荻野)で外来生物駆除プロジェクトを初めて実施した。日本固有の水生生物などが暮らす環境づくりに取り組むことで、生物多様性の保全につなげようと開催。参加した親子連れの市民らは、園内の水路などに繁殖した植物やアメリカザリガニの駆除に汗を流した。

豊かな自然環境を保全・回復して次世代に継承するため、市は今年3月に「みんなの生物多様性〜生物多様性あつぎ戦略2024-2030」を策定。計画の推進に向け、4月には県内初となる「ネイチャーポジティブ宣言」を行っている。

外来種駆除プロジェクトは、一連の取り組みに基づいて初めて実施したもの。広町公園内を流れる水路や池を会場に、事前に公募した親子連れの市民16人と実施主体の特定NPO法人神奈川県自然保護協会の会員、市職員ら総勢25人が、特定外来生物の「オオフサモ」と「アメリカザリガニ」の駆除にあたった。

水面覆う水草

南米原産のオオフサモは、観賞魚向けの水草として1920年ごろに輸入された多年草。繁殖力が強く、水面を覆うように繁茂した花と茎が生態系に悪影響を及ぼすとされる。同公園の池や水路の一部にも大量のオオフサモが繁り、参加者は水中まで伸びた茎を手作業で駆除した。

オオフサモを取り除き太陽の光が注ぐようになった水中では、体長10cmほどのアメリカザリガニが無数に確認された。手や網で駆除すると、30分ほどでバケツいっぱいになった。

同協会の会員は、あつぎこどもの森公園でも2019年に数匹のアメリカザリガニが見つかり、完全に駆除するまでに1年8カ月かかったことを説明。外来種が増えると日本固有の生物多様性が失われる恐れがあることを伝えた。

参加した山岸陽さん(厚木第二小3年)は「ザリガニを捕まえるのは楽しかった。外来種が増えるとなぜ良くないのか知ることができた」と振り返り、父親の勝哉さん(41)は「子どもと一緒に自然に触れ合う機会は少ないので、生き物に興味を持つきっかけになれば」と話した。

市環境政策課の向山宏和課長は「自分たちの手で外来種を駆除するという体験を通して、生物多様性について関心を深めてもらえたら」と期待を寄せた。

事前に仕掛けた罠にはモクズガニやスッポンがかかった

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