節分の日はなぜ変わる?【今年の節分は2月2日】編集部厳選!1度は行ってみたい節分祭をピックアップ
今年の節分は2月2日。日曜日ということもあって、例年は豆まきだけ、恵方巻だけ……という人も、神社で行われる節分祭を訪れてみるチャンスといえるでしょう。この記事では、編集部が選んだ伝統的&ユニークな節分祭をご紹介します。
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今年の節分は2月2日! 節分の日はなぜ変わる?
「今年の節分は2月2日」と聞いたとき、「節分って2月3日じゃなかった?」と思う人も多いはず。それもそのはず、2000年以降、節分が2月3日ではなかったのは、2021年の2月2日のたった1回だけで、馴染みがないのも当然なんです。
ただし、2021年や今年の例からも分かるように、実は節分の日にちは定まっていないもの。そもそも節分とは、季節を分けるという意味で、現在も有名な春の節分(立春の前日)だけでなく、立夏・立秋・立冬の前日も古くは同じ「節分」と呼ばれていました。
現在も続く春の節分で、決まっているのは立春の前日であることだけ。暦がずれて立春の日が変わればおのずと節分の日も変わっていくそう。ただし、2021年以降は4年に1度は「2月2日が節分」となるといわれているため、これからは節分=2月3日というイメージも徐々に弱くなっていくかもしれません。
1度は行きたい! 伝統的&ユニークな節分祭
|平安時代から続く祭事も見どころ。3日かけて行われる吉田神社の節分祭(京都府京都市)
多くの神社で節分祭が開催される京都府京都市。左京区にある吉田神社では、2月1日~3日までの3日間、「節分祭」が行われます。
初日である1日には、「節分前日祭」と「疫神祭(えきじんさい)」そして、鬼やらい神事とも呼ばれる「追儺式(ついなしき)」の3つを開催。「疫神祭」では門の外に向かって、穏やかな日々がつづがなく続くよう、疫病などの災いをもたらす疫神に祈りをささげる祭事が行われます。
また、1日の午後に行われる「追儺式」は、現代にも伝わる数少ない神事のひとつ。平安京の守護神として建てられた吉田神社で行われるこの行事では、平安時代の初期から宮中で行われてきた伝統を忠実に受け継いできました。
仮面や玄衣朱裳を身に着けた大舎人と呼ばれる官人が、方相氏(鬼を払う役)を担い、子どもたちとともに盾を打って舞殿を廻ると……最後には上卿と呼ばれる祭事をリードする役職者たちが中心になって芦矢を打ち、鬼を追い払っていくそう。古くから伝わる神事をみたいという人にぴったりです。
もちろん、節分当日の2日も、「節分当日祭」や「火炉祭(かろさい)」といった催しが行われます。午後に行われる「火炉祭」は、古い神札やお守を焼き納めることで、宿っていた神や霊にお帰りいただく行事。迫力満点の巨大な火炉からも目が離せません。
そして3日には「節分後日祭」も開催。さらには、節分祭の期間中は、参拝者の厄を落としてくれるといわれる「厄塚(やくづか)」が大元宮正面にも立つそう。毎年50万人が訪れる大人気のお祭り、1度は行ってみたいお祭りのひとつといえるでしょう。
写真提供:吉田神社
|鬼退治は湖の上でも……! 箱根神社の湖上鬼追い(神奈川県足柄下郡)
2月2日に行われる箱根神社の節分。ここでは、「福は内」と豆をまく「節分祭」や、鬼を退治する「追儺式」に加え、場所を移してある祭事が行われるそう。
その名も「湖上鬼追い」。「追儺式」で退治された鬼が、箱根神社のすぐそばにある芦ノ湖に出現し、悪さをしているというのです。
鬼を退治し、一息ついていた人々は、芦ノ湖に逃げた鬼たちを追って移動。なんと船の上から豆を投げ、鬼払いを続けます。追儺式に加え、湖の上でも豆をまかれた鬼はようやく凝りて退散すると、鬼がいなくなった湖を清めて、幸せの訪れを祈ります。
神社だけにとどまらず、壮大なスケールで行われるこの行事。みているだけでも大盛り上がり、間違いなしでしょう。
もちろん、箱根神社の本殿や神楽で行われる節分祭や追儺式も多くの人が集まる人気行事。こちらから参加することで、鬼退治の達成感も増すはずです。
写真提供:箱根神社
「鬼は内」?……ちょっと変わった風習も!
多くの場所では、「鬼は外、福は内!」といいながら豆をまき、鬼を追い払うといった風習が根強く残っています。ただし、なかには「鬼は内!」と鬼を呼び寄せる神社や地域もあるのだとか。
代表的なのは、「鬼子母神」が祀られている神社です。もともとは人の子を食べてしまう鬼だったものの、子どもを隠されたことで改心し、いまや安産や子育ての神として知られる鬼子母神。鬼を祀っている以上、「鬼は外」とはいえず、「鬼は内」との掛け声が使われるようになったといわれています。
また、「鬼」という名前がつく領主さんがいた地域も、領主さんを外には出せないという事情から「鬼は内」というのが習慣になっている地域も多いそう。ほかにも、悪さをしない良い鬼もいるといった言い伝えや、鬼にあえて神社に来させて改心させることから「鬼は内」との掛け声も使う神社もなかにはあるようです。
神社や地域によっても、さまざまな違いがみられる節分の行事。住んでいる地域やゆかりのある場所の風習や特別な文化も調べてみてはいかがでしょうか?
写真提供:吉田神社・箱根神社