「自律神経」の乱れが与える体調の影響とゆるやかな自己管理のコツ
心身ともにON/OFFの切り替えを担っているのが自律神経。 ストレスとは、ONの状態が長く続いていることに気づかないまま、カラダとココロの緊張が常態化し、体調に異変をきたすこと。 もちろん、女性特有の体調維持のためにも、自律神経を整えることはとても重要です。
男性ホルモンと女性ホルモンの違い
まずは、意外と知られていない、自律神経のバランスと密接に関連する女性ホルモンと生理についてお伝えします。
一定に分泌される男性ホルモンと違い、女性ホルモンは生理の周期(平均25日~38日)により「自律神経を整えて妊娠の準備をするためのエストロゲン」と、「妊娠の成立に向けて子宮の働きを調整するプロゲステロン」の2つのホルモンがバランスを取り合っているため、その分泌にはアップダウンがあります。したがって女性ホルモンは、ホルモンバランスが男性よりも崩れやすく、デリケートな一面を持っています。
ライフステージとホルモンバランス
現代女性は妊娠・出産・授乳の回数が少ないため昭和時代の女性に比べると、生理が止まる期間、回数が少なくなっています。そのため生理の回数が極端に増加しており、昭和初期に比べると10倍ほどにも増えているのだとか! その回数は450~500回にも及ぶというから驚きとともにうんざり……という人も多いかもしれません。
思春期から40代ごろまでPMSをはじめ、生理痛痛など女性ホルモンが原因の症状が現れます。さらに年齢を重ねると登場するのが更年期症状。現れ方は人それぞれとは言うものの、女性ホルモンの減少が原因であることは同じです。通常の生活が送れなくなるほど重度の「更年期障害」ではなくても、頭痛や肩こり、ホットフラッシュ、不眠や動悸などの症状が多く見られます。
自律神経と生理不順
このように女性ホルモンは年代によって体調に及ぼす影響が変化します。そして自律神経との間にも、密接な関係があります。
生理の周期や年代の変化による女性ホルモンのバランスの変動は、自律神経をコントロールする脳の「視床下部」と呼ばれる部分に刺激を与えるため、自律神経のバランスにも影響し、生理周期や体調が乱れる可能性があります。
また、外部要因であるストレスも、自律神経のバランスを大きく乱す可能性があるため、生理周期に影響を与えます。自律神経の乱れによる生理への影響は大きく、人によっては無月経になってしまったり、生理痛が強くなることも。
自律神経のバランスを整えるには?
自律神経を整えるために有効なことは、
(1)十分な睡眠
毎日7時間以上は睡眠時間を確保するようにしましょう。
(2)適度な運動
「一駅分歩く」などの習慣を日常の中に運動を取り入れてみましょう。
(3)栄養の取れた食事
加工食品はなるべく控え、野菜等の生鮮食品から調理することを心がけましょう。
自律神経の乱れからくるココロとカラダの疲れを取るには、心身ともにOFF状態にすることが大切。副交感神経を優位にしてストレスをリリースするには、大勢ではなく1対1で気の合う友人や家族とおしゃべりをしたり、ひたすら好きなことに没頭するのが効果的。
OFFを感じる行動は人それぞれなので、ジョギングでリラックスする人もいれば、絵を描いたり料理をするなど、手を動かすことでココロがやわらかくなる人もいます。音楽、スイーツ、お昼寝、アロマ、推し活、ショッピング、読書などなど……自分に甘く、をテーマに1日を過ごすのもオススメです。
反対に、テレビや動画を見ることは、ドラマのストーリーに必要以上に感情をゆすぶられてしまい疲れを感じたり、暗いニュースに気持ちが引っ張られてしまうこともあるので要注意。また、ゲームに熱中することも、心身ともにON状態に切り替わってしまうため、自律神経を崩す原因になりがちです。
2つのバランスをゆるやかに整えて
女性ホルモンと自律神経、それぞれのご機嫌を取りながら生きていくなんて、我ながら大変な日々を女性たちは送っているものだ……と、気づきます。
妊活中のひとやPMSを伴う生理不順や生理痛に悩むひとは、疲れを感じたら存分に「甘える」ことを意識してみましょう。誰かに「おねがい!」と助けを求めることのできる自分でいることが大切です。「頑張る」ことは我慢をすることではなく、自分をより良い方向に導くこと。時には誰かの助けを借りながら「自分を保つ」ことも充分に頑張ることとイコールです。
寄り添ってくれるひとを大切に…
そして、SOSに応えて、話を聞いてくれる優しいひと、自分のことを大切にしてくれるひとを大切にしましょう。頼りになる温かなひとがそばにいるだけで、ココロもカラダもバランスが整います。
逆に、付き合いが長くても、近くに住んでいても、一緒にいて安らぎを感じないひととは距離を置く勇気も時には必要。ココロとカラダを守るためのちょっとしたコツは、自律神経や女性ホルモンにも影響するでしょう。
◆取材協力:まくらくま 関西カイロプラクティック医学院卒業 一般社団法人KCS会員
KCSセンター武蔵小杉セラピスト
「背骨をやさしく動かして不調を改善します。キレイな身体はキレイな脊柱から。」
KCSセンター武蔵小杉
◆参考:働く女性の心とからだの応援サイト 女性ホルモンとライフステージ・月経について
みやむらけいこ/ライター