株式会社レブセル 大阪・関西万博に出展 温暖化対策にも効果期待
中川に本社を構える株式会社レブセル(山本健二代表取締役)が4月13日から大阪夢洲で開催される「2025年大阪・関西万博」に出展する。同社は大気中から回収した二酸化炭素(CO2)をガラスやコンクリートの原料にリサイクルする技術を開発している。山本代表は「地球温暖化の原因物質のCO2が有効な資源に変わる技術」とアピールする。
公式レストランにも
同社が出展するのは、大阪ヘルスケアパビリオン内の「リボーンチャレンジ(RC)」ブース。ブースは、週替わりで400社を超える大阪の中小企業やスタートアップ企業が、新技術や製品を展示する。同社は、技術紹介を依頼している関西の代理店との共同出展という形で7月1日(火)から7日(月)まで出展する。
同社は「レコライム」と呼ばれる吸着材を開発。レコライムは、空気中のCO2に触れると、化学反応でガラスの原料にも使われる炭酸カルシウム(CaCO3)と水を生成する特性を持つ。同社の技術を用いたガラス製造方法は、製品全体におけるCO2排出量を評価するLCA(ライフサイクルアセスメント)で、従来の方法と比較してCO2排出量を最大9%削減できることが示されている。
関西万博では、同社が開発したレコライムで、大気中のCO2を回収する空気清浄機付き装置(DAC/ダイレクトエアキャプチャー)と、装置で生成したCaCO3を原料にしたコップやテーブルウェア、横浜あおば玉田ガラス工房に依頼した風鈴などのガラス製品を展示する。またサントリー株式会社が運営する会場内のレストラン「水空SUIKUU」でも、ビールグラスとして使用される。
これらの展示を通じて、空気中のCO2を利用して作られた原料からガラス製品を作るという「炭素循環経済」の実現をアピールし、地球温暖化対策への意識改革を訴える。
「奇跡の連続」
もともと「酸素カプセル」のメーカーに勤めていた山本代表は、高気圧高酸素環境下のカプセル内が、どのように細胞レベルで人体にプラス効果を及ぼしているかを研究するため、再生医療などの分野で大学との共同研究を視野に2014年に独立した。社名のレブセルは、「Reborn&RevolutionOfCell」の意味がある。
酸素カプセル内はCO2が充満してしまうことから、上手に取り除くことが出来ればもっと効果が上がるのでは、と考えた山本代表は、20年の東京五輪に向けて新製品を開発。その矢先に、新型コロナウイルス感染症の拡大で、新製品の開発どころではなくなってしまう。
しかし、知人のアドバイスで、カプセル内の気圧に関する技術を応用し、感染症対策用の陰圧室の開発に事業を転換。発熱外来用のプレハブなど簡易陰圧ルームを全国に販売・導入を成功させる。さらに異業種から医療・介護現場への参入に注目した大手メーカーが、「地球温暖化防止」のために同社のCO2回収の研究に興味を示し、共同での開発や研究が進んでいった。
同社が開発したDAC技術は、温暖化の原因物質の一つとされるCO2を回収するだけでなく、ガラスやコンクリートの原料など新たな資源として再利用する「カーボンリサイクル」を可能にしている。日本を代表するガラスメーカーなどと研究開発を続けており、23年5月開催の広島サミットでも紹介された。
今年1月には、50年の脱炭素社会実現を目指す神奈川県から、優れた取り組みとして第1回かながわ脱炭素大賞の先進技術・導入部門に選定。また4月1日付で横浜市の「横浜知財みらい企業」に認定されている。山本代表は「特にコロナ前後の道程は、山あり谷ありだったが、奇跡の連続だった」と振り返った。