犬の肥満度を確認する方法5つ 把握するための目安やダイエット術までご紹介
犬の肥満度を確認する方法
犬にとっても、肥満は恐ろしい病気です。
体重が増加することで関節に負担がかかり、関節・靱帯・椎間板を痛めやすくなります。歩行が困難になると、お散歩することができず、さらに体重が増加することがあります。
また、首回りに脂肪がつくと気道を圧迫します。少し歩いただけで呼吸が荒くなるのは、呼吸が上手くできないからです。
加えて、太った大きな体に酸素や栄養を運ぶことになるため、心臓への負担が大きくなります。結果、心肥大や心不全を引き起こすリスクが高まります。
あなたの愛犬は肥満ではありませんか?犬の肥満度を確認する方法として、「ボディコンディションスコア(BCS)」をご紹介します。
1.レベル1(BCS1)
BCS1は痩せている状態です。目視することができるほど肋骨や腰骨が浮き出ています。犬の体を上から見ると、くびれがはっきりしており、砂時計のような形をしているのが特徴です。
2.レベル2(BCS2)
BCS2はやや痩せている状態です。わずかに脂肪はついているものの、手で簡単に肋骨に触れることができます。
3.レベル3(BCS3)
BCS3は理想体重です。皮下脂肪はありますが、手で肋骨を確認することが十分にできる程度です。横から見ると腹部にへこみがあり、上部から見ると適度にくびれがあります。
4.レベル4(BCS4)
BCS4はやや肥満(ぽっちゃり)であると言えます。皮下脂肪に覆われているため、手で肋骨に触れることが難しくなります。横や上から見ると腹部のへこみやくびれは目視しにくい状態です。
5.レベル5(BCS5)
BCS5は肥満状態です。分厚い皮下脂肪に覆われているため、肋骨に触れることができません。腹部の皮下脂肪が垂れ下がるため、犬を横から見ると長方形のような体型をしています。
ポイントは、「肋骨に触れられるかどうか」「横から見たときに腹部のへこみかあるか」ということです。手で触れたとき、肋骨に触れているのか触れていないのかよく分からないという状態になると、肥満であると言えます。
理想体重であるときは、浮き出た肋骨を目で見ることはできませんが、手で触れてみると、しっかりと確認することができます。
肥満な犬のためのダイエット術
肥満な体のままで運動をすると、関節や気道や心臓に大きな負担を与えます。体重は食事でコントロールし、運動はこれまで通りのお散歩と同じで十分です。
理想体重に近づいてからお散歩を少し増やしたり、強度のある運動にもチャレンジしてみたりするとよいでしょう。
ごはんは適正量を与えること
ドッグフードのパッケージには、体重あたりの適正量が表示されています。
多く与えてしまっているのであれば、いきなり全ての余分な量を減らすのではなく、適正量に近づけながら少しずつ減らしていきましょう。
おやつは摂取カロリーの10%以内に抑えること
愛犬に1日に必要な摂取カロリーを計算し、おやつので摂るカロリーは、そのカロリーの10%以内に抑えましょう。
食事の回数を増やす
犬はごはんを消化するのに10時間くらいかかるとされています。そのため、食事は1日2回に分けることが理想であるとされています。
肥満でダイエットが必要な場合には、3回、4回と食事の回数を増やすことで満足感が得られ、ダイエットに有効的であるとされています。
ダイエットフードに切り替える
ダイエットフードは、犬の満腹感をサポートしてくれます。
ごはんの量を減らすと「もっと食べたい!」と騒いだり暴れたりする犬もいるため、ダイエットフードに切り替えることで対処するとよいと思います。
まとめ
犬の肥満は「ボディコンディションスコア(BCS)」で確認することができます。
✔BCS1:痩せ(肋骨が浮き出ている)
✔BCS2:やや痩せ(手で簡単に肋骨に触れることができる)
✔BCS3:理想体重(手で肋骨を確認することが十分にできる)
✔BCS4:やや肥満(肋骨に手で触れることが難しい)
✔BCS5:肥満(手で肋骨に触れることができない)
さらに愛犬の理想体重を知りたいときは、かかりつけの獣医師に相談しましょう。触診や体重測定などから診断していただくことができます。
(獣医師監修:葛野宗)