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いよいよ完全引退へ「省エネ電車」関東と関西 201系がまとった4色のカラーリングを振り返る

鉄道ホビダス

text:鉄道ホビダス編集部

京都鉄道博物館に展示された201系。前面はスカイブルーにラッピングされ、京阪神緩行線時代を彷彿とさせる姿になっていた。

‘25.5.18 京都府京都市 京都鉄道博物館 P:服部ひろみ
(鉄道投稿情報局より)

 2025年3月。大和路線(関西本線)で最後の活躍を続けていた201系が引退したことで、ついに名実ともに同系の定期運用が終了しました。1979年に試作車が登場してから約46年。関東と関西で活躍した201系には、主に4色のカラーバリエーション(「四季彩」除く)がありました。

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■中央快速線 青梅・五日市線 武蔵野線 大阪環状線 オレンジバーミリオン

 1979年に登場した試作車201系900番代は中央快速線に導入され、色は同線の101系や103系と同じく朱色1号(オレンジバーミリオン)とされました。また、武蔵野線、青梅・五日市線で活躍した201系も同色でした。長らく関東圏でのみ見られる色でしたが、2005年には京阪神緩行線で活躍していた201系が大阪環状線へ転属。西日本でも見られるようになりました。
 2010年に中央快速線の201系が引退。JR西日本でも大阪環状線へ後継車323系が導入されたことに伴って2019年に引退し、営業車両からは姿を消しました。

 ただし、営業には就かないものの豊田車両センターで現在トップナンバーの先頭車であるクハ201-1が車籍を有したまま保留車となっており、これが事実上最後のオレンジバーミリオンを纏う201系となります。

■中央・総武線 カナリアイエロー

 後にも先にも中央・総武線でのみ見られたカラーリングがこの黄5号(カナリアイエロー)です。1982年にデビューし、201系としては中央快速線系統に次ぐ導入になりました。
 その後この色は関西圏など他地域に波及することなく、中央・総武線へのE231系導入により2001年に営業運転からは引退。塗装自体は三鷹電車区に留置されていたクハ201-3が2005年に廃車されたことで完全消滅しました。

■京阪神緩行線・京葉線 スカイブルー

 201系が関西圏へ初進出した際に投入されたのが京阪神緩行線でした。同路線の103系に合わせて、カラーリングは青22号(スカイブルー)とされました。
 JR西日本所属の201系は2003年から、延命のため体質改善工事が施行されたことが特筆されます。これにより張り上げ雨樋や戸袋窓の閉塞、側面窓の交換、前照灯はガラス内に収められるなど、外観が大きく変化しました。JR西日本におけるスカイブルーの201系は、大阪環状線転属後も一部の編成で見られ、最終的に2008年に最後の1編成がオレンジバーミリオンに塗装変更されて消滅しました。

 JR東日本では、2000年より中央・総武線から転属してきた201系がスカイブルーに塗装され、京葉線で運用を開始したことで見られるようになりました。京葉線はラインカラーこそワインレッドですが、103系と同じく普通鋼車体ということもあり、塗装は103系に合わせた形になりました。
 京葉線の201系は中央快速線の201系なき後はJR東日本最後の201系として活躍し、2011年にE233系5000番代で置き換えられて引退。201系はスカイブルーと共に、JR東日本から姿を消しました。

■大和路線(関西本線)・おおさか東線 ウグイス

 201系の黄緑6号(ウグイス)は、JR化後となる2006年に201系が京阪神緩行線から大和路線(関西本線)へ転じた際登場したカラーバリエーションです。同線を走っていた103系の塗装を踏襲する形で前面には白帯が巻かれてはいるものの、登場から25年以上の時を経て同系初のウグイス色が誕生しました。
 2008年に開業したおおさか東線へもこのウグイス色の201系は投入され、置き換えが進んでいたJR東日本とは対照的に、当時はまだ今後の活躍にも期待されていました。
 そんなJR西日本の201系も、国鉄分割民営化から30年以上が経過した令和の時代となると寄る年波に勝てず、ウグイス色の201系はまず2022年3月におおさか東線から引退。大和路線で最後の活躍を続けていましたが、こちらも2025年3月に営業運転を終え、正真正銘201系は46年の活躍の歴史に終止符を打ちました。

■京都鉄道博物館で最後の花道

スカイブルー・カナリアイエロー・オレンジバーミリオン・ウグイスと歴代4色がラッピングされたクハ201-91。

‘25.5.18 京都府京都市 京都鉄道博物館 P:服部ひろみ
(鉄道投稿情報局より)

 2025年5月に、京都鉄道博物館で201系の特別展示が行われました。その際、クハ201-91には201系の歴代カラーリングである4色がそれぞれラッピングされ、有終の美を飾りました。特にカナリアイエローは関西圏での活躍はなかったものの、約20年ぶりの復活を果たしました。さらに前面はスカイブルーにラッピングされ、前照灯周りも可能な限り原型に近い印象になるようステッカーを貼り付け、車番をはじめとした前面は京阪神緩行線仕様、側面の保安装置標記や方向幕は京葉線仕様とされ、東西のスカイブルーが共演しました。

 いよいよ本線上から完全に姿を消す日も近いであろう201系。40年以上愛された電車の今後の行く末はどうなるのか、注目が集まります。

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