西武池袋本店の店長にスト主導役だった寺岡泰博・労働組合委員長を抜擢
西武池袋本店の新店長に、そごう・西武労働組合中央執行委員長の寺岡泰博(54)氏が5月1日に就任した。寺岡新店長は2023年にセブン&アイ・ホールディングスによるそごう・西武の売却をめぐり、雇用の維持や事業継続について具体的な説明がないのは不当だとして、ストライキ権を確立し、主導した人物として知られている。当時、約4000人の組合員のうち93.9%がストライキ権の確立に賛成しており、従業員からの信頼が厚いとされている。
寺岡泰博氏は、1993年に西武百貨店(現在のそごう・西武)に入社し、主に婦人服畑を歩んできた。2018年に中央執行委員長に就任すると、これまで労使関係の改善に努めてきた。そごう・西武は、2023年に社長に就任した田口広人氏を始め、プラダジャパン元社長のダヴィデ・セシア(Dvide Sessia)副社長らの布陣で西武池袋本店の全面改装・開業を目指している。
だが、改装工事には遅れが出ており、今夏を予定している全面開業も見通せない状況が続いている。米投資ファンドのフォートレス・インベストメント・グループとヨドバシホールディングスとの調整も不可欠であり、寺岡泰博新店長には西武池袋本店の全面開業に向けて従業員だけではなく取引先、親会社との調整を円滑に進める役割が期待される。