【 気になる韓国、ソウルの今vol.34】「ハングンパンバン」は迷わずたのみたい!ウマ安ボリュームたっぷりの焼肉店
休み目前!人気都市ソウルでの食べ歩き旅を計画している人も多いはず。今回は韓国の飲食に関する著書、訳書が30冊以上あり、日本からの旅行者対象のソウル大衆酒場ツアーも主宰しているライターに、安くて美味しい牛焼肉の店を教えてもらった。
サムギョプサル(豚バラ)の時代だが、たまには牛焼肉が食べたい!
豚バラ肉を焼くサムギョプサルが日本のコリアンタウンでブレイクしてから20年くらいになるだろう。今では韓国焼肉=サムギョプサルと認識する人が多くなった。
しかし、2002年の日韓ワールドカップの頃までは韓国焼肉といえばカルビやロースなどの牛焼肉を思い浮かべる人がほとんどだった。
だから、実際に韓国に行き、牛肉よりサムギョプサルやテジカルビなどの豚肉がよく食べられていることを知って驚く日本の人が多かった。
私がソウルで日本人を案内するときも、サムギョプサルをリクエストされることが多い。20年前からすでに牛肉は日本と比べて格段に安いわけではなかったせいもある。
この20年、韓国で流通している豚肉の質も値段も向上している。豚肉が安くないのなら、たまには牛肉をしっかり食べたいと思うのが人情である。
ソウル旧市街中心部、庶民の息吹が感じられる街
そんな人にぴったりの店を見つけた。
場所は、ソウル旧市街の中心部、乙支路4街(ウルチロサーガ)駅の近く。この辺りは、ソウルの新しいものと古いものが共存しているおもしろい街並みで、この店も高層のツインタワーをバックにした2階建ての雑居ビルの1階にある。
近くには乾物で有名な中部市場や手工芸品などの店が多い芳山市場、こぢんまりとした商店や中小企業、零細工場街がある。
店名は「SSADAアンチャンサル1994」。焼肉店には珍しく英文が入っている。SSADAとは韓国語の「サダ(安い)」のアルファペット表記。日本の旅行者がよく使う「ピッサダ(高い)」のピッは「サダ」を否定する「非」の韓国語読みだ。
牛ハラミと牛カルビの盛り合わせ600gが68,000ウォン!
2~3名なら、迷わず「ハングンパンバン」68,000ウォンを頼もう。
ハングンは一斤(600g)、パンバンは半分のことで、この店の人気メニュー、アンチャンサル(牛ハラミ)とカルビサル(カルビ肉)を半分ずつ盛ったものだ。
アンチャンサルはほどよい歯ごたえが、カルビサルは脂身の少ないロースに近い部位で肉のうまみがよく伝わってくる。
肉をもっと食べたければ、アンチャンサルもカルビサルも1人分(150g)18,000ウォンで追加できる。
この店は、50代くらいに見える主人(男性)の物腰がやわらかく親切で、とても居心地がよい。
私がこの店を利用したときは、となりの席で近所の会社の同僚らしき男性6人が肩の力を抜いて楽しげに肉を焼き、ソジュをあおっていた。
店の前の通りは広く、クルマの出入りは少ないので、外にドラム缶テーブルとプラスチックの椅子を準備してもらい、夜風を浴びながら肉と酒を楽しむのもいい。
「SSADAアンチャンサル1994」
中区乙支路4街181 11時~23時 土日休 乙支路4街駅から徒歩1分。同駅8番出入口を出て歩道を道なりに進み、最初の路地を左折すると左手に見えてくる
(うまい肉/チョン・ウンスク)