【家庭菜園の土作り】初心者必見! 卵の殻があれば肥料はいりません!
農業YouTuber黒壁の「誰でも手軽に家庭菜園」vol.4
YouTubeチャンネル「まるっと農業日記」を運営する黒壁勇人(くろかべ・はやと)さんが、誰でも気軽に家庭菜園を楽しめる方法をまるっとレクチャーする本連載。 第4回のテーマは「家庭菜園の土作り」。 実は、卵の殻があれば、肥料要らずでおいしい野菜が育てられるんです!
卵の殻があれば肥料はいりません!
冬が終わり、本格的な家庭菜園シーズンが到来!
夏野菜の植え付けに向けて、土作りをスタートした方も多いのではないでしょうか?
肥料を買わなくちゃ!と考えている方はちょっと待って!
実は多くの家庭で残飯として捨てられている「あれ」で簡単に手作り肥料が作れちゃうんです。
家庭で出る卵の殻! 絶対に捨てないで!
卵の殻が植物に与える驚きのメリット!
卵の殻、実は大部分が「カルシウム」でできています。
この「カルシウム」は、植物が健康に成長するために非常に重要なミネラルのひとつで、特に葉の生育や果物の形成に重要な役割を果たします。
カルシウムが不足すると、植物の生育が阻害されて収穫量が減少したり、品質が低下したりする可能性があるので、土作りでは、カルシウムを補うことが大切。
卵の殻は、カルシウムを効果的に補給する肥料になるんです!
また、卵の殻には、微生物の活動を促進する効果もあります。土壌の有益な微生物群が活性化すると、栄養分の循環がスムーズになります。
さらに、卵の殻に含まれる微量の窒素も、植物の成長を助けてくれるんですよ。
卵の殻を肥料に! 効率的な使い方
優秀な肥料になる卵の殻ですが、そのまま土に混ぜ込むと、分解に時間がかかって効果が現れるのが遅くなっってしまうので、効率的な使い方をする必要があります。
まずは下準備! 卵の殻を肥料にするには、しっかり乾燥させるのがポイント。乾燥させれば腐る心配がなくなるし、粉砕もしやすくなります。乾燥させる方法は、キッチンの風通しの良い場所に置いておくか、オーブンでちょっと温めて乾かすのがオススメです。
乾燥できたら、次は粉砕。あまり細かくする必要はないので、手でパリパリっと砕くだけでOK。逆に、細かくしすぎるとpHが上がってしまうので気をつけましょう。
さて、乾燥して粉砕した卵の殻を肥料として使う方法は2つあります。
土に混ぜる卵の殻を土に混ぜると、じっくりとカルシウムが溶け出して、植物が必要とする栄養を供給してくれます。また、コンポストにも混ぜると、微生物の活動が活発になって、質の良い堆肥ができあがります。
お酢で溶かした「卵液肥」をつくる
卵の殻をそのまま土に混ぜると、分解が遅く、すぐには効果が現れないので、お酢を使って卵の殻を溶かして、即効性の高い液体肥料を作る方法もあります。植物の根元に撒いたり、葉に散布して使うことができて、特に、カルシウム不足が気になるトマトやピーマン、ナスなどの野菜には効果的なのでぜひ試してみてください。
効果的な液体肥料として使える「卵液肥」の作り方
即効性が期待できる液体肥料として役に立つこと間違いなしの「卵液肥」。
用意するものは、卵の殻とお酢、そして密閉できる容器だけ。作り方もとっても簡単なので、ぜひチャレンジしてみてください。
STEP 1:お酢と卵の殻を混ぜる
乾燥した卵の殻を容器に入れ、卵の殻が完全に浸かる程度のお酢を加えます。
すぐに、卵の殻が泡を立て始めます。これはカルシウムが酢酸と反応して炭酸カルシウムが溶け出している証拠!
STEP 2:放置する
容器を密閉して、1~2日間放置。
カルシウムが溶け出して、だんだんお酢が濁ってきます。
STEP 3:カスを取り除く
最後に卵の殻の残りカスを取り除けば完成!
水で1:1の割合で薄めて使用します。
卵の殻はエコでリーズナブルな最強肥料!
特にトマトはカルシウム不足になりがちなので、「卵液肥」を葉面散布するのがオススメ。カルシウム不足による生理障害「尻腐れ病」を予防することができます。
白菜やレタスなどの葉菜類の株もとに置いておくとナメクジ対策にもなります。ナメクジは先の尖ったものを嫌う性質があるので、卵の殻の先端を嫌がって寄り付かなくなるんですよ!なので、土に混ぜ込まずに、表面に置いておくだけでも効果があると言えます。
卵の殻を使えば野菜が必要な栄養をばっちり補うことができます!
ぜひ、捨てずに取っておいて、おいしい野菜づくりに活用してください。
写真提供:YouTubeチャンネル「まるっと農業日記」