柏崎刈羽原発再稼働巡る公聴会 上越地域の公述人参加し3回目 賛成6、条件付き賛成3、反対3
東京電力柏崎刈羽原子力発電所の再稼働を巡り、県民の意見を聞く新潟県主催の3回目の公聴会が2025年8月3日、県庁などで行われた。上越地域3市に居住や勤務している人を中心に団体推薦8人と一般公募5人の計13人が意見を述べ、賛成6人、条件付き賛成3人、反対3人、どちらでもないが1人だった。
《画像:オンラインで行われた公聴会(YouTubeより)》
上越地域中心に13人が公述
公聴会は花角英世知事が県民の意向を把握する手法の一つとして、6月から8月まで全5回開かれる。公述人は一般公募と県内各団体からの推薦で選ばれた。上越地域を対象とした一般公募の応募者は、日程の都合で他地域から応募した人を含め6人で最も少なかった。
公述人の氏名は非公表でオンラインで行われ、13人のうち、10人は音声のみを公開し、2人がすりガラス越しに容姿を不鮮明にして参加。全面公開したのは1人だった。年齢層は20代1人、50代1人、60代7人、70代4人で、男女別では男性11人、女性2人だった。
賛成「経済発展や安価な電力の安定供給に寄与」
賛成は団体推薦5人と一般公募1人で、経済発展や電気料金の抑制につながる安価な電力の安定供給や、脱炭素への貢献などを挙げ、再稼働を必要とした。一方で「新潟県民は原発の直接の恩恵を受けにくいにもかかわらず、事故、災害など危険を背負っている」(県商工会議所連合会推薦・上越市70代男性)、「要配慮者などの避難計画は十分なのか」(県社会福祉協議会推薦・上越市20代男性)などの不満や懸念の声も出た。
条件付き賛成「降雪期の避難路確保など必要」
条件付き賛成は団体推薦2人と一般公募1人で、条件として降雪期の事故発生時の避難路確保や原発の安全性の厳格な確認、地元の理解と同意などが示された。「二度と想定外という言葉を使わずに済む対策や国の責任による放射性廃棄物処理技術の確立」(一般公募・上越市70代男性)の要望もあった。
反対「避難計画や福島原発事故の対応不十分」
反対は一般公募の3人で、原発事故が及ぼす地域への影響や、避難計画と東京電力福島原発事故後の対応の不十分さなどが指摘された。「安全な処分方法が確立されていない使用済み核燃料を再稼働で増やしてはいけない」(一般公募・上越市60代女性)、「人間が避難できたとしても自然環境が放射性物質に汚染される」(一般公募・長岡市70代男性)などの意見もあった。
どちらでもない「どこまで県民に伝わっているか疑問」
どちらでもないとしたのは団体推薦の1人。「再稼働のメリットやデメリット、リスクなどを明示してほしい。県からは様々な資料が公開されているが、どこまで県民に伝わっているか疑問が残る」(JA新潟中央会推薦・上越市60代男性)と述べ、電力需給の予測や避難対策、放射性廃棄物処理の具体策も含めた周知徹底を求めた。
公聴会は過去2回も含め、動画共有サイトYouTubeの「新潟県公式チャンネル( https://www.youtube.com/@NiigataPref/streams )」で視聴できる。
新潟県公式チャンネル( https://www.youtube.com/@NiigataPref/streams )