「子どもの乗り物酔い」どうしたらいい? 悩めるママが試した14の方法 「助手席」「サングラス」「スルメ」…効果を実感したのは!?
娘の乗り物酔いをなんとかしてあげたい! 酔い止め薬の服用だけじゃない、ママが試した14の対策。効果があったorなかった、その効果の有無や子どものリアルな様子をレポートします。ペットボトルでつくる、エチケット袋の紹介も。
実際に試してみた方法はこちら(画像紹介)8歳の男の子、6歳の女の子を育てるエニママライターの垣内千夏です。娘は乗り物酔いがひどく、車でのおでかけが苦手です。今回は、我が家で実践した乗り物酔い対策とその効果、娘の反応などを紹介します。
現在6歳の娘は、2歳ごろから乗り物酔いをするようになりました。短い距離でも酔う……吐き気だけでなく嘔吐もしてしまう……。親として「なんとかしてあげたい!」という気持ちから、我が家ではさまざまな乗り物酔い対策を試してきました。
今回は、我が家で試した乗り物酔い対策と効果の有無、娘の様子をレポートします。
我が家で試してみた14の乗り物酔い対策
我が家で実践した14の乗り物酔い対策について紹介します。
1.窓を開けて換気をする
我が家では毎回実践している定番の対策です。車内の嫌なにおいを外に出し、新鮮な空気を取り入れることで、少しでも不快感を軽減することが目的です。
娘はというと、顔に強風をあびて「キャ~ッ!」「髪がボサボサ~!」と喜んでいます。換気に加え、気をまぎらわせられることにも効果も感じています。
絶対に手や顔は出さないお約束。
2.テレビは消して音楽を流す
「ほその耳鼻咽喉科」院長・細野研二先生(以下、細野先生)によると、「乗り物に酔いやすいお子さんが、乗車中にテレビやスマホを観ると、視線は固定されているのに体は動いているため、情報のミスマッチが起こりやすくなります」とのことです。
娘も乗車中にテレビを見ると、高確率で気分が悪くなります。退屈しのぎとしてテレビやDVDに頼りたいところですが、できるだけテレビは消し、音楽を流すようにしています。
車内で流す音楽は、子どものリクエスト曲です。運動会で踊った曲や発表会で歌った曲、流行っている曲などを流し、子どもがノリノリで歌える曲を流すことで、気をまぎらわせる作戦です。乗り物酔いを遅らせる効果があり、短い距離なら酔わずに乗り切れます。
子どもが退屈しないようにと、わざわざ後部座席にモニターを付けたのですが、出番がありません(高かったんだけどなぁ)。
3.こまめに休憩をする
SAや道の駅などがあれば、こまめに休憩をとるようにしています。一時的ではありますが、車から降りて歩くことで気分転換ができるため、乗り物酔いを回避できる有効な方法です。
ただ、休憩後には再び車に乗ってもらわなければなりません。いったん車から解放された娘は、車に乗ることを渋り、説得するのに一苦労……。そこだけが難点の対策です。
4.助手席に座らせる
細野先生によると、前方がよく見える助手席は『この角を右折する』など先の見通しを立てやすくなるため、酔いにくいそうです。
何度か娘を助手席に座らせたのですが、娘には残念ながら効果はありませんでした。これは、進行方向を見ず、サイドミラーに映る自分ばかりを見ていることが原因かと思います。
ミラーではなく、前を見よう! 前を!
我が家の場合、この対策には問題がもうひとつがあります。それは、助手席に座りたい兄(8歳)と、けんかになることです。おでかけ前の一悶着を考えると、この対策は我が家には不向きかなと諦めています……。
5.ぬいぐるみを持たせる
緊張感をほぐすために、お気に入りのぬいぐるみを持たせるのもよい方法だそうです。
娘のお気に入りのぬいぐるみは、『ロコン(ポケモン)』。「今日は一緒におでかけしよう!」と一緒に乗ったものの、ぬいぐるみはシートにころん……。ずっと抱っこしている姿を想像していたので、イメージどおりにはいかず、効果も得られずでした。
シートに転がる『ロコン』。
6.サングラスをかける
「サングラスをかけると乗り物酔いしにくい」と聞いたことがあることを思い出し、紫外線防止対策に購入した子ども用サングラスをかけさせてみました。……が、5分程度で外してしまうため、乗り物酔い対策としての効果は判定不能でした。
細野先生曰く、景色が見えにくくなることで余計に酔いやすくなってしまう可能性があるとのことなので、お試しになる際にはご注意ください。
7.金平糖を「気持ち悪くならない薬」として食べさせる
これは薬を飲めない年齢のときに試した方法です。昔に読んだ漫画『ご近所物語』に、こんぺいとうが魔法のくすりとして登場していたのを思い出し、実践してみました。
細野先生も、薬を飲んだということで安心感を得られる『プラセボ効果』があるいい方法だとおっしゃっています。
ところが! 娘は甘い食べ物が苦手です。一度は金平糖を食べたものの、その甘さを知ってからは「いらない」といって食べてくれません。乗り物酔いをまったくしない息子が、喜んで食べていました。
8.車内の消臭剤を使用する
車特有のにおいも、乗り物酔いをする原因のようです。かといって、芳香剤のにおいも苦手なので、無香料の車用消臭スプレーを使用してみました。
しかし、娘の様子は変わらず、乗るたびに車のにおいを嫌がっているため、効果は実感できていません。
9.酔い止め薬を服用させる
多くの酔い止め薬は、5歳から服用可能です。娘が5歳になり、待ってましたと言わんばかりに、市販の酔い止め薬を服用しはじめました。
「これで乗り物酔いから解放される!」と思ったものの、急カーブやアップダウンの激しい山道を通ると、薬を服用していても気分が悪くなってしまいました……。
ですが、広島県から大阪府までの長距離移動でも酔わずに到着できたという成功体験もあります! なので、おでかけの際には必ず服用しています。
飴が苦手な娘は、この酔い止め薬を舐めるのも嫌なんだそうです。
10.車の足廻りパーツを変えてみた
我が家の愛車はハイエースです。お世辞にも乗り心地がよい車ではありません。
できる限り乗り心地をよくしてあげたいという夫の提案で、車の足廻りパーツを変えてみました。ところが、娘も私も乗り心地の変化を感じられず、乗り物酔いも軽減されていません(夫だけが、乗り心地がよくなったと満足しています)。
細野先生によると、ワゴンより地面に対する着座位置が低いセダンのほうが揺れが少なく、乗り物酔いも軽減するそうです。車を乗り換えるという壮大な乗り物酔い対策は、まだ実践できずにいます。
11.寝させる
今のところ、娘には一番効果のある方法です。細野先生の「眠ってしまえば酔わない」という、この一言に尽きるかと思います!
帰り道は遊び疲れて寝てしまうことが多いのですが、行き道で寝させることは難しいんですよね……。前日に少し夜更かしをしてみたり、早起きをさせてみたりと試行錯誤中です。
12.車酔い防止リストバンドを着用する
手首の内側には、乗り物酔いを和らげる内関(ないかん)というツボがあるそうです。そこで指圧リストバンド『スッキリバンド』を購入してみました。
両手首に付けているものの、残念ながら効果は感じられていません……(ツボの位置がズレていると効果がないようなので、もしかしたら正しく付けれていないのかも?)。
細野先生によると、とくに副作用はない方法であり、付けることで安心感を得られるとしたら効果のある方法とのことです。娘は嫌がることなく、むしろアクセサリー感覚で喜んで付けているため、現在も使用を続けています。
娘の好きなブルーカラーの酔い止めリストバンド。
13.スルメを食べさせる
ママ友から聞いた対策法です。娘はスルメが大好きなので、「これはいいかも!」と試してみました。
ちびちびとスルメを食べ続けることで、「あれ、いつもより平気そう……!」と思うことが何度かあり、効果を感じています。食べすぎるとお腹がいっぱいになり、かえって気分が悪くなってしまうことには注意が必要ですが、飴やガムが苦手な娘にとっては、相性のよい対策のようです。
ただ、車の中がスルメのにおいになるため、苦手な方にはおすすめしません。
14.毎日でんぐり返しをする
細野先生によると、三半規管に刺激を与えるでんぐり返しは、乗り物酔い対策に有効だそうです。
娘に「でんぐり返しをすると、車酔いをしないらしいよ!」と伝えて以降、車ででかける前には「ちょっと待って! でんぐり返ししてから行く!」と、積極的に取り組んでいます(笑)。
即効性がある対策ではないため、効果の有無は判断できませんが、少しずつ三半規管が鍛えられていると信じて続けています。
でんぐり返しのほかにも、ラジオ体操や30分くらいのウォーキングなどもよいそうですよ。
常備アイテムを紹介
いろんな乗り物酔い対策を試しても、ダメなときはダメ。
せめて、嘔吐してしまったときの負担を軽減できるよう、我が家では手づくりエチケット袋ならぬエチケットボトルを常備しています。
つくり方は簡単。2リットルのペットボトルの上部をカットし、ビニール袋をかぶせるだけです。切り口は、ガムテープなどで保護しておくと安心です。
使用するペットボトルは、固いものがおすすめ。
エチケット袋を使用していたころ、不安定で持ちづらく、嘔吐した際に服が汚れてしまうことが何度かありました。エチケットボトルにしてからは、小さな子どもでもしっかりと持てるため、嘔吐で服が汚れることがなくなりました。
吐いてしまったら、ビニール袋を取り外し、新しいものをセットすることで繰り返し使用できます。
「大丈夫!」と思える心も育てたい
さまざまな対策を試した結果、娘に効果を感じた対策TOP3は以下です。
第1位:寝ること
第2位:酔い止め薬を服用すること
第3位:スルメを食べさせる
体調や行き先、道路状況などによっては、どの対策も効かないこともあります。娘の場合、「酔うかもしれない」という不安な気持ちが、乗り物酔いに大きな影響を与えているようです。
細野先生によると、「乗り物酔いは中学生ごろにはよくなる」とのことです。この言葉には、娘だけでなく、親である私も勇気づけられました!
娘にも「お姉さんになると、少しずつ酔わなくなるらしいよ!」と伝えています。ゴールがあることを知っておくだけでも、気持ちは楽になります。
一輪車を練習する、置き鍼を貼るといった乗り物酔い対策もあるようなので、今後も親子で試してみたいと思います。
今回紹介した対策と効果には、個人差があります。乗り物酔いに悩む方の参考になれば嬉しいです。
乗り物酔い連載(全4回)は、乗り物酔いについて理解が深まるため、ぜひ読んでみてください!
※記事内写真はすべて撮影:垣内千夏