GA-ASI、新型ドローン「Gray Eagle 25M」用の重燃料エンジンの最終認証試験を完了
General Atomics Aeronautical Systems, Inc.(以下:GA-ASI)は、2024年11月13日に、カリフォルニア州エルミラージュの飛行施設で200馬力の新型重燃料エンジン(HFE 2.0)の最終認証試験を完了した
この重燃料エンジン(HFE 2.0)は、高い信頼性と低メンテナンス性を備えたエンジンで、サービス寿命を40%延長し、メンテナンス不要な運用期間を長くする設計となっている。このエンジンは、新型Gray Eagle 25Mが求める過酷な性能要件に応える馬力と電力を供給する。
HFE 2.0エンジンの3週間にわたる認証試験は、連邦航空局(FAA)の耐久試験要件(FAA 14 CFR 33.49)に準拠して行われ、商業航空で使用されるエンジンに必要な主要な性能基準に合わせたもの。
この18カ月間、HFE 2.0は厳しい耐久試験で優れた成績を収め、200時間、400時間、651時間の3種類の長時間試験プロファイルにおいて、高ストレス条件を想定した2,450回のフルパワーサイクルをシミュレーションした。また、飛行包囲内での飛行試験も50時間実施した。
アレクサンダー氏:この試験は、HFE 2.0エンジンに対する広範囲な耐久試験と飛行試験プログラムの集大成です。この7年間、情熱を注いで設計・開発してきたHFE 2.0エンジンが素晴らしい試験結果をもたらし、Gray Eagleのフリートにこの世界水準のエンジンを提供できることを嬉しく思います。
GA-ASIは、その関連会社であるGeneral Atomics Europeと提携し、Cosworthなどの推進技術革新企業の支援を受けて、高性能エンジンの開発を進めた。このエンジンの開発は、同社の内部資金による研究開発プログラムの一環として行われた。
また、GA-ASIはGeneral Atomics Electromagnetic Systemsを招き、エンジンのデュアルブラシレスジェネレーターを設計・製造した。このジェネレーターは現行のジェネレーターの代替品としてそのまま組み込める設計となっており、現場でのメンテナンスを大幅に削減する。
この改良されたジェネレーターは、MDO(Multi-Domain Operations)ミッション向けに新たに利用可能となったペイロードをサポートするため、電力供給能力を50%以上向上させる。
FAAのエンジン耐久試験完了後、次のステップとしてHFE 2.0を既存のGA-ASI製Gray Eagle Extended Range(GE ER)無人航空機システムに使用できるようにするため、米陸軍による認証プロセスが進められる予定だという。
このエンジンは、寿命が尽きつつある180馬力エンジンの代替品という位置づけだ。また、HFE 2.0は、現在米陸軍資金によるプログラムの下で製造が進行中の次世代Gray Eagle 25M(GE 25M)ドローンの中核を成すエンジンであり、今後のMDOドローンミッションを支える役割を果たすとしている。
General Atomics Aeronautical Systems