母の想いを息子が受け継ぐ!三宮・さんプラザ『キムラ味道園』で神戸牛をぐっと身近に 神戸市
ランチ激戦区・三宮のさんプラザ地下1階に4月19日オープン!純神戸牛のすき焼きや牛たんが味わえる『キムラ味道園(みどうえん)』(神戸市中央区)で、新メニューの「黒田庄和牛 大判焼きすき重」を贅沢に堪能してきました。
二代目店主の香川さんが切り盛りする同店は、36年前に神戸・長田でお母さんが営んでいた焼肉韓国料理店『味道園』がルーツ。「もう一度お店をやりたい」という母の想いを胸に、店名をそのまま引き継ぎ、香川さんが新たな一歩を踏み出しました。
店内はかつての面影を残しつつ、どこか懐かしい昭和レトロな佇まい。L字のカウンターに7席のみというこぢんまりとした空間で、ひとりでも気軽に立ち寄りやすい雰囲気です。
お昼のピーク時は平日・土日問わず満席になることも多く、順番待ちの際は店頭のベンチに座って待つことができます。
今回は「黒田庄和牛 大判焼きすき重」をいただくことに。“黒田庄和牛”とは、西脇市・黒田庄町の豊かな自然の中で育てられた希少な和牛で、年間出荷数およそ600頭のうち、なんと8割以上が「神戸ビーフ」として認定されるという高品質ぶりです。
溢れんばかりに盛られた神戸牛の上に、鮮やかな卵黄が乗り、見た目のインパクトも抜群!プラス110円で「但馬牛肉吸い」をセットにできるので、これはぜひ一緒に注文するのがおすすめ♪その理由は、後ほど詳しく紹介します。
カウンター越しに調理の様子を眺められるのも楽しい。絶妙な火加減を見極めながら、あえて“触りすぎない”のが店主の流儀です。むやみに手を加えると味が濁り、肉本来の旨みが損なわれてしまう――その繊細な仕事ぶりに自然と期待が高まります。
味の決め手となる割り下には、ワンランク上の湯浅醤油や薩摩醤油など、4種の醤油を独自にブレンド。卵には、オレンジ色が美しい「高砂の夕日」を採用するなど、素材選びにも一切の妥協はありません。
肉だけでなく、調味料・野菜のすべてにおいて“生産者の顔が見えるもの”のみ使用する徹底ぶりにも心を打たれます。
提供時には小皿も添えられるので、一度肉をそちらに移してから、こぼれないよう少しずつ味わうのがおすすめです。
卵黄をたっぷり絡めて、まずはひと口。やわらかな舌ざわりとともに、神戸牛の上品な脂の甘みがじんわりと広がります。大ぶりなカットながら口当たりは軽やかで、ふわりと香りを残してすっと消えていく。そのスマートな余韻に、食べるたびに幸せが込み上げてきます。
神戸牛だけでなく、焼き鳥の希少部位「ふりそで」も付いてくるのが同店流。店主と親交の深い京都・丹波の養鶏所から仕入れたもので、しっとりとやわらかく、噛み応えも抜群です。
“箸休め”のような役割で提供されているそうですが、十分“主役級”の存在感があります。
「但馬牛肉吸い」には、白菜や水菜、にんじんなど約7種の野菜がたっぷり入った珍しいスタイル。肉の旨みと野菜の甘みが溶け合い、身体にじんわり染みわたる一杯です。
そして、先ほどの「すき重」に「但馬牛肉吸い」のだしをかけて、後半は“ひつまぶし風”にアレンジ。スタッフや常連さんからも人気の食べ方で、全体がふんわりとやさしい味に変化し、これがまた旨い!
さらに、昆布やポン酢を効かせた自家製の漬物を添えれば、シャキシャキ食感と塩味が心地よいアクセントに。最後まで飽きることなく味わえます。
神戸市内で焼き鳥店やラーメン屋なども手がけるオーナーの香川さん。幼い頃に母が作ってくれたすき焼きの味が忘れられず、その記憶こそが同店の原点になっているそうです。
実際に、かつて長田でお母さんが営んでいた『味道園』の常連客がこの店に訪れたこともあり、なんと36年ぶりの再会を果たしたのだとか。懐かしさと感動が一気にこみ上げたようです。
そのほかにも「厚切りタン定食」や「すき焼き定食」「牛タンとろろ月見丼」など、ラインアップは実に多彩。気軽に“高級和牛”を楽しめる、今はまだ知る人ぞ知る実力派の店を見つけました。
場所
キムラ味道園
(神戸市中央区三宮町1-8-1 さんプラザB1F)
営業時間
11:30~15:00(L.O.14:45)、土・日曜、祝日11:30~16:00(L.O.15:45)
定休日
月曜日