東京都でまき餌(コマセ)使う釣りが解禁【2024年11月15日〜】 理由と新ルールを徹底解説
東京都は、東京都内湾、伊豆諸島、小笠原諸島の海域において、遊漁者(レクリエーションで釣りを行う人)のまき餌釣りに対するルールを定めました。まき餌釣りは、魚を寄せるために餌を撒く方法ですが、これによる環境や漁業操業へ支障をきたさないように、使用方法や量に制限を設けています。今回の規制緩和は2024年11月15日から。ここでは具体的なルールと規制緩和の背景について詳しく解説します。
東京のまき餌釣りが解禁
これまで、東京都の海域では、環境保護や資源管理の観点から、遊漁者によるまき餌(コマセ)釣りが原則として禁止されていました。
しかし、東京都は地元の漁業者や観光事業者、遊漁船業者との協議を経て、11月15日より規制を緩和し、新たなルールのもとまき餌(コマセ)釣りができるようになりました。
まき餌の新たなルール
ここからは、具体的なルールについて解説します。船釣りと陸っぱり、エリアによって規制内容が異なる点について注意が必要です。
船舶を使用する場合
船舶を使用して釣りを行う場合、まき餌かごのサイズや使用量に制限が設けられています。
1. まき餌かごのサイズ
かごの数は1仕掛けにつき1個に限られます。
・東京都内湾:長さ8cm以下、外径5cm以下のもの。
・伊豆諸島・小笠原諸島:長さ23cm以下、外径5.5cm以下のもの。
2. まき餌の使用量
まき餌の使用量は、基準内の量を使用する場合であっても必要最小限の量としなければなりません。
・東京都内湾:1人1日あたり最大3kgまで。
・伊豆諸島・小笠原諸島:1人1日あたり最大9kgまで。
船舶を使用しない場合
船舶を利用しない釣りの場合、具体的なまき餌の使用量に線引きはないものの、まき餌の使用量は、必要最小限の量としなければなりません。
また、漁業権が設定されている区域において、漁業権者がルールを設けている場合はそれに従い、漁場管理に協力する必要があります。
ルールの適用開始時期
このまき餌釣りのルールは、令和6年11月15日から有効です。
解禁について担当部署に聞いてみた
規制緩和の背景やタイミングについて、担当部署である東京都産業労働局・農林水産部水産課に話を伺いました。
解禁の背景とその理由
今回の規制緩和については、釣り関係団体からの要望が大きな後押しとなりました。
また、都としての施策ではありませんが、規制緩和によって釣りを目的とした来島者が増え、結果的に島しょ部の活性化を期待しています。このような背景があり、今回の緩和に至りました。
解禁が実施された経緯
東京都ではこれまでまき餌に関する規制緩和が検討されてきましたが、関係者との調整が完了したことから、漁業調整規則の改正が行われました。
今回の制度改正は、まず東京都漁業調整規則を改正し、遊漁者のまき餌釣りの禁止規定を撤廃。そのうえで、東京海区漁業調整委員会から遊漁者のまき餌釣りに対するルールが発出され、新たな規制内容が適用されることとなりました。
有効期間が1年とされた理由
通常、東京海区漁業調整委員会指示の指示期間は1年間と定められており、問題が発生した場合にはその内容を改正する場合もあります。
再び規制される可能性は?
漁業者とのトラブルが発生した場合や水産資源への影響が懸念される状況、まき餌による釣り場環境の悪化が見られる場合には、規制が再度強化される可能性があります。
こうした状況を回避するためにも、釣り人にはルールの遵守、安全確保、マナーやモラルの周知にご協力いただけると幸いです。
ルール遵守が釣りの存続に繋がる
今回の規制緩和によって、東京の海でのまき餌釣りがより多くの人にとって楽しみやすいものとなりました。
しかし、規制緩和には自然環境や漁業者との共存を大切にするという意図が込められています。
釣り人一人ひとりがルールを守り、環境への負担を意識した釣りを行うことで、豊かな海を次世代に引き継いでいくことができるでしょう。
<藤田浩平/TSURINEWS編集部>