千葉県「流山市」の住みやすさは?在住歴7年のママライターが住みやすい5つのエリアを紹介
「母になるなら、流山市。父になるなら、流山市。」のキャッチコピーのもと、子育て世帯に人気の街・流山。私も妊娠をきっかけに横浜から移住し、現在7年が経ちました。
この街の魅力ともいえる“流山らしさ”は、とにかく子どもが多いこと。少子化が進む時代に、「みんなで子育てをしている」という実感を持てる街です。実は私も、この街のあたたかい雰囲気に背中を押されて、かねてからの夢だった保育士資格の取得を決意し、無事に合格することができました。
とはいえ、流山は“子どものための街”というだけではありません。歴史を感じられるエリアも多く、大人もワクワクする要素満載です。今回は、いつも家族で自転車に乗って流山の街を楽しんでいるわが家ならではの視点から、住みやすさをご紹介します。
流山市はどんなところ?基本情報
まずは、流山市がどんな街なのかを見ていきましょう。
流山市の概要
流山市は、千葉県北西部の東葛飾地域に位置しています。“都心から一番近い森のまち”とも呼ばれているとおり、市内を複数路線が走り都心方面へのアクセスが良好。さらに、緑が多く自然も豊かで、住みやすいことが大きな魅力です。
その歴史として市民におなじみなのが、新選組との関わりです。実は流山は、新選組局長・近藤勇が捕えられた地であり、流山市立博物館には当時を物語る多くの貴重な資料が展示されています。市内にはほかにも、新選組にまつわる歴史が学べるスポットが点在しており、“流行りの新しい街”と思われがちな流山の、意外な一面を感じることができます。
そして、市民の足として定番なのが“つくばエクスプレス”。2005年の開業以来、南流山駅ではJR武蔵野線、流山おおたかの森駅では東武アーバンパークラインと接続しており、利便性の高い交通網を形成しています。市の中心には流山I.C.があるため車移動にも便利ですが、流鉄流山線やコミュニティバスなど多様な交通手段が整備されているので、わが家では車を所有していません。さらに自転車を活用すれば、市内の移動は十分可能で、日常生活で困ることなく暮らせています。
流山市では人口が年々増加中
2025年4月現在の人口は21万3,816人で、県内でもトップ10に入る規模を誇ります。充実した住環境を求めて、毎月多くの人々が流山市に転入しています。
特に注目したいのが子どもの人口で、15歳未満は3万4,622人と全体の約16%を占めています。日本全体ではおよそ11%であることからも、流山市には子育て世帯が多く住んでいることが分かるのではないでしょうか。この背景には、数多くの整備された保育園や駅前送迎保育ステーションなど、子育てに関する行政の手厚い支援が影響しています。
実際、おおたかの森小学校では2024年4月に入学した1年生が248人で8クラス編成となり、学校全体の児童数は1,500人以上にのぼる大規模校となりました。一方で、近隣の流山北小学校では同時期に入学した1年生が81人で3クラス編成となっているため、人口が多いエリアには偏りがあることが分かります。
どのような環境で暮らしたいかを検討する際には、小中学校の児童・生徒数をひとつの参考にしてみるのもよいかもしれません。
流山市の名産といえば“みりん”
流山市は、“白みりん”発祥の地としても知られています。17世紀初頭、江戸川の舟運によって江戸の街とつながった流山は、みりんの原料となる米や良質な水に恵まれ、みりん醸造が盛んになりました。
ちなみに“白みりん”とは、流山で造られたみりんが従来のみりんよりも淡い色をしていたことに由来しています。
この“白みりん”の歴史をさらに広めるために、2025年3月には「白みりんミュージアム」がオープンしました。館内には展示だけでなく体験プログラムも充実していて、週末には事前予約チケットが完売する時間帯も多くみられます。子どもから大人まで楽しめるこの新しいスポットは、今後ますます注目を集めそうです。
流山市は老若男女が住みやすい街
ここまで流山市の概要をお伝えしてきました。ここからは、具体的にどのような点が住みやすいと感じているのかを体験談を交えてご紹介します。
流山だからこそ平日も休日も充実
わが家では夫が片道約1時間で都内へ通勤していて、以前は私も同じくらいの時間をかけて会社に通っていました。「もっと会社に近いほうが便利じゃない?」と周囲にいわれたこともありましたが、個人的には流山の魅力はその‘‘時間のデメリット‘‘を上回ると感じています。
先述したとおり、自然豊かな流山の環境は、休日に家族でリフレッシュするのにぴったりです。道幅が広いところも多く、徒歩や自転車での散歩もストレスがありません。行き先を決めずに散歩しながら、道端の花を見たり木の実を拾ったり。そして、疲れたら軽食を買って、ベンチに座ってひと休みする。そんな過ごし方が休日のわが家の定番になっています。
平日も、通勤時間がある程度かかるからこそ、「仕事モード」に切り替えやすいというメリットがあります。通勤時間を資格の勉強に充てることもできるので、意外と有効な時間の使い方ができています。
家の近所にはスーパーが複数あり、どこも広くて品ぞろえが豊富です。昔は都心で暮らしていたこともありましたが、私自身のんびりと心地よく過ごせるのは、やはり都心から少し離れたところだと感じています。これから年をとってもずっと暮らしていきたい街です。
街にあふれる安心感も流山の大きな魅力
とにかく子どもが多いからか、街全体に寛容な雰囲気があると感じています。季節行事やマーケットなどで、子育て世帯以外の方とかかわる機会も多い流山。子育てを終えた方、高齢の方も温かく子どもたちを見守ってくれますし、そうした方々との交流を通して、大人が学ぶことも多くあります。核家族化が進むなかで、家族以外とつながりを持てる環境は、子どもだけでなく大人にとっても貴重なのではないでしょうか。
さらに、乳幼児向けイベントや児童館など、子育て世帯同士がつながる場所が数多く整備されていることも魅力です。
わが家は夫の帰りが遅く、祖父母のサポートを受けられないなかでの子育てでしたが、地域の子育て支援センターで出会ったママ友が大きな支えになっています。子どもをお互いの家や公園で遊ばせながら悩みを相談し合えたことで、“孤育て”にならずに済みました。また、子育て支援センターでは、育児経験のある年上の職員の方々が多く、先輩の目線からアドバイスをいただけたことも大きな支えとなりました。
今後は私も街の人たちの役に立てる機会があれば関わっていきたいと思いますし、そういった温かい気持ちが循環していることが流山らしさなのではないかと感じます。
流山市の住まい事情
実際に住むとなると、気になるのが家賃ですよね。ここでは、流山市の家賃相場を周辺エリアと比較してご紹介します。
流山市の一人暮らし向け物件の家賃相場
流山市の一人暮らし向け物件(1R~1DK)の家賃相場は、6.64万円となっています。千葉県内の近隣エリアと比較すると、松戸市が6.60万円、柏市が7.15万円となっており、流山市は平均的な家賃相場だといえます。
ちなみに、流山市の間取り別の家賃相場は以下のとおりです。
・ワンルーム:6.49万円
・1K:6.51万円
・1DK:7.76万円
都内や埼玉方面へのアクセスに便利で、かつ休日を楽しく過ごせるスポットが満載の流山市は、一人暮らしにもおすすめです。
流山市のファミリー向け物件の家賃相場
流山市のファミリー向け物件(2LDK~3DK)の家賃相場は、12.59万円となっています。千葉県内の近隣エリアと比較すると、松戸市が13.25万円、柏市が14.21万円と、流山市は安めの家賃相場となっています。
子育て世帯への支援に力を入れている自治体であるうえに、ファミリー層向けの物件の家賃が安い傾向です。前述したとおり流山市はとても住みやすく、多くの魅力にあふれています。なるべく家賃をかけず、子育て環境が整った場所で生活したいという方におすすめのエリアです。
流山市の間取り別の家賃相場は以下のとおりです。
・2LDK:12.46万円
・3K:--
・3LDK:17.22万円
流山市の住みやすいエリアを5つ紹介
利便性重視の人にはおおたかの森エリア
流山といえば、まずイメージされることが多い“流山おおたかの森駅”です。つくばエクスプレスと東武アーバンパークラインの2路線が利用でき、駅前のバスターミナルからは市内各方面へ向かうバスが発着しています。
何といっても駅直結のショッピングセンター“流山おおたかの森S・C”には、飲食店から映画館、主要なチェーン店などが軒並みそろっているので、買い物に困ることはまずありません。週末には毎週のようにイベントが開催されていて、子どもとのお出かけにも便利です。通りを挟んだ向かいには大きな公園があり、買い物だけでなく緑豊かな自然を楽しめます。
さらに、駅からすぐの“おおたかの森市民窓口センター”では、行政サービスを気軽に利用できるなど、市内でも圧倒的な利便性を誇ります。昨今人気が高まっていることで家賃は高めですが、便利な住環境で暮らしたいと考える人にはぴったりのエリアです。
昔懐かしい雰囲気が好きな人には流山本町エリア
おおたかの森エリアが年々整備されるなかで、昔ながらの流山の雰囲気を色濃く残しているのが流山本町エリアです。歴史を感じる蔵や古民家が点在していて、夜には流山本町のトレードマークともいえる“切り絵行灯”が街を優しく照らします。近くに市役所があることから分かるように、つくばエクスプレス開通前までは、このエリアが流山市の中心となっていました。
ここを走っているのが、“流鉄流山線”。2両編成、6駅全区間で全長5.7kmと小規模な路線ですが、流山駅とJR常磐線に乗り換え可能な馬橋駅とを結んでいます。
100年以上の歴史を持ち、多くの鉄道ファンに愛されています。車両を活用したイベントやキャクターとのコラボなど面白い取組みが多く、市内の子どもたちにも大人気です。ICカードに対応していないため切符の購入が必要な点など、流鉄ならではの昔懐かしいレトロな雰囲気に癒やされます。
俳人・小林一茶のゆかりの地であることから建てられた“一茶双樹記念館”では、美しい庭園を眺めながらお茶を楽しめます。最近よくイメージされる流山の近代的な雰囲気とは異なるこのエリアは、首都圏にいながら昔懐かしい街並みのなかで暮らしてみたい人にぴったりです。
家賃を抑えたい人にはセントラルパークエリア
つくばエクスプレスのなかでも数少ない、各駅停車のみが停まる“流山セントラルパーク駅”。ほかの駅と比べると、商業施設や飲食店が少ないため寂しい印象を持たれがちですが、それだけ静かにゆったりと暮らせるエリアです。大きなスーパーやドラッグストア、病院など生活に欠かせない施設がそろっているほか、駅前にはセントラルパークの名のとおり、市内最大級の公園「流山市総合運動公園」があります。体育館や野球場、バーベキュー施設など、多彩なアクティビティを駅近で楽しめるため、多くの人の憩いの場となっています。
おおたかの森エリアほどの利便性はありませんが、徒歩や自転車でおおたかの森方面へすぐに出られるため、休日のお出かけにも困りません。また、昔ながらの雰囲気が楽しめる流山本町エリアにも徒歩や自転車で行けるので、新旧が融合した流山らしさを満喫するのにはもってこいのエリアです。
一つ隣の駅であるおおたかの森エリアと比較すると家賃も控えめで、出費を抑えつつ流山での暮らしを楽しみたい人におすすめです。
【1R~1LDKの家賃相場】
・流山セントラルパーク駅:7.66万円
・流山おおたかの森駅:8.35万円
自然あふれる環境で暮らしたい人には江戸川台エリア
東武アーバンパークラインで、流山おおたかの森駅から2駅の江戸川台駅。静かで緑豊かなこのエリアには、公園が点在しており、自然のなかでのんびり過ごしたい人にぴったりです。少し足を延ばせば、お隣の柏市にある大規模な“柏の葉公園”にも徒歩でアクセスできます。
また、市内に7つある図書館のうち、江戸川台には“森の図書館”があります。名前のとおり、森のように広大な東深井地区公園のなかに位置し、市内で唯一、公園内に建てられた図書館です。蔵書も充実していて、森林浴をしながら読書をするのにおすすめのスポットです。市民プールも併設されており、暑い時期には緑を眺めながらの水遊びも楽しめます。
駅周辺では現在、商店街の再整備を中心に再開発が進められています。住民の意見を取り入れながら街づくりが行われているので、今後どのような姿になっていくのかとても楽しみです。
電車でのお出かけも楽しみたいなら南流山エリア
飲食店や商業施設も充実しながら、静かな雰囲気もあわせもつ南流山駅周辺。近年では小学校が新設されるなど、ファミリー層からの人気が高まっています。
この地域最大の魅力は、つくばエクスプレスに加えて、JR武蔵野線も利用できる点です。通勤・通学に便利なのはもちろんのこと、舞浜駅や日本最大級の商業施設がある越谷レイクタウンまで、乗り換えることなくアクセスできます。わが家のように車を持たない家庭であれば、やはり電車で気軽にお出かけできるのは嬉しいポイントですよね。
東京西部から埼玉、千葉まで広い範囲を走る武蔵野線を活用すれば、平日だけでなく休日も充実させられること間違いなしです。
流山市は、歴史・自然・新しさを楽しめる街
流山市では毎年のように新しい施設や道路が整備され、再開発が進むエリアもあるなど、今後ますます魅力が高まっていくことが期待されています。それだけでなく、公園や道にあふれる豊な緑から自然を感じることができますし、歴史や懐かしさを楽しむことができるスポットも充実している点も魅力の1つです。新しさと昔ながらの良さが共存するこの街は、幅広い世代の方にとって住みやすい街だといえるでしょう。
週末には、わが家のように自転車で街めぐりをしながら、のんびりとした時間を過ごしてみませんか。きっと日頃の疲れが癒やされ、明日への活力がチャージできるはずです。
子育てをしている方はもちろん、一人暮らしの方やシニア世代の方も、新しい街へのお引越しをご検討の際は、ぜひこの記事を参考に流山市での暮らしをイメージしてみてくださいね。
この記事では画像に一部PIXTA提供画像を使用しています。