火災からの再起~姫路の名店『停主』が仮店舗で営業再開!人情とチャリTでつながる希望の味 姫路市
昨年4月、姫路市本町、姫路城が見える通りにある姫路おでんと地鶏焼き鳥のお店『停主(ていしゅ)』が、火災により店舗を焼失。長年愛されてきた老舗の突然の災難に、常連客や地元住民からは驚きと悲しみの声が広がりました。
さらに不運は重なり、保険会社の担当者の入院で火災保険の更新手続きが漏れていた結果、保険金も下りず…。
それでも店主は諦めず、息子さんや地元の方々の支援を受けながら、焼け落ちた店舗を解体し、少しずつ再建へと動き出しました。
2025年7月の上旬時点で新店舗の基礎工事が終了し、このまま一気に再建へ!と思いきや、姫路城へ続く通路がお店の敷地内を通っている関係で文化庁への申請が必要となり、書類の準備や現地確認に多くの時間を要しているそうです。
結果、年内の新店舗オープンは延期になる可能性も視野にいれているのだとか…!
そんな中、店主は希望を捨てず、今年のゴールデンウィーク前から駐車場を利用した仮店舗で営業を再開。
店内は、地元の方々から提供された家具や設備が並び、懐かしさを感じる昭和レトロな空間が広がっています。
まるで以前からそこにあったかのような、優しくて暖かい場所。常連さんも初めての人も気軽に立ち寄れる、そんな“下町のビアガーデン”のような雰囲気です。
この日、筆者がいただいたのは、お店の看板メニューである「姫路おでん」の盛り合わせ。
甘辛い醤油ダシのしっかり染み込んだおでんは、ビールとの相性抜群、白ご飯のおかずとしても絶品で、3合はいけそうなほど(笑)。
現在は仮営業のため、メニューの数も限られており器もテイクアウト容器での提供(この金額は全て仮営業中のみ)。
炭火で丁寧に焼き上げる地鶏の焼き鳥は、どれも抜群の焼き加減で、これぞ炭火焼!毎日食べても飽きがきません(笑)。
まかないから誕生した人気の「オムライス」は一度食べたら病みつきになる、筆者の大好物メニューのひとつ♡
大変な状況でも前を向いて、お客さんに美味しい料理を届けている店主と息子さん。そんな『停主』を応援しようと、火災からの再起を支援する「チャリティTシャツ」も制作されています。
売り上げは店舗再建や運営資金に充てられ、Tシャツのデザインには、”停主の味を守りたい”という店主と支援者の想いが込められています。
購入することで誰もがこの物語の一部になれる、そんな一着。筆者も迷わず購入させていただきました。
筆者の祖母は、かつてこの地に暮らしており、子供の頃から姫路城下町で遊び育った筆者にとっても、当時はこの店の存在を知らなかったものの、今回の取材を通じて、逆境に立ち向かいその味を守ろうと奮闘する店主と、それを支える地元の人々の温かい絆に触れ、強く心を動かされました。
『停主』の60年にわたる味と歴史、そして再び灯された希望の光。人々を温かく灯す提灯は、まるでこの夜の街を希望の光で包んでくれているようです。
リニューアルOPENした際には、筆者が責任をもって改めて取材し、この店の新たな物語をお伝えしたいと思います。
この店が、これからも多くの人の笑顔が集まる場所として再起していくことを心から願っています。頑張って!!!
場所
停主 姫路おでんと地鶏焼き鳥のお店
(姫路市本町68)
営業時間
17:00~22:00
定休日
月曜日
駐車場
無し(近所のコインパーキングをご利用ください)