劇場版『ウマ娘』アグネスタキオン役・上坂すみれさん「かっこよくやばいタキオンを演じながら楽しく収録できました」
累計2000万ダウンロードを超える驚異のクロスメディアコンテンツ『ウマ娘 プリティーダービー』の初の映画化となる劇場版『ウマ娘 プリティーダービー 新時代の扉』が公開中だ。本作は、最強を目指すジャングルポケットが、フジキセキの走りに衝撃を受けてレースの世界に飛びこみ、一生に一度しか走れない「クラシック三冠レース」に挑む。しかし、レースではアグネスタキオンなど同世代のライバルたちが立ちはだかるというストーリー。
公開を記念しPASH!+ではアグネスタキオン役・上坂すみれさんにインタビューを実施し見どころをたっぷり語ってもらった。
マッドサイエンティストで知的好奇心の塊であるアグネスタキオンを演じて
――今回の劇場版について、キーワードと共に見どころを教えてください。
『ウマ娘 プリティーダービー』の初の劇場版ということで、皆さんすごく楽しみにされていると思います。完成した映像を拝見すると、めちゃくちゃ疾走感もありつつ、みんながどんな光景を見ながら、どんな思いで走っているのか、没入して楽しめるのがすごいところです。今回はジャングルポケットが主人公で、ポッケ(ジャングルポケット)の世代は本当に個性派ぞろい。タキオン(アグネスタキオン)はポッケの好敵手として登場します。かなり対照的な性格のふたりですし、ポッケだけでなくすべてのウマ娘が「走りたい」という本能に従って、理屈では計りしれないところで”最強”をつかみにいっている。映像も音楽も、お芝居の雰囲気も迫力があって、私自身見た時は体感的には一瞬で終わってしまったような、そのくらい惹き込まれる話だと思いました。
――「惹き込まれる」というのは納得です。そんななかで、アグネスタキオンはレースのときと普段とで、特に振り幅の大きいように思います。演じるうえではどういうところを大事にしましたか?
今回の劇場版はゲームとはちょっと違ったタキオンの一面が見られます。ゲーム版ではタキオンは初期から実装されていて、トレーナーとのやりとりがクローズアップされています。でも今回は、ただ一人でウマ娘の可能性に挑む、マッドサイエンティストで知的好奇心の塊みたいな感じが印象的な描かれ方。興味があるものにはとことん食らいつくし、興味がないことはまったく意に介さない。そのグラデーションがはっきりと出ていて、時々ゾッとするような表情になるんですよね。
――確かに、強烈な印象を与える表情ですよね。
目や口の表情がほかのキャラクターの描き方とはかけ離れていて、タキオンにしかわからない行動原理もある。その“只者じゃない感” をすごく意識しました。それとポッケが食らいついてきても、まったくかけ合いをしない、会話にならない感じなのですが、そこはポッケを焚きつけるようなイメージでお芝居しました。
――そのあたり、上坂さんとしては演じるのは難しかったのか、スムーズだったのか、手応えはいかがでしたか?
ゲームも含めると長く演じてきているキャラクターなので、キャラ感はある程度自分の中にあります。そこからどうやって、より強者感、手の届かない存在感を出すのか考えましたね。でもセリフや表情が台本の時点でとてもいきいきしていたので、かっこよくやばいタキオンを演じながら楽しく収録できました。
“走るために生まれてきた”、それがウマ娘たちの宿命
――収録の際のディレクションやオーダーで印象的だったことはありますか?
タキオンに関しては、キャラ感についてのディレクションはあまりありませんでした。鶴岡陽太音響監督にはずっと前からお世話になっていますが、『ウマ娘 プリティーダービー』を担当されるのは今回が初めてだったそうです。しみじみと「ウマ娘はいいね、美徳だね」って言って、すごく愛をもって収録してくださいました。『ウマ娘 プリティーダービー』って見ている人が勇気づけられる物語だと思うので、その輝きと美徳を大事にしながら演じようと、あらためて思いました。
――その「美徳」という言葉を、上坂さんはどういう意味合いで受けとめられましたか?
言葉にするのは難しいですが……「生きるとは何か」みたいなことを考えさせられるというか。ウマ娘たちっていろいろ悩んだりするけど、走っているときは本当に楽しそうなんですよね。“走るために生まれてきた” っていう、すごくシンプルな目的をもった存在だと思いますけど、みんながそれをしっかりと全うしようとしている。自分の宿命、使命を理解して精一杯生きていることが、「美徳」のひとつの局面ではあるのかなと思いますね。
――なるほど、深いですね。見どころのあるシーンが盛りだくさんの劇場版ですが、上坂さんの思い入れの強いシーン、お気に入りのシーンをご紹介いただくならどこでしょうか?
いろいろありますけど、やっぱりタキオンのレースシーンはぜひ映画館の環境で、五感で感じていただきたいですね。今回、ポッケが持っているプリズムがすごくキーになっているアイテムなんです。プリズムを通した7色の光の描写がいろいろなところに出てきて、それが希望のあるシーンでも、ちょっと前が見えなくなってしまうシーンでも、とても大事な意味を持っています。ポッケだけじゃなくて、ほかのキャラクターのシーンでも、プリズムの描写があるんですよ。ぜひ、タキオンのレースシーンなどでもプリズムの煌めきがどんな風に描かれているのか、そういうところも見てほしいですね。
――最後に、劇場版をご覧になる方へのメッセージをお願いします。
『ウマ娘 プリティーダービー』が満を持して劇場版としてスクリーンで駆け抜けるという、本当にワクワクするような展開にタキオンとして参加させていただくことができて、本当に嬉しいです。今回の見どころは多すぎるので、まずはとりあえず1回観てほしい。『ウマ娘 プリティーダービー』を既に大好きな方には絶対に観てほしいですし、もし「『ウマ娘』ってCMで見たことあるな」くらいの感じで見たとしても、観終わったときにはすごく前向きに、「毎日を精一杯生きよう」っていう気持ちになってスクリーンを後にできる。そんなウマ娘の良さが詰まっている作品だと思います。映画館に行ってまったく損はありません。ぜひ観ていただいて、熱くなりましょう!
公式サイト:https://movie-umamusume.jp/
©2024 劇場版「ウマ娘 プリティーダービー 新時代の扉」製作委員会