ヨルゴス・ランティモス監督が唯一無二の感性で描き出した“愛と支配”のアンソロジー『憐れみの3章』スペシャル映像
ヨルゴス・ランティモス監督とエマ・ストーンの最強タッグが贈る最新作『憐れみの3章』が、9月27日(金)より公開された。このたび、3つの章から構成される本編より、第1章、第2章、第3章のすべてを味わえるスペシャル映像が解禁となった。
ヨルゴス・ランティモス監督×エマ・ストーン
ヨルゴス・ランティモス監督のもとには世界的大ヒットとなった前作『哀れなるものたち』で壮麗で芸術的な唯一無二の世界を監督と共に作り上げた、エマ・ストーン、ウィレム・デフォー、マーガレット・クアリーが再集結。さらに、ジェシー・プレモンス、ホン・チャウ、ジョー・アルウィン、ママドゥ・アティエ、ハンター・シェイファーといった、折り紙つきの実力者が勢ぞろい。共同脚本に『籠の中の乙女』(09)、『ロブスター』(15)、『聖なる鹿殺し キリング・オブ・ア・セイクリッド・ディア』(17)のエフティミス・フィリップとの最強タッグが復活。ランティモス監督ならではのユーモラスでありながらも時に不穏で予想不可能な、独創的世界を描き出す。
https://youtu.be/NqNUcjcHpfA
ランティモス監督が唯一無二の感性で描き出した“愛と支配”のアンソロジー
まず第1章となる「自分の人生を取り戻そうと格闘する、選択肢を奪われた男」からは、ジェシー・プレモンス演じるロバートが、ウィレム・デフォー演じるレイモンドの社長室で会話を交わすシーンが公開。「遠慮なくかけたまえ」と声をかけるレイモンドは、続けてロバートの容姿について触れ、「痩せた男ほどみっともないものはない」と痩せすぎていることについてダメ出し。それに対して前より太ったと反論するロバートだったが、「君の1週間の食事計画を見直さなければ」と言って聞く耳を持たない。
支配と服従の関係が垣間見える映像だが、デフォーはこの2人の関係について「ヨルゴスは、結婚で見られるような感情面での関係性を、2人の男のビジネス上の関係に置き換えたのです。そうすることで私たちが別な文脈で受け入れるように育ってきた社会的慣習を発見することができるのです。」と分析しており、ランティモス監督が古典的なテーマを覆し、皮肉や盲点を浮き彫りにしているのだと語っている。
続いて、第2章となる「海で失踪し帰還するも別人のようになった妻を恐れる警官」では、妻のリズ(エマ・ストーン)と夫のダニエル(ジェシー・プレモンス)が友人夫婦とディナーを楽しむシーン。
海難事故で失踪していたリズは、奇跡的に生還した後から別人のような言動を取るようになっていた。以前はタバコを吸わなかったはずだが、友人のニール(ママドゥ・アティエ)へタバコを急におねだり。ニールからの問いかけに「全然吸わない。試したこともない。でも吸いたくなった。」と答えつつ、慣れた手つきでタバコをゆっくりと吸いこむ。さらに「そろそろ寝室へ行く?」と持ち掛けるリズ。突拍子もないこの誘いに3人は思わず沈黙し、リズの不可解な言動を訝しむ様子が描かれる。
そして最後の第3章目となる「卓越した宗教指導者になるべく運命付けられた特別な人物を懸命に探す女」からは、ある一人の女性を人生をかけて探すという指名を負うエミリー(エマ・ストーン)とアンドリュー(ジェシー・プレモンス)が、ダイナーでその手がかりとなる女性レベッカ(マーガレット・クアリー)に出会うシーン。
カウンター席からの視線に気づいたアンドリューが「あの女がじっと見てる」と警戒するようにささやくと、その女性は2人の傍まで近づいてきて自己紹介。続けて「姉のルースは獣医師です。お探しなのは姉でしょう」とエミリーたちの探す人物を突然教えてくれたのだ。それに対しアンドリューは偽名を名乗り「僕たちが探しているのは広く居心地のいい手頃なアパートだ」と自分たちの目的がバレないように嘘をつくのだった—。果たしてレベッカの目的は…?
本章で双子のルースとレベッカを演じたクアリーは「自分の人生を支配すること、他人の人生を支配すること、誰かに支配されていると感じること、支配を見つけようとすることなど、さまざまな側面があります」と本作で共通して描かれる“支配”というひとつのテーマについて紐解いている。
『憐れみの3章』は9月27日(金)より全国公開中