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潮干狩りで『ホンビノス貝』を狙い撃ちする4つのコツ 下処理方法と美味しい食べ方も紹介

TSURINEWS

ホンビノス貝(提供:TSURINEWSライター・尾崎大祐)

東京湾で採れる大きな二枚貝「ホンビノス貝」を知っていますか?もとは北米産の外来種で、クラムチャウダーにも使われる旨味たっぷりの貝です。今回はこのホンビノス貝を潮干狩りで取るコツを紹介します。

ホンビノス貝とは?

ホンビノス貝は、もともと日本には生息していなかった外来種の二枚貝です。原産地は北米大陸の大西洋側で、大型の船舶の船底に付着したり、船のバランスを保つためのバラスト水に混じったりして日本に運ばれ、東京湾や大阪湾などに定着したと考えられています。

日本のハマグリのように大きく育つのが特徴で、味はハマグリやアサリと比較するとやや淡白ですが、旨味があり美味しい貝です。本場アメリカでは、有名なスープ料理であるクラムチャウダーの主な材料として利用されています。

近年、生息数の多い東京湾では、潮干狩りのターゲットとしても人気を集めています。

大きなサイズまで成長する(提供:TSURINEWSライター・尾崎大祐)

見分け方のポイント

ホンビノス貝の貝殻は、基本的には全体が白っぽいのが特徴です。しかし注意が必要な点として、有機物が多い東京湾の湾奥部などに生息する個体は、硫化水素の影響で黒くなっていることも少なくありません。そのような黒い貝殻の場合は色で判断せず、他の特徴を確認します。

まず、貝殻の表面に同心円状のハッキリとした筋(成長肋)が入っているか、そして表面を触ってみてザラザラとした独特の感触があるか、この二点を確認しましょう。これらの特徴が揃っていれば、色が似ていてもアサリやハマグリではなくホンビノス貝である可能性が高いと言えます。

ホンビノス貝の潮干狩りのコツ

ホンビノス貝を効率よく見つけるには、いくつかのコツがあります。

深く掘る

ホンビノス貝は大型で砂に潜る力も強いため、アサリなどよりも深く潜んでいることが多いです。少なくとも10~15cmぐらいの深さまで掘ってみましょう。

 沖合・やや深場を狙う

ホンビノス貝は水深のある場所を好み、特に大型の個体は沖合で見つかる傾向が強いです。

場所によっては浅瀬で小型のものがアサリと一緒に採れることもありますが、ホンビノス貝の「大物」を専門に狙うのであれば、干潮時でも水が残っているような沖を探すのがベストでしょう。

干潮時にも水が残っているような沖合が狙い目(提供:TSURINEWSライター・尾崎大祐)

 泥地も探る

砂地を好むアサリやハマグリとは異なり、ホンビノス貝にはやや泥質の底を好む習性があります。

実際に、他の人が敬遠しがちな足がズブズブとぬかるむようなポイントでたくさん採れた経験もあるため、泥地も積極的に掘ってみましょう。

難易度は上昇中

注意点として、近年ホンビノス貝は乱獲の影響で数が減少し、以前より採取の難易度が上がっています。

もし大型を本格的に採取してみたい場合は、干満差が最も大きい「大潮」の日を選び、普段は人があまり立ち入れない沖のポイントを重点的に狙うなど戦略も必要になります。

ホンビノスが取れる場所は?

ホンビノス貝は、日本で最初に発見されたのが千葉県の湾奥部であり、加えて貧酸素状態にも強いという特性から、現在では東京湾の奥まったエリアを中心に生息数が多くなっています。

そのため、千葉県の「江戸川放水路」などが代表的なホンビノス貝の潮干狩りポイントとして知られています。また、東京都の「お台場海浜公園」のように、一見意外な東京ベイエリアにも生息しているのが特徴です。

その他、神奈川県や千葉県の内房エリアなどでも生息が確認されているため、アサリ狙いの潮干狩りで沖合を狙ってみると、採取できる可能性があります。

ホンビノス貝の下処理(砂抜き)

ホンビノス貝は生命力が非常に強い貝ですが、持ち帰る際は水温変化や酸欠で弱らないよう、海水には浸けずに持ち帰りましょう。

次に下処理についてです。ホンビノス貝は砂をあまり溜め込まないものの、体内の泥や不要な排出物を吐き出させたほうが、より美味しく食べられます。そのため、「砂抜き」というより「モヤ抜き」(泥抜き)を行うのがおすすめです。やり方はアサリなどの砂抜きと同様で、海水と同じ約3%の濃度の塩水を用意し、貝が重ならないように容器に平らに並べて浸します。蓋をして暗くし、涼しい暗所に3時間~1日ほど置いて活かしておきましょう。

特に砂浜ではなく、泥の多いポイントで採った黒い個体は、硫黄のようなニオイが貝殻についていることがあります。しっかりと洗い、水を何度か換えながら1日ほど活かしておくとニオイが抜けやすいです。なお、長時間モヤ抜きを行う場合は、エアーポンプでエアレーション(酸素供給)を行うと、酸欠を防ぎ、貝が弱るのを防げます。

泥地で採った貝は入念に下処理を行おう(提供:TSURINEWS編集部・渡辺)

塩抜きも行う

モヤ抜きが終わったら、「塩抜き」も行うと、さらに美味しく仕上がります。貝を真水で軽く洗い、ザルなどに上げてしっかり水気を切り、新聞紙等の上に重ならないように並べ、3時間から半日ほど置いておくだけです。こうすることで、体内の余分な塩水が抜け、旨味が凝縮されます。この塩抜きの際は、貝が弱らないように、直射日光が当たらず高温にならない場所(涼しい日陰など)を選んで行うのが安心です。

干して海水を抜くと旨味がアップ(提供:TSURINEWSライター・尾崎大祐)

ホンビノス貝の食べ方

調理に取り掛かる前には、念には念を入れて、死んだ貝が混入していないか最終確認しましょう。口が半開きのまま刺激しても反応しないものや、明らかに異臭を放つものは取り除いてください。

下処理を終えたホンビノス貝は、アサリやハマグリと同じような感覚で幅広く調理できます。旨味があり良い出汁が出るので、定番の酒蒸しや焼き貝(浜焼き風、バター醤油など)はもちろん、パスタ、クラムチャウダーや味噌汁といった汁物、炊き込みご飯などで、ぜひその豊かな味わいを堪能してみてください。

小型はアサリと一緒に調理してもOK(提供:TSURINEWS編集部・渡辺)

まとめ

かつては千葉県の湾奥部などで大きなホンビノス貝がザクザクと採れた時期もありましたが、近年はその数が減少し、以前に比べると潮干狩りで取れる難易度は高くなっています。

それでも、しっかりした旨味を持つ美味しい貝であり、都心近郊で狙える大型の二枚貝として、依然として魅力があります。

ルールを必ず守った上で、ぜひチャレンジしてみてください。

<TSURINEWS編集部・渡辺>

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