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認知症のある人が昼夜逆転してしまうのはどうして?時間と季節感があいまいな世界とは!?【認知症の人に寄り添う・伝わる言葉かけ&接し方】

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認知症のある人が昼夜逆転してしまうのはどうして?時間と季節感があいまいな世界とは!?【認知症の人に寄り添う・伝わる言葉かけ&接し方】

2:今は昼か夜か?夏か冬か?時間と季節感があいまいな世界

○エピソード

認知症のある父は、19時頃「仕事に行く」と出かけようとします。「もう退職したし、今は夜だよ」と言っても納得しません。一方、朝5時頃、「夕飯はまだ?」と起こされます。

【あるある行動】夜に仕事に行きたがり、朝に夕食を食べたがる

人は、「朝起きた」「朝食を食べた」「出社した」「昼食を食べた」「退社した」「夕食を食べた」「寝た」など、これまでの生活の中で行ってきたルーティンを、時間を感じる基準にしているのではないでしょうか。日常生活が全てうろ覚えの状態になると、時間の基準がなくなり、今が1日のうちのいつ頃なのかぼんやりとしてきます。

また、夜が明けて明るくなる時間と、日が暮れて暗くなる時間は、季節にとり変わります。春と秋はその変化が大きく、特に秋は明け方・夕方の区別がはっきりつきにくい季節です。そのため、認知症の人は、夕方7時と朝の7時、朝5時と夕方の5時などが混同しやすいのです。近くにアナログ時計があると、午前と午後の区別もつきにくく、混乱を助長します。

さらに認知症では、体内時計の役割をする「セロトニン」(目覚めのホルモン)と「メラトニン」(眠くなるホルモン)のバランスが崩れることや、「レビー小体」というたんぱく質の蓄積による睡眠障害のせいで時間間隔がズレる可能性があり、昼夜逆転が現れやすいのです。

もし、本人がかつて夜の時間に働いていた経験があるなら、そのときの感覚に戻っている可能性もあります。その場合は、昼夜の感覚がズレているのではなく、当時の感覚で正しく出勤しようとしているのかもしれませんね。

○もしあなたがこの世界にいたら?

あなたがずっと同じ天気、同じ室温、同じ明るさの部屋にいたら、あなたは今が昼か夜か、何時頃か、春夏秋冬のどの季節なのか、はっきりとわかるでしょうか?

【出典】『認知症の人に寄り添う・伝わる言葉かけ&接し方』著:山川淳司 椎名淳一 加藤史子

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