日帰りで行く 群馬の魅力発見の旅「みなかみ町 谷川岳」群馬県利根郡
タウンぐんまが“日帰り旅行”を提案するコーナー。
残暑をひととき忘れさせてくれる、みなかみ町の谷川岳周辺を中心に紹介する。
滞在時間も併記したので、旅の参考にどうぞ。
【取材協力】みなかみ町観光協会
みなかみ町 谷川岳
群馬県最北のみなかみ町は、県で最も面積の大きな自治体。
そのほとんどは山林で、利根川の源流や数多くの支流を擁している。
鉄道の開通以来、谷川岳は多くの登山者を迎え、アルピニストを育んだ。
ロープウェイとリフトで標高約1500mの天神峠まで上がれ、その眺望も素晴らしい。
夏から秋へ向かう関東の水源地
谷川岳周辺を訪ねてみよう
群馬県には上毛三山を始め数々の名山がある。その中でもひときわ存在感を放つのが谷川岳だ。
その威容を見上げるのに適し、中腹には夏でも残る万年雪がある絶景スポット「一ノ倉沢」を訪ねた。
激しい自然条件が造り出す
万年雪の絶景を電気バスで遠望
日本百名山の一座に数えられる谷川岳。最高地点は1977m(オキノ耳)で2000mに満たないが、冬季の気象が特に厳しく、群馬県側からは荒々しく急峻な岩肌が見られる。
その景色を眺めるスポットとして特に知られているのが一ノ倉沢だ。
一ノ倉沢に通じる国道291号は谷川岳ロープウェイ付近から一般車両通行止めのため、谷川岳山岳資料館から一ノ倉沢出合まで、1日7便が往復する「ガイド付き電気バス」に乗って向かってみた。
バスはゆっくりと一ノ倉沢に向かう。
その間に同乗するインタープリター(解説者)が、この道が明治時代に開削され新潟県まで通じていたこと(現在は事実上分断されている)や、当時の石垣が残っていること、山肌に木が生えていない部分が雪崩の道であることなどを教えてくれる。
マチガ沢出合で小休止をはさみ、一ノ倉沢出合に到着。
「今年は例年より小さくなるのが早い」という万年雪が中腹に見える。
そこから流れてくる清らかな水に手を触れ、冷たさに驚いた。
流れた水は湯檜曽川を経て利根川に合流し、関東平野の広い地域を潤している。
バスは10分後に折り返すが、次の便に乗車してもいい。
歩いて資料館に戻るのもOKで、緑濃いブナに覆われ、涼やかな風が吹く約3.3kmの道程を自分のペースで楽しめる。
また一ノ倉沢出合からさらに国道を北に向かう歩道もあるが、未舗装のため装備や状況の確認を。
春の新緑と、夏の目に涼しい万年雪に続き、10月からは紅葉の季節。
ブナも黄色く染まるそう。
一度訪れれば、季節で移り変わる表情をそれぞれ楽しんでみたくなるだろう。
一ノ倉沢ガイド付き電気バス
【営業期間】2024年は11月10日(日曜)まで
【営業時間】谷川岳山岳資料館発/始発9時30分、最終14時55分
一ノ倉沢出合発/始発10時、最終15時25分
片道20分
※天候などにより運休の場合あり。
【料金】ガイド料として500円
【定員】8人(先着順)
※土・日曜、祝日は混雑する時間帯あり。
【問い合わせ】みなかみ町 観光商工課 0278-25-5028(平日9:00~17:00)
360度のパノラマビューを楽しもう
天神平エリア
〈滞在時間〉2時間~3時間
「谷川岳ロープウェイ by 星野リゾート」は、標高約746mの土合口駅と1319mの天神平駅をロープウェイによる約15分の空の旅でつなぐ。
土合口駅では土産品の販売や、レンタサイクルの貸し出しも。
天神平駅に併設されているレストラン「ビューテラスてんじん」では「谷川岳パングラタン」(1300円)が名物だ。 天神平から天神峠(標高約1500m)までリフトで上れば、展望台があり、360度のパノラマビューが楽しめる。
天神尾根伝いに谷川岳最高峰に向かう登山者の姿が見え、天気が良ければ富士山が望める日もあるそう。
カフェ「Tenjin Cafe」では地元産の果物や野菜を使った飲み物も。
秋の紅葉は例年10月上旬から下旬にかけてが見頃になる。
天神平エリア
【住所】みなかみ町湯檜曽湯吹山国有林
【休み】11月17日まで無休(天候により運休あり)
【問い合わせ】0278-72-3575
【営業時間】平日8:00~17:00、土・日曜、祝日7:00~17:00(リフト上り最終15:30、ロープウェイ上り最終16:30)
【料金】ロープウェイ・リフトセット券/往復 一般3500円、小学生2000円ほか
駐車場/一般車500円 レンタサイクル/90分2000円
日本の登山の歴史を知る
谷川岳 山岳資料館
〈滞在時間〉約30分
ガイド付き電気バスの発着点にもなっている資料館。
谷川岳と関わりの深い登山家たちの紹介や、群馬県山岳連盟によるヒマラヤ登山の資料などを展示している。
谷川岳周辺のジオラマは、湯檜曽川を馬蹄(ばてい)形(逆Uの字)に囲む峰々の広がりを把握できる。
沼田市出身の登山家で、8000m級の山々に数多く登頂した山田昇の企画展を11月まで開催中。
谷川岳 山岳資料館
【住所】みなかみ町湯檜曽湯吹山国有林
【営業時間】9:30〜16:00
【休み】冬期
【問い合わせ】0278-72-6446
モグラ駅の向かいにあるカフェ
ANDo & CAFE
地下深くに下り線ホームがあり「モグラ駅」の愛称で知られるJR土合駅。
国道を挟んでその向かいにあるカフェがANDo & CAFE(アンドカフェ)だ。
本格的なカレーや地域の食材を生かしたプレートランチ、ドリップコーヒーやハンドメイドドリンクなどを味わえる。
湯檜曽川の流れを見ながら飲食できるテラス席もある。
ANDo & CAFE
【住所】みなかみ町湯檜曽218-20
【営業時間】10:00~16:00 L.O.
【休み】火曜~木曜、不定休あり(Instagram参照)
【問い合わせ】080-2659-9189
【Instagram】https://www.instagram.com/tas.ltd_official/
みなかみの湧水を使ったそば
そば処 角弥
谷川岳から水上温泉街に向かい、湯檜曽駅近くから藤原湖方面へ向かうとすぐにある「そば処(どころ)角弥(かどや)」は、新潟県長岡市にルーツを持つ創業250年の老舗そば店。
みなかみの湧水を使った手打ちそば、枕崎産本枯節から取るだしは香り高く、深い味わい。
地元産マイタケ「すくよか」を使った天ぷらとも相性ぴったり。
野菜天ぷらは季節に応じて旬のものをカラッと仕上げる。
そば処 角弥
【住所】みなかみ町幸知189-1
【営業時間】11:00から売り切れ次第終了
【休み】木曜
【問い合わせ】0278-72-2477
SLが折り返す駅
水上駅 SL転車台広場
〈滞在時間〉約30分~1時間
週末や祝日を中心に運転されている「SLぐんま みなかみ」。
高崎駅から客車を牽引(けんいん)してきた蒸気機関車は、駅の北にある転車台を使って方向転換し、復路に備える。
運行日には転車の様子や、復路前の点検、連結の様子などを見られる。
広場にはSL「D51 745」の静態展示や顔出しパネルも置かれている。
ちょっと立ち寄って、鉄道の歴史に触れてみては。
水上駅 SL転車台広場
【住所】みなかみ町鹿野沢
【営業時間】広場は開放。SLの転車や点検の見学は、運転日時の確認を。
「SLぐんま みなかみ」8月、9月の運転日/8月31日、9月7日、14日、21日
【JR東日本「SLぐんま」サイト】https://www.jreast.co.jp/railway/joyful/slgunma.html
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谷川岳インフォメーションセンター
地域の自然環境について学べる施設で、2021年に開設された。独特の地形・地質や、動物・植物、人々との関わりをパネル展示する。
谷川岳インフォメーションセンター
【住所】みなかみ町湯檜曽湯吹山国有林
【営業時間】9:00~16:00
(11月中旬~5月下旬は10:00~15:00)
【休み】11月中旬~5月下旬の水曜、年末年始
【問い合わせ】0278-25-8830
水上温泉 おいで祭り
水上温泉街(湯原地区)で行われる、地域の人と観光客が交流できる祭り。
「おいで踊りパレード」や「おいで祭りビアガーデン」、お囃子(はやし)体験なども。
水上温泉 おいで祭り
【日時】おいで踊りパレード/9月7日19:00~21:00
ビアガーデン/9月8日15:00~20:00(お囃子体験などは16:00から)
【会場】ふれあい交流館/みなかみ町湯原801
温泉街駐車場(ビアガーデン会場)/みなかみ町湯原704
【問い合わせ】みなかみ町観光協会 0278-62-0401
みなかみ18湯
今回紹介したエリアの湯檜曽温泉や谷川温泉、水上温泉を始め、みなかみ町全体で18の温泉地、源泉約90本がある。
みなかみ町観光協会の公式サイト「みなかみパーフェクトガイド」などを参考に立ち寄ってみて。
みなかみ18湯
【問い合わせ】みなかみ町観光協会 0278-62-0401
【みなかみパーフェクトガイド】https://www.enjoy-minakami.jp/
旅行後記
山々の深い緑と高い空、白い雲。自然に満ち、開放感のあるエリアだ。
この時期は下界を離れて涼感も楽しめた。
1か月ほどで紅葉に染まり、それが終わればすぐに銀世界になる。
ダイナミックな季節の移り変わりも体感してみたい。