聖マリ横浜市西部病院 医師発案のアート企画 ”触れる”に着目 8月まで
聖マリアンナ医科大学横浜市西部病院(旭区矢指町1197の1・明石嘉浩院長)の地下1階渡り廊下で、同病院の腎臓・高血圧内科の町田慎治医師が主導したアート企画の第1弾「ひかりの庭にて」が8月29日(金)まで開催されている。
「病院が治療を行うだけでなく、地域のアート文化を育み発信する拠点となる」ことを目指した企画。町田医師の、アートや文化の力に着目し病院の空間の中で新たな価値を創造する「Hospicuration(ホスピキュレーション)」という活動の一環で、病院でもアートを感じてもらおうと立案された。
今回の企画は、関東圏で美術展示を行ってきた渡邉光子さんの個展。神奈川県大磯町などで拾ったという石に短歌を書き込むなど装飾が施され、石のアートとして芝の上に並べられている。開催スペース前の中庭に光が差し込む様子を見て着想し、”ひかりの庭”を表現しているという。
作品には自由に触れたり持ったりすることができ、それぞれの”個性的な形”や重さを感じられる。渡邉さんは「普段病院でアートを感じられる機会はほとんどない。石アートは触れる作品で、五感をフルに使って楽しんでほしい」と語る。
町田医師は「医療現場において、患者さんの診察やケアなどの手段となる『触れる』という行為は大切なコミュニケーション。みなさんにも、触れることの本来の意味や私たちの間の温もりについて、思いを馳せる機会になれば」と思いを述べる。
今後も、彫刻や絵画、写真など多様なジャンルでの企画展を開催していく予定とのこと。「アートは個人の感性を刺激し、日常の風景に新たな視点や気づきをもたらす力を持っている。文化的な交流の場となることを目指し、地域に文化の萌芽を育んでいきたい」と町田医師は話した。
同院の担当者は「ご来院の際はお立ち寄りください」と呼びかける。土曜午後と日・祝は休み。