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第69回 番組トピックの”その後”

TBSラジオ

「私たちの未来は、私たちで作る!」
サステバ」は、あなたの「困りごと」、「モヤモヤ」、「お悩み」、
もしくは、「変えていきたい社会の課題」などを通して、みんなで一緒に「これから」を考えていく番組です。

今回は、以前番組で取り上げたトピックの”その後”を取材しました

まずは…12 月 28 日の放送で紹介した、住めるミニシアター「OttO」
埼玉県さいたま市、大宮駅の西口から徒歩 5 分の場所に「ミニシアターが、まもなく誕生する」という話題を紹介したんです。
そんな「OttO」は4 月 29 日にオープンしました!3ヶ月が経って、今感じていることを、発起人の今井健太さんに伺いました♪

僕が印象に残っていることは、小学校 2 年生ぐらいの子がお母さんとよく来るんです。
「今度、学校帰りに、ここで宿題でもやってれば?」って冗談半分に言ったんですね。そうしたら、お母さんがピザを食べながら、その子が、学校の宿題を広げてカフェのテーブルでやっているんですよ。
そういうことが起きています。徐々に。

いわゆるミニシアターって言われる場所って、どうしてもマニア向けの場所みたいなイメージがつきまとうので、そうではなくて、誰もが立ち寄ってそこを通り抜けていくようにしたい。
その中で、映画に出会って、ふらっと立ち寄ったところで観たもので、なんか心にズドンと残るようなものに出会う、そんな体験があると、「それもいいよな」って思ったり。

あまり意味をもたせないで、近くにあるから行くっていう心地よい場所が、 一番だと思っていたので。
設計の部分でも、両側に出入り口を作って、 「通り抜け OK」みたいなメモ書きを書いたりしているんですね。
あと、フリーWIFI、フリートイレみたいな形で 「トイレの使用だけもいいですよ」っていうことも書いてあったりして。
公共の場所、公園とかいろいろありますけど、そういう場所って、心の拠り所になる部分があるんですね。

僕自身も、この近くに庚申神社があって、一晩中、明かりがついている場所なんですけど、ただ明かりがついている場所があるっていうだけで、そこを通ると、ホッとできることがぼくの感覚にあったもんですから。
そこって、誰もが通って行かれる場所じゃないですか。
そういうものがあったほうがいいよなっていう、そんな想いですね。

シェアハウスも徐々に人が入りはじめて、ちょうど、先日、越してきた方がいたので、 住民たちがみんなでウェルカムパーティをやろうと今日やっているんですけど、 「餃子を 180 個焼いたので、おすそわけです」って持ってきてくれたんです。
我々1 階のカフェで働いていて、カフェというか映画館も含めてですけどね。
「食べてください」って、さっき、持ってきてくれて。

どんな人が来るかもわからないし、なにが起こるかもわからなかったんですけど、 なんとなく、みなさんが仲良くやってくださっていて。 僕らも、ここで出しているピザを焼いて持っていってあげたりしているんですよね。
あとは試作とか、持ち越せない食材もあるので、 帰ってきた人に「これ食べる?」ってやったり。
そういう関係でやっていますね。


小泉:いいですね。

上村:素敵。

小泉:映画館でなくても、こういう公共の場所に近いもの。明かりがついているとか、顔見知りになって子どもが宿題をやったり、声をかけ合う場所が増えるといいなって感じます。理想的じゃない。そこに住んで、朝起きて、ちょっとお腹が空いたと思ったら下に降りてカフェで美味しいものを食べて。「今日は休みだ、映画でも観るか」って。それが、普通だったら、自分のお部屋でテレビで観たりするけど、「あ、今日は下の映画館に行こう」って。

大石:楽しい。

小泉:ホテルとかも、そういうふうに使ってもいいかもしれないですね。シティホテルみたいなもの増えてるじゃないですか。ありかもね。

大石:うん。

小泉:(手元に)写真がありますけど、お店の前に車が止まっていたり、ピザも美味しそう。クリームソーダもある。

上村:引っ越してきた人にウェルカムパーティーを開いて、餃子を作っていろいろな人に分けたりって、すごく暖かい空間でいいですよね。

小泉:今、お値段とかは度外視してお話しするけど、地方から初めて出てきた人とか、孤独を感じてしまう状況の人にとって、こういう場所って良かったりするんじゃないかなとか。

大石:うん。

小泉:人と関わるのが苦手な人もいるから、そういう人には向いていないのかもしれないけど、ちょっと寂しいなっていう人とかはいい経験ですよね。

上村:あと、映画を観た後に人と話し合いたい時、カフェとかいいですよね。

小泉:今、夏にやっている映画のラインアップがあります。『この世界の片隅に』とか『選挙と鬱』というドキュメンタリー。『トワイライト・ウォーリアーズ 決戦!九龍城砦』とかね。『海がきこえる』はジブリ?

上村:はい。ジブリ作品ですね。

小泉:面白そうだな。これも今井さんが選んでいるんですかね。結構、いいセレクションじゃないですかね。

上村:あと、親子の鑑賞室がありますね。

小泉:小さい子とか、途中で飽きちゃったりするから。あと、車椅子スペースもありますね。

上村:親子鑑賞室は「お子様に限らず、大人の方もどなたでもご利用いただけます」って書いてあります。この一言はとてもありがたいですよね。

小泉:2人がけのクッション席とかもね。映画だけ見に行ける時間があれば、行ってみたいです。

大石:駅から近くでしょ?

上村:徒歩5分です。

小泉:すぐ行けますね。その後を知ることができて嬉しかった。

上村:「はじまります!」だけじゃなくて、経過もお伝えできました。

大石:いい企画ですね。

番組後半も番組トピックの”その後”を紹介!
石川県・輪島市「まちのラジオ」


番組後半も、以前番組で紹介したトピックのその後を取材♪
今年の3月29日に放送した石川県・輪島市の山あいにある町野町の「まちのラジオ」。
1年半前に発生した「能登半島地震」で大きな被害を受けたエリアですが、 この地域に、「ラジオ局を作りたい」という方の想いを紹介しました。

町野町は、現在、少子高齢化や人口減少に直面しています。「正確な情報をどう届けるか」は大きな課題ですが、LINE などのデジタルツールは、シニアの方には、ハードルが高い!
「畑仕事の時には、みんな、腰にラジオをつけている」「だったら、ラジオ局を作ろうよ!」という想いで動き出したプロジェクトです。お米農家の山下祐介さんにお話を伺いました♪

令和 7 年 7 月 7 日、「777 の日」に臨時災害放送局として「まちのラジオ」が無事にスタートを切ることができました。

臨時災害放送局という制度ではありますが、今のところ、「日本でいちばん新しいラジオ局」です。
まだバタバタしていますが、まずは無事に開局ができてホッとしています。

電波が届くエリアは輪島市の東部にある町野地区を中心としたエリアに限られますが、狭いエリアだからこそ、聴ける人たちが知りたくなる情報を中心に放送しています。
我々の放送局、みなさん、ほかに本業を持っている方々でして、私は、米農家であり米粉のベーグル屋さんもやっていますが、消防士さんもいますし、看護師さんも、塗装屋さんもいて、いろんな職業の方々が放送に携わっています。

本当に、言ってしまえば素人の集まりの集団が、ミキサー操作からパーソナリティまでを務めているということで、まだまだ、拙いところがあって、「次なんだっけ」、「次なんだっけ」と言いながら、身近な方々に聴いていただけるようにアイデアを出しながら放送しています。

臨時災害放送局というのは、言葉のとおり、災害が発生したから臨時で開局が認められるという、平たくいうとそういう制度なので、「おめでとう」という言葉が果たして適切なのかどうか、というのは、いろんな意見があるところですが、ひとつだけ言えるのは、発災から 1 年半が経ち、地域の人たちも少しずつ復興という方向にも向かって進んでいく中で、希望の星となれるようなラジオ局になれるのかなと思っています。

チラシとか SNS という文字の情報は無機質なところがあるんですが、知っている人の声で届くというのが安心感であったり、 同じ情報なんだけど楽しみながら聴ける、っていうのが、「ラジオの良さなのかな」と思っています。

小泉さん、大石さん、上村さん、ぜひ一度、能登のこの町野町に来ていただいて、まちのラジオにも出ていただいたらと思います。
ほんとに、能登のいまの現状も見ていただけたらと思っていますので、お時間ありましたらぜひおこしいただけたらと思います。
スタッフ一同、みんな心から待っていますので、よろしくお願いします!


小泉:いつか絶対に行きたいですね、って前の時もお話ししたけど。

大石:ね。

小泉:「777の日」。

大石:こんな日があったんだ。全然気が付いてなかった。

上村:この日に婚姻届を出す人も多かったみたいですよ。みなさん、他のお仕事もされながらやられているんですね。

小泉:みんなが素人、っておっしゃっていたけど、逆に言えば玄人じゃない。だって、看護師さんだったら看護師さんの知識で発信できるし、消防士さん、塗装屋さんもなにか役に立つようなことが発信できるんじゃないかって思いながら聞いていました。

大石:うん。

小泉:聴いてみたいですし、温かいだろうなって。楽しい放送が続けば、聴いてくださる方が増えて、何かがあった時の大切な情報も聴き逃さないっていう。日頃の放送がそういうことに繋がるのかなって思うと、頑張って欲しいですよね。

大石:割と身近にいる人が(パーソナリティとして)出てくるんでしょ?めちゃくちゃ顔が見えるラジオですよね。すごいね。

上村:知っている人の声で届く安心感っていうのはありますよね。
平日の正午から「まちの WA」というワイド番組を生放送されています。町野地区の役立つ情報を、ゲストとのトークやリクエスト曲を交えて放送していく番組。

小泉:楽しそう!

上村:開局した 7 月 7 日には、 スタジオに集まった報道陣に対して、山下さんは「きのうも、遅くまで練習しましたが、正直、下手です。下手ですが、それでいいと思っています。町野の地域のラジオなので、町野のみんなで作る町野のためのラジオだと思っています」とお話しされました。

大石:素敵。

小泉:上手にならなくていいよ。その方が、聴いている人も楽しいかもしれないし。生放送の良さもあったりするじゃないですか。だから、そのままやってほしいけどね。

大石:「結婚おめでとうございます」とか、そういう町の情報も流れたりするとね。

小泉:そうね。「今日は卒業式ですね」とかね、いいですよね。

上村:素敵な情報。

小泉:いいですよね、その地区だけの、っていうのはすごくいいですね。ご高齢の方が腰にラジオをぶら下げている絵が浮かんでくる。

大石:うん。

小泉:行きましょうね。

上村:開局はなんとか果たしたものの、地域のみんなの善意で立ち上がった放送局。運営していくための資金は足りないということです。クラウドファンディングをされていますので調べてみてください。

(TBSラジオ『サステバ』より抜粋)

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