見た目が牛タンそっくりの『ウシノシタ』は低脂肪・高タンパクのヘルシーな食材
ウシノシタとよばれる魚を知っていますか?牛の舌そっくりに細長く平べったい体をもつウシノシタは、ヒラメのように片側に目が寄っているのが特徴です。この記事では、ウシノシタの特徴や生態について紹介します。
(アイキャッチ画像提供:PhotoAC)
ウシノシタとはどんな魚?
ウシノシタとは、カレイ目に属するササウシノシタ科およびウシノシタ科の魚の総称です。
平べったく楕円形の体形をしており、両眼が体の片側に位置しているのが特徴。この独特の形状は、海底での生活に適応するための進化であるといわれています。
通常、ササウシノシタ類では両眼が体の右側にあり、ウシノシタ類では左側にあります。また、中には口が曲がっている種も多くみられるのだそう。
ウシノシタの代表的な種類は、クロウシノシタやアマミウシノシタ、シマウシノシタ、ミナミウシノシタなど。体長は種類や個体によって異なりますが、通常は20cmから40cm程度です。
ウシノシタは世界中の温帯から熱帯の沿岸域に広く分布しており、主に小型の甲殻類、貝類、底生の無脊椎動物を食べています。普段は砂泥底や砂地に生息し、砂地や泥底に擬態して身を隠しています。
ウシノシタの名前の由来は?
ウシノシタという名称は、その体形と体色が牛の舌によく似ていることに由来します。
ウシノシタの細長く平べったい体つき、そして体表に浮かび上がる褐色や灰色の斑点模様は、見れば見るほど、焼き肉屋さんで見かける「牛タン」にそっくり。
名は体を表すといいますが、まさにその言葉通りなのが面白いですね。
食用としてのウシノシタ
ウシノシタは食用魚としても広く親しまれています。その白身の肉は、淡白でクセのないあっさりした風味が特徴で、ムニエルやフライ、煮つけや唐揚げ、塩焼きや刺身など幅広い料理に使われます。
また、骨が非常にやわらかいため、小さな子どもや高齢者でも骨を気にせずに丸ごと食べられるのもウシノシタの特徴の一つ。低脂肪で高タンパクなので、ヘルシー食材としても注目されています。
そのユニークな見た目が注目されがちなウシノシタですが、食べてみると非常に美味しい魚でもあります。白身魚を好む人ならきっと気に入ること間違いなし。さっぱりした旨みが楽しめるウシノシタ料理を、ぜひ一度味わってみてはいかがでしょうか。
<糸野旬/サカナトライター>