区学童保育の会 「自主学童に補助金を」 市議と懇談10年目
川崎市内の学童保育の充実に向け活動する「宮前区学童保育の会」はこのほど、有馬・野川生涯学習支援施設(アリーノ)で市議会議員3人と意見交換を行った。同会は長年にわたり自主運営の民間学童保育への補助金支給を訴えているが、市は「わくわくプラザで対応できる」との見解を示しており、互いの認識は平行線をたどっている。
10年前から続く市議会議員との懇談会。今年のテーマは「川崎市のより豊かな小学生の放課後について考える」。参加したメンバー約30人は、3つのテーブルに分かれ、川崎市の児童の放課後を取り巻く課題などについて意見を交換した。
同会は、区内4つの自主学童に子どもを通わせている父母らで構成される。自主学童の設立は2003年、川崎市が共働き家庭などの小学生を預かる公立の「学童保育」を廃止し、全児童を対象とする「わくわくプラザ」事業に統合したことがきっかけ。増加傾向にあるわくわくプラザの児童登録数を背景に、生活の場として通わせることに不安を感じた保護者や指導員らが立ち上げた。
川崎市の自主学童は、保護者の負担する保育料で運営されており、横浜市など多くの都市で交付されている補助金が交付されていない。そこで、同会では市議懇談会をはじめ、他区の学童と連携して毎年各政党に予算要望を実施。22年には4728人の署名とともに陳情書を提出。翌23年にも、6人の市議会議員との連名で請願書を提出するなど、補助金の支給を訴えてきた。花の台学童保育ホールの津覇綾希子さんは「自主学童の運営は大変厳しい。他都市で認められている補助金が支給されれば、放課後の児童の居場所の選択肢が広がる」と活動の意義を強調する。
これに対し市は「民間放課後児童クラブは、利用者が多様な民間サービスの中から事業者を選択している」との認識を示し、「わくわくプラザ事業によって量の見込みに対応できるため、民間放課後児童クラブを補助金対象に位置づけていない」としている。