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ディズニー、『ローグ・ワン』ターキン提督のデジタル蘇生めぐって提訴される

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2016年に公開された映画『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』で、悪役のターキン提督役ピーター・カッシングを“デジタル蘇生”させたのは故人の生前の同意に違反するとして、カッシングの代理人がディズニーを提訴した。

『ローグ・ワン』には、『スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望』(1977)のグランドモフ・ターキンが再登場を果たした。ボディダブルがターキンを演じ、頭部はデジタル技術を用い、1991年逝去のカッシングの姿を甦らせた。

『ローグ・ワン』の公開から約8年が経った今、この“デジタル蘇生”はカッシングが生前に同意していた契約に違反しており、映画は不当な利益を得ているとして、カッシングの友人である映画プロデューサーのケヴィン・フランシスが、米ディズニーとルーカスフィルム、映像制作のルナック・ヘビー・インダストリーズを相手取って訴訟を起こした。フランシスの所有するタイバーン・フィルム・プロダクションは、『The Ghoul(原題)』(1975)や『娼婦と狼男』(1975)『The Masks of Death(原題)』など、カッシング出演作品を手掛けている。

記録によれば、ディズニーは2016年の映画公開当時、契約条項に則ってカッシングの再現に許可が必要だとは考えておらず、オリジナルの映画からカッシングの姿を利用する権利は自社にあると見ていた。カッシングの遺族には、出演料として約33000ユーロを支払っていたという。

一方、原告側は1993年にテレビ映画『A Heritage of Horror(原題)』を制作していた際、カッシングはフランシスの許諾なく自身の肖像を使用することを許可しないとする同意書に署名していたと主張。ただし、このTV映画はその後製作されることはなかった。

ロンドン高等法院は2024年9月9日(現地時間)、ディズニー側の棄却請求を退けた。トム・ミッチソン判事は本件について「法整備が行われている最中の領域なので、事実関係を十分に調査しなければ、どこに境界線があるかを判断するのが非常に難しい」としつつ、原告側が勝訴するとは「確信していない」とも語っている。

亡くなったピーター・カッシングをデジタル蘇生させたことは、当時の映画界において革命的な出来事となった。死んだ俳優をも復活させられるデジタル技術の発達は驚きをもたらし、映像制作に新たな道をもたらすとともに、倫理面での議論も巻き起こしていた。同じ技術を用いて話題になった最近の事例には、『ゴーストバスターズ/アフターライフ』(2021)のイゴン役ハロルド・ライミス(2014年逝去)の再登場がある。

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