【ギャラリーえざきの「国展しずおか版画’24展」】80代後半、杉山英雄さんの版画がいい
静岡新聞教育文化部が200字でお届けする「県内アートさんぽ」。今回は、静岡市葵区のギャラリーえざきで6月20日に開幕した「国展しずおか版画’24展」。会期は6月25日まで。
5月上旬に東京・国立新美術館で開かれた「第98回国展」に出品した県内版画家16人の作品。80代後半の版画家杉山英雄さん(沼津市)の「緑の風」が心に残った。ドライポイントによる細かい線で影や輪郭線を作り、木版で過不足なく色味を加える。自宅リビングだろうか。馬の埴輪と西洋風の人形が観葉植物とともに「団らん」を創出している。緑と茶系のコントラスト、一部荒れた絵肌もいい。作家自身の穏やかな暮らしが浮かぶ。(は)