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デビュー60周年の小林幸子が語る紅白歌合戦の舞台裏。「豪華衣装はロマン。本番で失敗した時、スタッフが泣いていた」

TBSラジオ

メインパーソナリティ・パンサー向井の周りには、個性豊かなパートナーが勢ぞろい。さらに、お笑い芸人やタレント、アーティストなど、愉快 なゲストが毎日やってきて”いつもの朝“を”ワクワクする朝“に変える番組。

隔週木曜日はヤーレンズがお届け!

9月12日(木)9時台のゲストコーナー『ふらっとおいでよ』のゲストは、デビュー60周年の小林幸子さんをお迎えしました。

デビューは5円で!きっかけはTBSテレビのモノマネ番組!

小林:TBSとはいろんな意味で私縁があって…デビューのきっかけになったの昔TBSで『歌まね読本』って番組があって。大昔ですよ。デビューする前の年だから61年ぐらい前。

楢原:本当にただの素人として歌を歌って?

小林:モノマネの番組だから。TBSの『歌まね読本』という番組にうちの父が勝手に当時ね、信じられないでしょうけど官製ハガキが5円のときに(笑)。

出井:(笑)。

楢原:確かに(笑)、最近値上がりしましたね。

小林:当時は5円のハガキ。そのハガキで父が勝手に応募して、いらっしゃいって言うんでTBSのオーディション会場に来てそこへ出て。古賀政男先生が審査員長でそこでずっと勝ち抜いてデビューするきっかけになった。

出井:ヘ~!

小林:だからデビューのきっかけ、5円だもん。

楢原:本当にご縁があって。

小林:うまい!(拍手)

出井:パチパチパチじゃないですよ(笑)。

小林:だからTBSとはそういうご縁があって。

出井:なるほど。ハガキも5円だし。そこからもう60年という…。

小林:そうですね…!

出井:じゃあ9歳のときに歌番組に応募して10歳でデビュー。するそうです。どうですか、60周年を迎えて。

小林:ちょっと待って。ずっと話をしてるとさ、はっきり年齢がわかるよ~にわかるよ~に…言ってなあい(笑)?

出井・楢原:(笑)。

出井:そんなことないです、たまたまそうなってしまっただけです(笑)。

小林:まあね、今さらデビューが1歳でしたって言えないしね。

出井:1歳でオーディション番組でないですもんね。

楢原:どんなに若くても60ですもんね(笑)。60周年ですから。

紅白歌合戦の豪華衣装、本番で失敗した時はスタッフが泣いていた。

出井:紅白歌合戦で豪華衣装になったきっかけって一体何なんですか?

小林:もう~緊張したから。

出井:緊張したから?

小林:もうすごい緊張して。初出場って意外と冷静だったんですよ。緊張してましたけど。2回目3回目になるともうすっごい緊張して、家に帰ってビデオ見ないと自分がちゃんと歌ったかどうかわかんないぐらい。前に審査員の方が…あれがすごい緊張するんです、やっぱり。お客さんもそうですけど…すごい緊張する。どうしようと思ったときに、ふと思った。12月31日で歌い納めってことはこれで今年1年終わりだから何かパフォーマンスしてみたいなって。結構面白の好きなんでちょっとやってみようかなっていううちにあんなんなっちゃった。

楢原:どんどんパーツが増えてっちゃって(笑)。

出井:すごいな~(笑)。

楢原:そこに美川さんも入ってきたもんだから対決になっちゃって。

小林:そう。紅と白で対決したの1回しかないんです、1回しかないの。けど順番は別々なんだけども、でもいつも対決って言われてんの。

出井:正式に対決にはあんまなってなかったんだ!

楢原:あ、そうか、セットの転換の時間がない…。

小林:セットじゃないっ言ってんでしょ(笑)!

出井:衣装ね(笑)。衣装の転換の意味もあんまりわかんないけど(笑)。幸子さんご自身が印象に残ってる衣装とかってありますか?

小林:大きな衣装なんですけど、リハーサルで完璧だっていうときは本番でね何か失敗する。リハーサルのときはもちろん本番じゃないからお客さんいないじゃないですか。関係者の人が100人とかそれぐらいしかいないのにものすごい歓声なんだけど、本番になってシーン…私は後ろ振り抜けないから…「あ、これは電飾が付かなかったな」と。

楢原:開いてないぞって。

小林:あとはウイングはが片方だなって…大体わかるの。その時、本番で失敗してるときはすごいの、後ろが!「おい!」「どうした!」ものすごいの。

出井・楢原:(笑)。

出井:「羽上がってねーぞ!」て(笑)。

小林:そうそう。「電源上がってねーぞ!」とかって時に私、「あ、失敗したんだな」って。

出井:思いながらも歌うわけですもんね。

小林:そのとき何考えるかって、やっぱりきちんと歌わなければって。歌合戦ですからね(笑)。

出井:(笑)。

小林:きちんと歌わなきゃいけないって。でもそういうこと何回もあります。

楢原:覚えてます、覚えてます。こっち上がってないなって。

小林:あ、わかった?あちゃー…いや、あれああいうもんなのよ?

楢原:(笑)。

小林:違った違った(笑)。

出井:裏で怒号が飛んでるから(笑)。

小林:でもね、作ってくれた人たちがね、若い子もいますけど年配の60とか…方もたくさんいらっしゃるんですね、その人がね失敗した時にうずくまって泣くんですよ。

楢原:悔しいって。

小林:ロマンっていうか。一つ3分のステージにずっと何ヶ月もやってくれた人たち…結局うまくならなかったっていうことで泣いてる…そういう姿を見てありがたかったし、そういう形で物事を、馬鹿馬鹿しいかもしれないんだけど馬鹿馬鹿しいことに一生懸命になってる姿に本当に素敵だなって私は思いました。

芸能生活が60年続いたのは「好きだったから」

出井:柔軟に何事にも取り組んでいく小林幸子さん。気になるのが10歳の『ウソツキ鴎』でデビューしてから『おもいで酒』まで15年ぐらい…。

小林:15年目で。こてB面だったんですけどね。

楢原:B面っていうのもすごいですよね。

小林:B面って知ってる?

楢原:カップリングみたいなことですよね。

小林:昔はあって。クルってするとね、そういった時代。レコードの時代ですけどね。

出井:15年のの間って言ったら下積みだったってことですもんね。

小林:『ウソツキ鴎』というデビュー曲はそこそこ売れたんですけど、まあ~2曲目からパッたり売れない。15年、本当に売れないの。出しても出しても売れない。ちょっとお色気っぽい歌い手さんが流行ってたら15歳で全然それが追いつかない。20歳ぐらいになって、「よし、この年だったら大丈夫かな」って思ってるときにアグネスチャンとか百恵ちゃんとか出てきて。全部逆で時代に合わなかったってことで本当に何度もやめようかと思った事があった。でも…やめなかったんですよ。なんでやめなかったのかってよく聞かれるんですけど…。

出井:聞きたい。

小林:すごい単純な言葉かもしれないけど、好きだった。

出井:うわー。

小林:好きっていうこと、これの勝るものはないし、好きだっていうことがあったらどんなことも払いのけていくことができる。そして一番大事なのはぶれないこと。ぶれたらもうどうにもなんない。ぶれないぐらい好きであること、それをずっと忘れないでいくことかな。

出井:なるほど。

楢原:かっこいい。

出井:芯がぶれなければ。ぶれないからこそいろんなことに挑戦できるわけですもんね、こうやってね。

楢原:でも今の言葉ちょっと地下芸人には聞かせたくないですね。

出井:いや…芸人界にも下積み長い人いますけども(笑)。

楢原:好きなだけで何の努力もしないでやってるやついるんですよ。小林幸子さんは努力されたから。

小林:努力しないのは、だめだね。それはだめだわ。

楢原:ライブもろくすっぽ出ないで酒ばっかり飲んでるやついるんですよ。

出井:誰の話してんだ(笑)。

(TBSラジオ『パンサー向井の#ふらっと』より抜粋)

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