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しっとりの秘密はさつま芋パウダー。【芦屋】の専門店が作る、素材のうま味がたまらないパウンドケーキ

anna(アンナ)

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本日の一品 > Imo Kuri Nankin ASHIYAの「おさつパウンド」(神戸)

さつま芋と栗、南瓜(なんきん/かぼちゃ)に特化した焼き菓子専門店がある。フードエディターの船井香緒里さんから、そんなニュースを聞き、向かったのは芦屋。JRの駅から歩いて10分ほど。お客さん1組でいっぱいになってしまいそうな小さなお店だけれど、ショーケースも棚も、店名にもなっている「芋、栗、南瓜」のお菓子がぎっしり並んでいます。

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「さつま芋のうま味としっとり食感がたまりません!」(船井香緒里さん)編集部の「これも食べたい!」

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【水曜15時のあまいもん】とは?
関西の食に精通するライター、エディター、フォトグラファーなど“取材のプロ”たちが、ほんとは教えたくない関西の「推しおやつ」を、和洋問わずレコメンド。確かな目利きで選んだあまいもんは、どれもわざわざ足を運んで大正解の、ハズレなしのおいしさです。

「さつま芋のうま味としっとり食感がたまりません!」(船井香緒里さん)

Imo Kuri Nankin ASHIYAの「おさつパウンド」

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「おさつパウンド」1本 2,000円。個包装されたカットサイズ1個270円。

「一般的なパウンドケーキは、小麦粉に卵やバターを加えて作られますが、このおさつパウンドは違います。ゴロッと大きな甘露煮が入っているだけでなく、生地にもさつま芋のパウダーをたくさん焼き込んでいるので、しっとりとした食感とさつま芋ならではのうま味を感じます。フードロスの観点から作られているというのも、好きなポイントです」(船井香緒里さん)

店名のとおり、さつま芋と栗、南瓜が主役の焼き菓子専門店です。芋、栗、南瓜にフォーカスしたのは、女性に人気だから、というだけではありません。全国各地の農家と提携して、百貨店やスーパーに野菜を卸しているオーナーが、鹿児島の農家が作るさつま芋と出合ったのがはじまりです。

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おさつパウンドはチョコレートや抹茶フレーバーもあります。抹茶は室町時代から続く茶園を守る、堀井七茗園(ほりいしちめいえん)のものを使用。

お店が契約している農家では紅はるかを収穫後、1年近く長期にわたって低温貯蔵し甘みが増してから出荷しています。でも、せっかく時間をかけて甘くなったさつま芋が、規格外というだけで行き場を失ってしまう様子を見て、なんとかできないかと、焼き菓子にたどり着いたと言います。

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大きめにカットした紅はるかを、店内の厨房で蜜煮に。おさつパウンドは、これを生地と一緒に焼き込みます。

おさつパウンドには、蜜煮にしたそのさつま芋がゴロッと入り、さらに生地にもパウダーにしたさつまいもが焼き込まれています。素材そのものの甘さを引き立てるため、砂糖もやさしい甘さの甜菜糖(てんさいとう)を使い、焼き上がったら1日寝かせ、しっとりと味が落ち着いたところで店頭に並びます。

編集部の「これも食べたい!」

蒸しパンbébé(さつまいも、かぼちゃ)

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「蒸しパンbébé」各1個180円。ほかにショコラと抹茶も揃う。

さつま芋をはじめ、栗、南瓜をフランス菓子に仕立てているのは、レストランなどでフランス菓子を手がけてきたパティシエです。マドレーヌやフィナンシェなど伝統菓子が並ぶ中、目を引いたのは、フランス語で“赤ちゃん”と名づけられたプチサイズの蒸しパン。焼き立てが並ぶ蒸しパンは、取り寄せできないここならではのお楽しみです。

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フィナンシェ、マドレーヌ、サブレなど、人気の焼き菓子も並んでいます。

蒸しパンにもさつま芋パウダーが入っていて、パウンドケーキよりもふんわりとした軽い食感。ミルクと合わせたくなります。また、さつま芋、栗、南瓜以外にも、日本ではあまり知られていない、酸味がまろやかな広島県産の無農薬ベルナレモンを使ったマドレーヌなども、季節限定で焼いています。そうした素材を使ったお菓子に出合えるのも、全国各地400以上の農家とつながっている専門店ならではです。

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教えてくれた人船井香緒里/Kaori Funai

大阪在住のフードエディター。『あまから手帖』『dancyu』『BRUTUS』などの雑誌で食企画の編集やライティングを行うほか、Webコンテンツの編集も。スイーツとお酒、おいしいものをこよなく愛し、週末のジョギングとロードバイクで健康維持。

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DATA

Imo Kuri Nankin ASHIYA/イモクリナンキンアシヤ
兵庫県芦屋市大原町28-7-1
TEL 0797-23-1055
営業時間 10:00~18:00
定休日 日

\from Editor/
規格外の野菜や、本来は捨ててしまう素材を利用したスイーツショップは最近、増えてきました。こちらのお店ように焼き菓子にしたり、ジェラートやジャムにするなど、アイテムはさまざま。もともとがこだわりを持って栽培している野菜だからこそ、できあがったお菓子もちゃんとおいしい。食べて、応援したくなります。
※最新の情報は各店舗・施設にお問い合わせください。

写真/吉村規子 文/齋藤優子 企画・編集/吉村セイラ

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