2.5次元舞台編「東京ブレイド」の世界をアクアたちの音声ガイドでめぐる! 『TVアニメ【推しの子】展 輝きと影』レポート
『TVアニメ【推しの子】展 輝きと影』が、2024年9月20日(金)から10月14日(月祝)まで東京・池袋のPARCO FACTORYで開催中だ。本会場を皮切りに全国4都市のPARCOで巡回開催される本展では、現在放送中のTVアニメ第2期・2.5次元舞台編にフォーカスをあて、主人公・アクアらが劇中で演じる舞台「東京ブレイド」の世界を追体験できる体験型展示が見もの。佳境を迎えたばかりのアニメの余韻も冷めぬ中、メディア向けの内覧会でその内容を鑑賞してきた。
入り口では「アイ」の巨大ビジュアルが来場者を歓迎
赤坂アカ×横槍メンゴによる漫画作品をTVアニメ化した『【推しの子】』。社会現象を巻き起こした第1期に続き、現在放送中の第2期で展開されている2.5次元舞台編では、主要キャラのアクアや有馬かな、黒川あかねが出演することになった舞台「東京ブレイド」の制作ストーリーをテーマに、それぞれの登場人物が抱える葛藤や恋愛模様、ライバル間の熱い演技バトルを通じて、芸能界で生きる彼らの輝きと影を描いている。
会場入り口には、アクアと双子の妹のルビー、有馬かならが描かれた本展のメインビジュアルと並んで、伝説のアイドルでありアクアとルビーの母親でもあるアイの巨大ビジュアルが。
入場時には、アクア、有馬かな、黒川あかねが展示案内をしてくれるスペシャル音声ガイドにアクセスできるQRコードを受け取る。「アクアと有馬かな」「アクアと黒川あかね」という2種類のガイドが用意されており、聴けるのはどちらかひとつ。アクアをめぐる恋敵としてファンの間でも人気が二分する、有馬かなと黒川あかね。二人の間でも持ち前のクールさを貫けるアクアと違って心揺れ動くこと間違いなしだが、決心を固めて一方を選ぼう(イヤフォンの持参を忘れずに!)。
アクアたちがいる稽古場に没入!?
総合プロデューサーの雷田を中心に、舞台「東京ブレイド」関係者の自己紹介シーンから始まる前半の展示は、同作の稽古から上演に至るまでの局面を各キャラの熱いセリフや資料等で追体験できる空間になっている。
例えば、舞台稽古のシーンに関する展示は、壁や床も稽古場の雰囲気を再現。アクアに話しかけられて、自分も一緒に稽古に臨んでいるような気分に浸れる。次の空間に続く仕切りののれんも展示の一部になっており、まさに作品の中に入り込んだかのような感覚に包まれる。
一方、別の空間には、「東京ブレイド」の原作者・鮫島アビ子と舞台版の脚本家・GOA(ゴア)の仕事場の再現展示がある。関係者の間に一波乱起こす両者のストーリーは、作り手の視点から2.5次元舞台のリアルを描いた本編の見どころのひとつだ。
一見乱雑に見えて几帳面に整理された鮫島アビ子先生の机には「東京ブレイド」のコミックスも積まれていて、ちょっと興奮。さらに展示の中には鮫島アビ子先生の師匠である吉祥寺頼子先生の姿も加わり、売れっ子漫画家同士のあのリアルな会話シーンが脳裏に蘇る。なお、視聴者に衝撃を与えた鮫島アビ子先生の“ダブル歯磨き”シーンも見られるのでお楽しみに(笑)。
バトルが熱い「東京ブレイド」の舞台を疑似体験
伝説の刀「盟刀」が散らばった世界を舞台に、ブレイド(演:姫川大輝)、ツルギ(演:有馬かな)、キザミ(演:鳴嶋メルト)たち「新宿クラスタ」と、刀鬼(演:アクア)、鞘姫(演:黒川あかね)、匁(演:鴨志田朔夜)たち「渋谷クラスタ」との抗争を繰り広げる舞台「東京ブレイド」の物語。
続くメインの展示空間は、その上演劇場であり、昨年まで東京・豊洲に実在した円形劇場「IHIステージアラウンド東京」のステージをオマージュ。中心の大型ビジョンには上演映像が映し出され、舞台鑑賞を疑似体験できる空間になっている。
ここでは6名の主要キャラの刀とキャラクター衣装の再現展示も見ごたえ抜群。リアルな衣装もさることながら、刀の再現があるのは「盟刀」が物語のカギを握る「東京ブレイド」の展示だからこそといえよう。
アクア演じる刀鬼たちのビジュアルとともに並べられた6本の刀は、細部のディテールまで再現された作りが超カッコいい。そして周囲に絵コンテや名ゼリフが配置された空間は、各キャラの感情がぶつかり合った舞台シーンの感動を再び呼び起こしてくれる。なお、この空間の一角には、第2期に登場する背景美術の設定資料等が満載の展示スペースもあるので、そちらも欠かさずにチェック!
ちなみに場内では音声ガイドもしっかり体験。具体的な中身については触れないが、アクアたちが展示の見どころや舞台「東京ブレイド」の裏話を聴かせてくれる。アニメでは場面場面でしか聴けないアクアと有馬かな、またはアクアと黒川あかねの会話をじっくり堪能できるのはここだけの特別な機会。彼らと一緒に名シーンを振り返れば、きっとあの感動が数倍増しで蘇ってくるはず。また、場内にARコンテンツも用意されており、そのアッと驚く演出にも注目だ(「STYLY」アプリを事前にダウンロードしておくとスムーズにAR撮影ができる)。
展覧会記念グッズやコラボドリンクも充実
次の空間には『【推しの子】』の物語全体のキーパーソンである、“あのキャラ”に関する特別展示が。アクアの中に優しく、そして悲しみとともに残り続ける景色。そして壁面に描かれたセリフの数々は、さっきまでの白熱感とは別の感動を呼び起こす。そして終盤には、ルビー、有馬かな、MEMちょの3名によるアイドルグループ「B小町」の展示も。キラキラと輝く彼女たちの笑顔にとびっきりの元気をもらって帰ろう。
会場最後のショップでは、新規描き下ろしイラストと描き起こしイラストを使用した展覧会記念グッズを多数販売。また、同じ館内8階の「ハワイアンダイナーハナオカフェ」には、本展のコラボドリンクスタンドが登場し、7種のフロートドリンクが楽しめるなど鑑賞後も『【推しの子】』の世界を堪能できる。
『TVアニメ【推しの子】展 輝きと影』は、10月14日(月祝)まで東京・池袋の池袋PARCO 本館7階・PARCO FACTORYで開催中。その後、名古屋、福岡、大阪へと巡回予定。
文・写真=Sho Suzuki