上越市が水道水の節水呼び掛け 31年ぶり 少雨に高田発電所水管破断事故が重なり
上越市ガス水道局は2025年7月15日、渇水対策本部を設置し、旧市域などの市民に対し40%以上の節水を呼び掛けている。同局よると、同市での水道水の節水要請は1994年以来31年ぶり。
節水対象地域は、旧市域の大半と板倉区、清里区、三和区など。同局は、対象となる市民に対し、1日あたり約200リットルの節水を呼び掛けている。
《画像:節水対象地域》
《画像:上越市ガス水道局による節水の目安の説明》
正善寺ダムの貯水率27.9%
水道水を供給する正善寺ダム(同市上正善寺)は、例年この時期は平均して80%程度の貯水率があるが、7月15日午前9時現在26.8%と半分以下。大幅な水位低下は、少雨のほか、4月に発生した県営高田発電所(同市今泉城山)近くの水管破断事故が大きく影響している。
《画像:正善寺ダム(2025年7月15日午前)》
事故により、下流にある城山浄水場(同市灰塚)への通水が途絶えた。同市ガス水道局は水道水を確保するため、地下水の浄水場2か所を稼働させたほか、正善寺ダムの水を使用する正善寺浄水場からの供給量を増やして対応してきた。6月には城山浄水場に隣接する沢山川から緊急取水して同浄水場の稼働を再開したが、大幅な水道供給量の回復には至らず、加えて6月下旬以降、ほとんど雨が降っていないため、正善寺ダムの貯水量が減り続けている。
このため7月10日から、緊急対応として県が破断していない水管から後谷ダムの水を放流し、沢に流れた水を取水して城山浄水場に通水することを予定していたが、同市ガス水道局によると、水の濁りなどがあり調整を続けている。
農地渇水・高温対策本部も設置 被害予防などに緊急支援も
また、上越市は2025年7月15日、農地渇水・高温対策本部を設置し、農作物などの被害予防・軽減に対する緊急支援策を発表した。
▼上越市による緊急支援対策(PDF)( https://cdn.blog.st-hatena.com/files/4207112889963685954/6802418398511919688 )