次の「1000万映画」の栄冠に輝くのは?年内本国公開「期待の韓国映画」6選
近年韓国映画界は、良作は多いもののどちらかといえば不作続き。以前に比べるとやや低迷している。
しかし今年は『破墓/パミョ』と『犯罪都市 PUNISHMENT』が、大ヒット映画のバロメーターとされている観客動員数1000万人を突破。現在公開中の『ベテラン2』も、約700万人を超え、そろそろ大台に乗るのではないかと言われている。
少しずつ息を吹き返してきているようにみえる韓国映画界だが、今後も期待作が目白押し。
錚々たる役者陣が勢揃いした作品から実績のある監督が手掛けた作品など、観客に”観たい”と思わせる要素がたっぷり詰まっている。
そこで本記事では、年内から来年公開予定のものまで、次に観客動員数1000万人を超えるのではないかと、映画ファンから期待されている作品を6つ紹介する。
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ボゴダ
2021年にクランクアップしていたものの、コロナの影響を受けて公開が遅れていた『ボゴダ』。今年12月にやっと本国でスクリーンに登場する予定だ。
主演を務めるのは、日本でも絶大なる支持得ているソン・ジュンギ。経済的問題によりコロンビアの首都ボゴダに移民した男が密輸市場に飛び込み、どん底から這い上がってトップになるまでの一代記を描いているという。
その他、主人公に手を貸す大企業の駐在員役を、善とも悪ともつかない独特な演技に定評のあるイ・ヒジュンが務めており、一足先に上映された『第29回釜山国際映画祭』ではすでに好評を得た。
汚いお金に手を出すな
『汚いお金に手を出すな』は、韓国で10月17日に公開されたばかりの犯罪スリラー。2人の刑事が人生を変えるため、完全犯罪を夢見て汚いお金に手を出した後、予想外の出来事に巻き込まれていく物語だ。
刑事が犯罪者になるという斬新なストーリーを作り出してメガホンまでとったのは、『キングメーカー大統領を作った男』(2022)や『名もなき野良犬の輪舞』(2017)など、見応えある作品を生み出してきた脚本家キム・ミンス。
ジョンウとキム・デミョンが、ある事件を巡って互いに異なる選択をするキャラクターに扮し、自分だったらどうするか、2人の姿を通してつい物思いにふけってしまうほどの熱演ぶりをみせ好評を得ている。
アマゾン活命水
本国で10月30日に公開を控えているのは、『アマゾン活命水』。映画ファンお待ちかね、コミック演技に定評のあるリュ・スンリョン主演のコメディー活劇だ。
元アーチェリー国家代表でリストラの危機にある会社員の男が、アマゾンに行くことになって始まる物語。リュ・スンリョンが魅力たっぷりに主人公を演じているという。
また通訳として彼を手伝うのが、シリアスな役からクスっと笑える役までどんなキャラクターにでも変身することができるジン・ソンギュ。観客動員数1,600万人を記録した映画『エクストリーム・ジョブ』(2019)で主演を務めた2人が、再び息を合わせる作品として大きな期待が寄せられている。
三日間
『三日間』は、韓国で11月に公開される予定のオカルトミステリー。『パリの恋人』(SBS/2004)を大ヒットへと導いたパク・シニャン主演作だ。
彼がスクリーンに戻ってくるのはなんと約11年ぶりのこと。高い演技力を持つ俳優だけに、すでに熱い視線を集めている。
そんなパク・シニャンが演じるのは、葬儀が行われる3日間で、死んだ娘を生き返らせようとする父親役。遺体の心臓から目覚める何かを食い止めようとする駆魔司祭は、イ・ミンギが担当した。
各作品で圧倒的な存在感を誇ってきた2人が、どのような演技で観客を魅了するのか注目される。
黒い修女たち
前出の『三日間』に続き、来年も期待のオカルトものが公開される予定。2015年の映画『プリースト 悪魔を葬る者』の2つ目のストーリーを描いた『黒い修女たち』だ。
強力な悪霊に捕らわれた少年を助けようとする人々の物語を描いているそうで、キャストには、オカルト作品初挑戦のソン・ヘギョをはじめチョン・ヨビン、イ・ジヌク、ホ・ジュノ、ムン・ウジンなど豪華役者陣が集結し話題に。
なかでも、『ザ・グローリー ~輝かしき復讐~』シリーズ(Netflix/2022、2023)で見事なまでの演技変身をみせたソン・ヘギョが、本作ではどのような演技を披露するのか映画ファンの期待は高まっている。
ハルビン
『黒い修女たち』同様、錚々たる名優が名を連ねる作品として注目を集めている『ハルビン』は、1909年に伊藤博文を暗殺した安重根を描いた物語。今年12月にお目見えされる予定だ。
韓国映画界トップクラスの製作費300億ウォン(約30億円)が投入され、ラトビアとモンゴルで撮影を決行、壮大なスケールの作品となっていることが予想される。
また、主演を務めるヒョンビンはもちろんだが、パク・ジョンミンや、チョ・ウジン、チョン・ヨビン、ユ・ジェミョン、イ・ドンウクなど、面白くならないわけがない役者陣に加え、チョン・ウンソンまで特別出演として物語を盛り上げる予定だ。
しかも演出を務めるのは、『インサイダーズ 内部者たち』(2015)や『南山の部長たち』(2020)など、緊張感溢れるストーリー展開で観客を魅了したウ・ミンホ監督。期待せずにはいられない1作となっている。
(ライター/西谷瀬里)