『スポーツフェスタ古河2024』開催スペシャル対談!元プロ野球選手・塚田正義が抱く野球とこどもたちへの想い
2024年11月4日(月・振休)に茨城県古河市で行われる『スポーツフェスタ古河2024』。
今年で3回目になるこちらのイベントは、大会史上最多の全40種の競技が無料で体験できるだけではなく、各種目のトップアスリートとして活躍したゲストから直接指導を受けられるのが特徴です。
今回は、開催初年度からゲストとして参加している元プロ野球選手の塚田正義さん(以下、塚田)をお招きし、Sports for Socialの代表 山﨑蓮(以下、山﨑)と対談を実施しました。
ソフトバンクホークスでプロ野球選手として活躍したのち、故郷である古河市に戻り野球スクールを立ち上げた塚田さん。対談では、塚田さんが野球スクールを立ち上げたきっかけや、こどもたちへの想い、今後の展望についてお伺いしました。
古河の子どもたちの才能・可能性を引き出したい
山﨑)まずは、塚田さんが野球スクールをはじめたきっかけについて教えていただけますか?
塚田)現役のときは、古河市に戻って来ることも野球スクールをはじめることも考えていませんでした。ただ、いざ現役の終わりが見え、「じゃあ、これからどうしよう」というときに、「あれ、何もないな」となってしまって・・・。
でも、家族もいるので、無職というわけにはいかないこともあり、とりあえず球団がやっているスポーツ振興部という部署で1年間面倒をみてもらうことになりました。
九州全域で子どもたちに勝ち負けじゃない野球の楽しさを広めていくという活動がメインだったのですが、とある大会の企画でお声をかけていただきコーチをすることになりました。
その大会は楽しさだけではなく、勝ち負けを競うもので、子どもたちがプロ野球球団12チームのユニフォームを着用して日本一を目指すというものでした。九州チームも九州全域で募集をし、約700名くらいの応募があって、その中から16人を最終的には選抜しました。
そこに参加している子どもたちはみんなすごく真剣なんですよね。沖縄や九州ではないですけど広島から参加してくる子もいたのですが、日本一を目指しているのでとにかく意識も技術レベルも高かったんです。
そんな才能あふれるこどもたちの指導をしていたのですが、その子たちでも一つの指導で大幅に変わっていくのを目の当たりにしました。一つの指導で、技術的にも人間的にも成長していく。本当に中身が入れ替わったのではないかと思わされるくらい、子どもたちの可能性に惹かれていきました。
それがきっかけで、子どもの才能、可能性を引き出したいという思いから、古河市に戻ってスクールを立ち上げることを決意しました。
人間力の向上に“スポーツ”が果たす役割
山﨑)スクールを運営する上で大事にしている指導方法を教えていただけますか?
塚田)子どもたちを後押しする存在でありたいと思っています。
スクールには野球経験者も未経験者もいますが、大切にしていることは「ひとりひとりと向き合って対話をすること」だと思っています。
僕自身、小学校からプロまで野球をやってきましたが、練習で一回も指導者と対話をしないという日もたくさんありました。特に育成年代は、指導者との対話によって、考え方や努力の仕方も大きく変わってきます。その子に合った指導を丁寧にすることで、メンタル的な要素で自信をつけてあげることにつながりますし、技術の伸び幅も大きく変わってきます。
おもしろいもので、スクール入会当初は「中学生になったら野球を辞める予定です」と言っていた子が、練習を重ねるうちに「プロを目指したい」と言うようになったり、バッティング練習で10球中1球も当たらなかった子が、140キロの球を打ち返せるようになったり。短期間でこんなにも成長するのかと驚かされる日々です。
また、目標に向かって頑張ることや、その目標をまわりの仲間と共有することは、人間力を高めることにも繋がります。スポーツは技術向上や目の前の結果だけでなく、その先の人生においても必要なことを教えてくれる存在だと思っています。
山﨑)塚田さんがお話されていた「競技力の向上だけではなく、人間力も高まる」という部分は非常に共感できます。今、子どもの体力は過去最低水準と言われていますが、野球に限らず、子どもたちがスポーツをすることでどのようなことが養われるとお考えでしょうか?
塚田)まわりの子どもたちの話を聞いても、昔と違って外で遊ぶ機会というのは減少しているようです。学校から帰っても、家に籠もってゲームをするなど・・・。それが悪いわけではないですが、外で遊ぶ、スポーツをすることから得られるものもたくさんあると思っています。スポーツも人生もいきなり大きな成果や成功をつかめることはありません。野球が少しずつ上手くなっていく、自分で立てた目標を達成していく。この小さな成功体験の積み重ねはとても大切なことで、その結果、顔が明るくなったり、声のトーンが上がったりと、まさにトータル的な人間力の向上につながっていると思います。
スポーツフェスタ古河開催意義
山﨑)そのためにもまずはスポーツをやってもらうということは大切になってきますよね。スポーツ人口の増加が目的の一つになっている『スポーツフェスタ古河』の開催意義についてはどのように感じますか。
塚田)やはり、機会をつくってあげることは大切だと思います。特に、野球は場所があってはじめて成立するスポーツです。古河市さんが場所を用意してくれることは野球への関心を高めてもらうことにもなりますし、何より子どもたちが笑顔で野球をして楽しんでいる姿を見られることに喜びを感じます。
才能なんていうのはわからないもので、今何もしていない子もたくさんの才能の芽を持っています。野球だけではなく、たくさんの競技を体験することで、自分がやりたいこと、自分が他の人より優れていることに気がつくはずです。『スポーツフェスタ古河』をきっかけにスポーツをはじめたり、そこから羽ばたいてオリンピックで活躍する子が出てきたりしたらそれはすごいことですよね。
山﨑)塚田さんは、スポーツフェスタ古河を初めて開催した、2022年からゲストとして参加されていますよね。回を重ねるごとの盛り上がりというのは感じていますか?
塚田)過去2回はコロナウイルスの影響もあって、制限がある中での実施でした。そのため、競技をやっているエリアも分散しているので、他の様子はそんなにわからなくて・・・。ただ、今年から制限も緩和されて、陸上競技場にいろいろな競技が集まって実施をすると聞いているので、その点は楽しみですね。
山﨑)野球エリアは昨年までどのようなことをされていたんですか?今年やろうとしていることも決まっている範囲で教えてください。
塚田)昨年は2部制で実施しました。レベルに合わせて指導してあげることで参加するこどもたちの満足度も上がると考えて、午前・午後を経験者、未経験者に分けて実施しました。
1日で500人ほど参加してくれたので、相当な人数だったと思います。
今回は経験問わず受け入れる方針で進めていくのですが、昨年よりもゲーム性を取り入れて、「野球っておもしろい」と思ってもらう工夫をしたいと思っています。ホームランの感覚を味わってもらう『柵越チャレンジ』であったり、9枚のターゲットを狙う『ストラックアウト』などを企画として考えています。
今回は、指導側として、BCリーグに所属する茨城アストロプラネッツや女子プロ選手も参加されるので、体制は非常に充実しています。多くの子どもたちが楽しいと思えるような体験を提供していきたいと思います。
あと、個人的には他競技のエリアが近くなるということで、みなさんがどのような指導をするのかは気になっています。機会があれば参加してみたいなと・・・(笑)
山﨑)最後に、ご自身の活動やスポーツフェスタを通して、この先どのようなことを実施していきたいと思いますか?未来の展望について教えてください。
塚田)僕が野球をしていた古河第一高校は、競技人口の減少から野球部の存続が危ぶまれています。古河市には中学の硬式チームもありません。これは夢と言った方が近いかもしれませんが、いつか自分がこの古河で子どもたちを引き連れて甲子園に出たいと思っています。
指導している子どもたちが強豪の中学でメンバーに入ったり、甲子園に出るような高校に入学をしたりしているのをみて、決して不可能な夢ではないと思っています。スポーツフェスタ古河で一人でも多くの子が野球に興味を持ってくれること、そしてその興味を持って来てくれた子の才能を開花するように導いてあげることが僕の使命だと思います。
山﨑)古河市から甲子園を目指すというのは市民の方にとっても夢があるお話ですね。応援しています。
スポーツフェスタ古河2024 協賛社募集!
「わくわく・どきどき・るんるん」が体験できる、老若男女どなたでも楽しめる体験型スポーツイベントです。古河市イーエス中央運動公園を会場に、さまざまなスポーツ体験ができるほか、キッチンカーなどの飲食出店やバルーン搭乗など、1日楽しめるイベントです。
日本を代表するアスリートや古河市にゆかりのあるアスリートがゲストで来場します!(スポーツフェスタ古河2024 特設ページ)
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