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焼肉店の倒産件数が過去最多 二極化加速して前年から倍増 明暗の分かれ目は?

Shizuoka

写真はイメージ

■2024年度の焼肉店倒産55件 過去最多の28件を大幅に更新

民間の調査会社・帝国データバンクが2024年度に倒産した焼肉店の件数を発表した。前年度から倍増して55件と過去最多を更新。2025年度も高水準での推移が続く可能性があるという。

美容室の倒産件数も過去最多を大幅更新 経営を苦しめる”三重苦”とは

帝国データバンクによると、2024年度に倒産した焼肉店の件数は55件に上った。2023年度は2022年度の14件から2倍近い28件、さらに2024年度は2023年度から倍増。過去最多だった2019年の28件を大幅に上回った。

この調査では負債1000万円以上で法的整理によって倒産した店を対象に集計している。個人営業の小規模店の閉店や廃業を含めると、より多くの焼肉店が市場から退出したとみられる。

焼肉業界は他の飲食業と同様、原材料費や人件費の高騰が逆風となった。コロナ禍で異業種からの参入も増えた中、店舗運営のコスト高騰を価格に反映できたかが明暗を分けたと帝国データバンクは分析している。

「原材料価格では人気の高いロイン・かた・ばらの部位各1キロにおける輸入牛肉が2024年度の月平均価格は20年度比1.8倍に上昇し、リーズナブルな価格が人気だった米国産のコスト増が強まった。加えて、近時は焼き野菜やサラダなどで提供する野菜類の値上がりも目立ち、キャベツなど焼肉店で採用の多い主要な野菜価格は同1.2倍に上昇するなど、厳しい収益環境が続いた」

■赤字の焼肉店は減少 業界の二極化が加速

倒産件数が過去最多を更新した一方、損益動向を見ると、赤字の焼肉店は約2割にとどまっている。現役を含めた業績悪化の割合は3年ぶりに5割を下回った。

コスト増加を売上増加で補った焼肉チェーンの中には、大量仕入れなどの低コスト運営を強みとした割安な食べ放題メニューを充実させたことで「安く焼肉を食べたい」ファミリー層などの需要を取り込む動きが目立った。それに対し、コロナ禍の焼肉ブームを背景に異業種から出店した企業や小規模な焼肉店では、客離れを警戒して十分な値上げに踏み切れず、損益面で苦戦するなど、業界の二極化が進んだ。帝国データバンクは「消耗戦に耐え切れない中小焼肉店が淘汰され、倒産件数を大幅に押し上げた」としている。

焼肉業界にとっては輸入牛肉をはじめとする原材料価格の高止まりや、電気・ガス代や人件費など店舗運営コストの負担増が続く。厳しい環境が変わらないことから、焼肉店の倒産は2025年度も高水準での推移が続く可能性があるという。

(SHIZUOKA Life編集部)

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