スポーツクライミング歴代オリンピック日本代表の成績 パリで安楽宙斗が銀メダル
パリでは「スピード」「ボルダー&リード」の2種目に分けて実施
スポーツクライミングは2021年の東京オリンピックで初めて実施された。高さ15メートルの壁を選手2人が登る速さを競う「スピード」、高さ5メートル以下の壁に設定された複数のボルダー(コース)を制限時間内にいくつ登れたかを競う「ボルダー」、高さ12メートル以上の壁のどの地点まで制限時間内に登れるかを競う「リード」の3種目がある。
日本では「ボルダリング」と呼ばれていたが、2023年4月から「ボルダ―」に名称変更されている。2021年東京大会では3種目の複合で実施され、2024年パリ大会は「スピード」と「ボルダー&リード」の2種目に分けて実施。日本からは「スピード」には出場せず、「ボルダー&リード」に男女各2選手が出場した。
歴代オリンピックの日本代表選手とその成績は以下の通りとなっている。
東京オリンピックで楢崎智亜が4位入賞
2021年東京大会に出場した男子選手は楢崎智亜と原田海の2人。幼稚園で体操を始めた楢崎は18歳でプロクライマーとなり、2016年にワールドカップや世界選手権で優勝して世界ランキング1位に上り詰めた。
メダルを期待された2021年東京オリンピックでは予選2位で決勝進出し、メダルは逃したものの4位入賞。2024年パリオリンピックで2大会連続出場を果たしたが、決勝には進めず10位に終わった。
一方の原田海も2018年世界選手権ボルダリングで優勝、複合4位などの実績を持っていたが、東京オリンピックでは18位だった。
野中生萌が銀メダル、野口啓代は銅メダル
東京オリンピックでは女子の活躍が目覚ましかった。野中生萌(みほう)は2016年ボルダリングワールドカップで優勝するなど世界ランキング2位まで上昇し、同年世界選手権でも銀メダルを獲得。2018年にはボルダリングワールドカップの年間女王に輝き、3種目の総合成績で争う東京オリンピックでも銀メダルに輝いた。
野中は2024年パリオリンピックにも出場。ボルダーの次に得意だったスピードが別種目になったこともあり、苦手のリードを強化して臨んだもののメダルには届かず9位だった。
東京オリンピックでは野口啓代も銅メダルを獲得した。ワールドカップ通算21勝を挙げた「日本クライミング界の女王」はオリンピック後に引退。2021年12月に男子代表・楢﨑智亜との結婚を発表した。
パリで森秋彩が4位入賞
2024年パリオリンピックでは男子の安楽宙斗(そらと)が輝きを放った。小学生で競技を始め、2023年ワールドカップではボルダーとリードの2種目で年間王者。17歳で出場したパリ大会で銀メダルを獲得した。
筑波大在学中の20歳・森秋彩(もり・あい)も女子ボルダー&リードで4位入賞。ボルダーの第1課題のホールドが高い位置にあったため身長154センチの森は届かなかったことが響き、不公平さを指摘する声もあった。
楢崎智亜は先述の通り10位、野中生萌は9位だった。
東京、パリでは追加競技だったが、2028年ロサンゼルスオリンピックでは正式競技として実施されるスポーツクライミング。日本初の金メダリスト誕生が期待される。
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記事:SPAIA編集部