『ジョーカー2』監督、ホアキン・フェニックスとの仕事は「夢のようだった」 ─ 過去には「悪夢」とも発言、その理由は
DC映画『ジョーカー』シリーズのトッド・フィリップス監督は、主演ホアキン・フェニックスとの仕事を「夢のよう」だと語る。ときに気難しいエピソードでも知られ、先日はトッド・ヘインズ監督の最新作をしたことも物議を醸したフェニックス。それでも監督が共同作業に惹かれるのはなぜなのか──。
米では、『ジョーカー:フォリ・ア・ドゥ』の編集作業で味わった、フェニックスとの仕事の醍醐味が語られている。撮影現場でテイクごとに異なる芝居を見せるフェニックスの仕事は、「監督にとっては夢のよう」だというのだ。
「正直に言えば、多くの俳優が(フェニックスと)同じことをしていますよ。ホアキンほどではないかもしれないけれど、誰もが常にいろいろなことを試したいと思っているし、彼らが安心して挑戦できる環境と自由を与えたいと思っています。ホアキンも僕との仕事ではそれを感じているはず。だから、僕と編集者のジェフ(・グロス)にとって、ホアキンの演技を見ているのは天国のような気分なんです。」
フィリップスいわく、ホアキンの演技には「決まったやり方がない」という。「だから、“これだと直前のシーンと同じ印象になってしまうな、違った編集のしかたができればいいのに”と思っていると、それぞれの演技に、まったく違う意味やエネルギー、感情などを与えてくれる“テイク6”が必ずあるんです。だから夢のようだと思えるんですよ」
すなわち、フェニックスの演技は予想不可能なのだ。それゆえに無限の可能性が提示され、ときにはそれが“悪夢”を見せることもある。たとえば本作の歌唱シーンでは、フェニックスとレディー・ガガがそれぞれ「典型的なミュージカルのような歌唱はしない」ことにこだわった結果、テイクごとの仕上がりが大きく変化し、編集室ではそれらをまとめ上げるべく「悪夢のよう」な作業がという。「特にホアキンの場合、演じる瞬間のフィーリングが大きい」とフィリップスは語っていた。
フェニックスの予測不可能と、フィリップス監督の野心&自由度が融合すると、いったいどんな映画ができあがるのか。そもそもフェニックスは、撮影現場で脚本をというから、その強い意志が濃厚にあらわれた作品であることは間違いない。
映画『ジョーカー:フォリ・ア・ドゥ』は2024年10月11日(金)公開。
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