風鈴の音色は夏の厄除け。お参りしてみたい「不洗観音寺」(倉敷市)
1200年もの昔から安産、子授け、無事成長、女性の厄除けとして多くの人に親しまれてきた倉敷市の「不洗観音寺(あらわずかんのんじ)」。ご本尊は「十一面観世音菩薩」で、安産を祈願すると産湯を使わなくてもよい程きれいに生まれ、丈夫に育つと言われ、「不洗(あらわず)観音寺」と呼ばれるようになりました。他にも大師堂、薬師堂、地蔵堂で多くの仏様を祀り、敷地内には病気平癒、寿命の守護神として「貴舩神社」もあります。2025年9月2日までは「息災風鈴」の音色が、暑さの中参拝される人々の癒しになっています。
景光山倉敷「不洗観音寺(あらわずかんのんじ)」
倉敷市の市街地に近い高台に「景光山倉敷 不洗観音寺(あらわずかんのんじ)」はあります。第45代聖武天皇の時代、天平年間(739年~748年)に開かれました。子授け、安産のお寺として知られ、妊娠5ヶ月目の最初の戌の日に自宅で腹帯を巻いて妊娠を祝い、出産の無事を祈るのが「帯祝い」ですが、取材の日も多くのご家族が参拝されていました。戌の日に行うのは、犬は多産でしかもお産が軽いのにあやかろうという習わしです。
山門
石の輪をくぐり、しばらく参道を歩くと山門があります。とても手入れの行き届いた庭園が続きます。
わらべ地蔵
山門を入ると最初に出迎えてくれるのがわらべ地蔵です。ひとりひとり表情やポーズが違いとてもかわいらしいです。
階段絵馬
本堂に向かう階段にはたくさんの絵馬が飾られています。圧巻の数で、階段を上るしんどさも忘れさせてくれます。天井には風鈴が飾られていて、暑さも和みました。
スロープ
赤ちゃん、ベビーカー、車いすの方用に、本堂へのスロープもあります。
安産と七五三参り
本堂では、臨月のお母さん、お父さん、七五三の着物を着た男の子のご家族がお参りに来られていたので、撮影をさせてもらいました。酷暑に近い日でしたが、男の子は暑いからとぐずることもなくとてもいい子でした。スタジオで写真撮影をしてそのまま参拝と祈祷に来られたそうです。無事元気なお子様が生まれますように!ご協力ありがとうございました。
息災風鈴
今年で2回目の開催となる「息災風鈴」の音色が、時折吹く風で心地よく響いていました(例年6月1日~開催。2025年は9月2日まで)。ガラスの音色に癒されます。写真の大観音像の所には霊水である開迦水(あかすい)が沸いていて、受付で入れ物をもらって持ち帰ることもできます。本尊を信じて生まれてきた子供を三日三晩たった後、この霊水で洗うと無病息災、かつ安楽に成長すると言われています。
夏の厄除け
風鈴の音色は魔を払う、夏の厄除けだそうです。
短冊に願いを
自分や家族、周りの人が無病息災でこの夏を過ごせるように、短冊に願いを書きました。短冊は空いているところに吊るすことができます。
一年安鯛みくじ
面白いおみくじがありました!その名も「一年安鯛みくじ」。子供の手のひらサイズの赤と金のかわいい鯛を竿で釣るようになっています(500円)。鯛の尾におみくじが入っています。私も釣ってみました。
釣った鯛とおみくじは…
釣った鯛は持ち帰れますが、おみくじと一緒に結んで帰ってもよいそうです。私はおみくじは結び、赤の鯛はかわいいので持ち帰りました。
七福神様
祈祷をする紫雲殿(祈祷所)までの階段には七福神たちが並んでいます。ニコニコ顔の布袋尊様(和合の神)、弁財天様(智恵の神)、毘沙門天様(勇気の神)、恵比須様(律儀の神)、大黒天様(裕福の神)、福禄寿様(大望の神)、寿老人様(長寿の神)です。
紫雲殿でご祈祷
高台に建つ建物が、参拝者のご祈祷を行う紫雲殿です。授乳室や子供が遊ぶことのできる蓮華亭もあり、トイレにはベビーベッドが置かれていました。女性と子供に優しい環境が整っていました。
貴舩神社
同じ敷地内に「貴舩神社」があります。「不洗観音寺」が設立されたころから信仰されていて、安土桃山時代まではすぐそばまで海だったこともあり、海路往復船の守護神として、また近隣の人々の氏神様として信仰されてきました。また、病気の祈念にお参りする習わしがあり、病気平癒、寿命の守護神としても信仰されています。
参道にはあじさい
「不洗観音寺」から「貴舩神社」本堂までの参道には、ブルーのガクアジサイがきれいでした(2025年6月28日撮影)。静かで落ち着いた雰囲気の神社です。
社殿
病気平癒の祈祷は、こちらの本殿で一組ずつ祈祷されます。
住宅街からの参門
住宅街からの山門には、お百度石もあり、近隣地域の方から守り神として信仰されてきた様子が伺えました。山門入り口には、あじさいのアナベルがたくさん咲いていてきれいでした。
【不洗観音寺(あらわずかんのんじ)】
所在地:岡山県倉敷市中帯江820
TEL:086-425-2334
受付時間:9:00~16:30
駐車場:あり