湘南でかなえる理想の暮らし。屋上プールから江の島の花火を鑑賞!? 不動産事情をプロの“湘南人”に聞いてみた
湘南ライフが実現したら、やりたいことがたくさんある。砂浜でたき火をして、海の見えるベランダでお酒を飲む——。いやいや、妄想しているだけでは話が進まないぞ。湘南エリアの物件に特化した「湘南人不動産」に相談してみた。
湘南エリアの最近の不動産事情
海のない岐阜県で生まれ育ったこともあり、「湘南」という言葉の響きは非常に眩(まぶ)しい。「どこ住んでるの?」「湘南」。言ってみたいものだ。もし、湘南ライフが実現したら海沿いを犬と散歩したり、砂浜でたき火をしたり……。
夢は膨らむ一方なので、専門家に話を聞くことにした。同エリアの不動産事情を教えてくれたのは「湘南人不動産」の清水さん。湘南の物件を紹介し続けて20年、まさにプロの“湘南人”だ。
「ここで家を購入する方には最近増えている移住と、都会に住んでセカンドハウス利用という2つのパターンがあります。湘南ならではの特徴としては夏に向けてバンバン売れるということ。また、コロナ禍でリモートワークが当たり前になったため、30代、40代で初めて家を買うエリアに湘南を選ぶ方も増えましたね」
こうした人気を受けて、家の値段も跳ね上がったそうだ。清水さんの実感によればコロナ前と比べて約3割アップ。若い世代にはなかなか手が届きにくくなったという。
「湘南エリアは、やはり海に一番近い物件の値段がもっとも高額です。購入を検討している方々はいろんな方法でリサーチしており、弊社にも『あの物件のここの部屋が空いたら連絡してほしい』といったご要望もよくあります。従って、情報が公開される前に売れてしまうケースも多いんです」
ここで、先述の希望を伝えると「砂浜でのたき火や花火は禁止されているんですが、ペット可の物件はたくさんありますよ」。さらに、「近くのマンションに空き部屋があるので内見してみますか?」。おお、します!
案内されたのは「グランシティ湘南海岸マリナージュスクエア」という中古物件。内見した2LDKの部屋は海が見えないものの、それでも値段は5990万円(税込)。驚いたのはコンシェルジュが常駐していること。さらに、屋上にはなんとプール! 折りたたみチェアに座ってビールを飲みながら江の島の花火大会も鑑賞できる。もちろん、ペットもOK。
さまざまな感慨に浸りながらリビングで湘南ライフを妄想してみた。悪くないぞ。いや、素晴らしいぞ。まずは貯金か。よし、働こう。あと、清水さん、海側の部屋が空いたら教えてください。
湘南エリアの特徴って?
湘南は、藤沢や茅ケ崎に代表されるキラキラしたイメージの「湘南中央」、大磯や小田原など昔からの別荘地が多い「西湘」、歴史のある落ち着いた雰囲気の「逗子・葉山」という3つのエリアに大別される。
湘南中央は海で遊ぶ人やサーファーでにぎわい、若い移住者も目立つ。西湘は古民家物件にひかれて購入する人が多い。鎌倉を含む逗子・葉山は引退世代が終の住処として選ぶ傾向にある。
トレンドは、値段を気にせず海が見える物件を買う人、海沿いはあきらめて奥の方の物件を買う人で二極化。共通して言えるのは圧倒的に中古マンションが売れているということだ。
湘南人不動産(しょうなんじんふどうさん)
住所:神奈川県藤沢市片瀬海岸1-12-4 ヴィルヌーブ片瀬江の島1F/営業時間:9:00~18:00/定休日:火・水/アクセス:湘南モノレール湘南江の島駅から徒歩7分
取材・文=石原たきび 撮影=井上洋平
『散歩の達人』2025年7月号より