手汗はつらいよ…「はい、手をつないで」って言われた瞬間、世界が終わったと思った若かりし頃
生きていると、どうにもならない悩みの一つや二つある。私にとってそれは、「手汗」だ。
そう、緊張するときも、していないときも。暑い日も寒い日も関係なく、手がしっとりしている。
いや、しっとりどころじゃない……輝きを放つことさえある。
今回は、そんな「手汗あるある」を全力でお届けしたい。読者の何%かには、めちゃくちゃ共感してもらえるのではないかと期待している!
【画像】いつもはしっとりしている手にも一応サラサラの時がある
・紙がヨレる! テスト用紙が波打つ!
手汗人間にとって、最初の壁は「紙」だ。
小学生のとき、漢字ドリルのページをめくるたびにふやけて破れ、先生に「なんでこんなことになるの?」と聞かれて困ったことがある。
後ろの人にプリントを回すという、簡単な動作でさえヒヤヒヤする。だから、一番後ろの席のときは、安心していた記憶がある。
習い事のそろばんでも、伝票をめくって計算するときに手汗問題が発生。
適度な湿り具合のときはめくりやすいが、過剰だと手に貼りついてしまってめくれない。そして、乾燥していると逆に指先が滑って、やっぱりめくれない。
でもそんな困難の中でも、数年間そろばんを続けた小学生時代の私を褒めてあげたい。
・スマホの指紋認証が通らない
スマホの指紋認証が通らない。しかも大抵、急いでいるときに。
焦れば焦るほど手汗は増量。スマホは「これはあなたの指ではありません」と言わんばかりにロックをはじいてくる。
静脈認証でも、同じ現象が起こる。
手を拭いて、もう一度。……いや、まだ無理。何度やってもだめ。結局パスコードを入力。しかも焦って押し間違える。
・握手しましょう……どうしよう
一般人なので、そんな機会はそうそうないけど、ごくまれに挨拶で握手を求められる瞬間がある。
ぼんやりした記憶だけど、高校のときに校長先生から何かをたたえられて握手を求められた。
反射的に断ってしまい、気まずい空気になった。いや、いろいろ事情があるんですよね……。
あとは、レクなどで「隣の人と手をつないで」と言われたら、心の広そうな人の隣を真っ先に陣取る。
最近だと、ママさんバレーでハイタッチする瞬間があるけど、その一瞬でも驚かれることがある。でも、もう慣れたよ。
・「緊張してるの?」「寒いの?」と聞かれがち
手が湿っていると、たいてい言われるのが「緊張してる?」という一言。違う。今めちゃくちゃリラックスしてる。すっぴん風呂上がりくらいのテンションで喋ってる。
でも手だけはずっとしっとりしている。もはや汗腺の仕様なのだ。
そして手汗で冷えた手を「え? めっちゃ冷えてる!」と言われることも数えきれない。だから、こういう仕様なんですってば。
・足汗問題や遺伝問題も
私の場合、手汗だけでなく、この季節は足汗も深刻だ。
大袈裟じゃなく、滑って転びそうになることすらある。
「だれ? ここに水こぼしたままの人?」と家族に怒りそうになるが、原因は自分なのだ……。
そして、見事に子どもたちにも遺伝してしまっているという問題も。
小学生の娘とは、上記あるあるを共有できて結構楽しいんだけど、思春期にはかなり悩むかもしれないなぁと親としては少し心配している。
・こんなメリットも
ここまで残念な面ばかり伝えてきたが、手汗にも実はメリットがある。
まず、ちょっとした汚れなら手で落とせる。先日も、子どもたちが工作中に床を汚してしまったけど、普通なら濡れ雑巾を用意するところを、手汗でこすれば一発で解決。
便利でしょ。
ビニール袋だって、簡単に開くことができるし、あとは、昔テレビで見かけた謎の励ましの言葉。
「もし水がなくなっても、手のひらを器にして待っていたら、水がたまるよ」
……うん。これはメリットでもなんでもないけど、なぜか心にずっと残っている。
・一生つき合うなら、ちょっと笑ってたい
ちなみに手汗は、治る人もいるらしい。でも私のように、何年経っても手汗に振り回されている人間もいる。いろんなグッズも試したけど、完璧な解決策はまだ見つかっていない。
ただ、年齢を重ねるにつれ、あまり気にしなくなったかなという実感はある。
そして、誰かが「それ、あるある!」って言ってくれるだけで、ちょっと救われる。
手汗が出ても、全然生きていける。ハンカチ片手に、今日もがんばろうじゃないか。
この記事を読んで「共感した」「今まさに手汗でスマホに水滴が……」という方は、ぜひ周囲の手汗仲間にもシェアを。
そう、あなたはひとりじゃない。そして、案外周りは気にしていないから。
参考リンク:みんなの手の汗サイト
執筆:夏野ふとん
Photo:RocketNews24.