岡山県北・真庭市の湯原温泉街にひそむ「はんざき」の正体を探ってきた!
全国露天風呂番付で西の横綱と認められた「砂湯」がある岡山県真庭市の湯原温泉。この地域で有名な「はんざき」の存在をみなさんはご存知でしょうか?半分に裂かれても生きているという言い伝えから長寿のシンボルとして親しまれている「はんざき」。一体、その正体はなんなのか? 今回はその正体を探ってみました!
そもそも「はんざき」とは何者?
そもそも「はんざき」とは一体何のことでしょうか?
その正体は、国の特別天然記念物に指定されている「オオサンショウウオ」(大山椒魚)のことです。そしてなぜ、この地域で「はんざき」という呼び名になったのか。
諸説あるそうですが、体が半分にさけても(半割:はんざきになっても)生きているという言い伝えから、ここ湯原ではそのような呼び名で表現されています。湯原温泉街に流れる田羽根(たばね)川に生息しているそうですが、夜行性ということもあり普段はなかなかお目にかかれません。
ですが、生きた「はんざき」を自然に近い状態で見られ、生態などを知ることができる場所があります。
その名も「はんざきセンター」!さっそく行ってみました!
「はんざきセンター」に行ってみた
正式名称は「真庭市オオサンショウウオ保護センター」と呼ばれる「はんざきセンター」。
まずは、施設の前に鎮座する、モザイクタイルのアート作品が目に飛び込んできます。その名も「はんざきさん ひと休み」。土地にまつわる物語などをモチーフに作品づくりをされるアーティストの松岡徹さんの作品で、この温泉街にもいくつかあるそうです。
この施設では「はんざき」の生きている姿、標本となった姿、そして歴史などが知ることができます。「はんざき」は両生類の中でも世界最大の動物であり、生息地は日本(岐阜県以西の本州・四国・九州の一部)、中国、北アメリカとされており、「生きた化石」とも呼ばれています。
そして、ついに生きている「はんざき」とのご対面です!
かなりインパクトのある顔つき!そして目が小さい!
かの映画『シン・ゴジラ』に出てくるゴジラを彷彿とさせる顔つき!(目つき?)
正面から見ると、こんな感じです!
水槽に反射してしまって表情が上手く伝わるかですが、基本的にはジッと(ボーッと?)していて、こちらに対して威嚇したりなどはしてきません。(夜行性ということも関係しているかもしれませんね)
はんざきセンターの外には、「鯢大明神」の文字がある立派な鳥居があります!なんとここは「はんざき大明神」と呼ばれており「はんざき」が祀られているのだそう!
その謂れは、この記事の最後でご紹介します。
【はんざきセンター】
所在地:岡山県真庭市豊栄1515
TEL:0867-62-2011(真庭市湯原振興局)
営業時間:9:00~17:00
定休日:年末年始
湯原温泉街に溢れる「はんざき」フォトスポット①ゆばら湯っ足り広場
ここからは「はんざき」の像があるスポットをいくつかご紹介します!
まずは、総幅延長約26mもあり、一度に50人も入れる足湯がある「ゆばら湯っ足り(ゆったり)広場」!
ここには、タオルを巻いて座っている「はんざきさん 湯冷め姿」が設置されています。向き合うとちょっと怖いです。
【ゆばら湯っ足り広場】
所在地:岡山県真庭市豊栄1525-1
TEL:0867-62-2011(真庭市湯原振興局)
営業時間:9:00~21:00
「はんざき」フォトスポット②手湯足湯
続いては、温泉街の真ん中、つづみ橋のふもとにあり、手と足を一緒に温めることができる温泉スポットである「手湯足湯(てゆあしゆ)」。
そこにも、先程と同じポーズをした「はんざきさん 湯冷め姿2号」が、中央に設置されており、こちらは緑色をしています。
【手湯足湯】
所在地:岡山県真庭市湯原温泉
TEL:0867-62-2526(湯原観光情報センター)
営業時間:9:00~21:00
「はんざき」フォトスポット③はんざき足湯
そして、河川敷には2023年10月にリニューアルした色とりどりのタイルが特徴の 「はんざき足湯」 があります。
はんざき足湯は、地元の小学校・中学校や地域のみんなで協力して作り上げ、湯原温泉らしくはんざき型のシルエットをしています。
「はんざき」の背中部分が足湯になっており、その中にもはんざきモチーフのタイルがあります!
ちなみに、はんざき足湯には、四角いタイルに混じってハートのタイルがあるそうで、見つけられると、良いことがあるそうで、ぜひ、探してみてください!(ちなみに筆者は見つけられませんでした…)
【はんざき足湯】
所在地:岡山県真庭市湯原温泉59
TEL:0867-62-2526(湯原観光情報センター)
営業時間:9:00~21:00
「はんざき」フォトスポット④パックンはんざき
最後に紹介するのは、最もインパクトのある?こちら!
「はんざき」をモチーフに、真庭市在住のデザイナーが考案したイラスト「パックンはんざき」のリアルモニュメントが、2024年3月に登場しました!
目の前に来た動くものを食べてしまうオオサンショウウオの特徴に着目し、「はんざき」が人の頭を飲み込んでいるという斬新なもの。
先程紹介した「ゆばら湯っ足り広場」に期間限定で設置されていて、パクっと食べられたようなポーズで撮影するのがお決まりのようです。
お土産に持って帰りたい「はんざき」グッズの数々
「はんざき」グッズを求め、筆者が何度もお邪魔している温泉街の「湯の駅」、ひまわり館さんに立ち寄りました。日帰りの温泉があり、やさしい泉質が楽しめる広い露天風呂に加えて、ペット専用貸し切り風呂も完備しています。売店では天然の蜂蜜やクラフトビールなどの真庭市の特産品も買えるお土産スポットです。
ここにもユニークな「はんざき」をモチーフにしたフォトスポット(顔出しパネル)がありました!地元の小学生が作成した、湯原の特徴をぎゅっと詰め込んだ愛らしい看板です!
店内には、キモかわいいぬいぐるみやストラップ、エコバッグや地元真庭市のオリジナルブランド「0867」とコラボした、オシャレなイラストのTシャツなどもあります。
屋外は30度を超える気温だったので、何か冷たいものをー!と思ったところ、なんと、「はんざき」のカタチをしたようかんと一緒に食べるソフトクリーム(590円)があったので迷わずオーダー!
6種の味が楽しめる「はんざきチョコ」(410円)は、定番のミルクチョコ、そのミルクチョコに米パフが練りこまれたもの、甘酸っぱいトマト、湯原のはちみつを練りこんだホワイトチョコ、青大豆きなこを練りこんだホワイトチョコ。そして、山椒味のビターな大人味のチョコのラインナップ。
蒜山のジャージーミルクを使用していて、味も間違いありません!
「はんざきサブレ」(2枚セット/130円)は、さんしょう風味がアクセントになっている、ココア味のサブレ!
こちらもかわいらしい見た目で、食べてしまうのがもったいないぐらい。お酒のおつまみなんかにも良さそうです!
チョコとサブレ、どちらもお土産にぴったりの品です!
なぜ、さんしょう風味の味付けかと言うと、サンショウウオ(山椒魚)の名前の由来である「山椒のような香りがする」という説から、それを再現しているのです。
ちなみに現在、オオサンショウウオは特別天然記念物なので、捕獲して食利用することは禁じられていますが、特別天然記念物の指定を受けるまでは、地域の人たちの貴重なタンパク源になっていたそうです。
【下湯原温泉 ひまわり館】
所在地:岡山県真庭市下湯原24-1
TEL:0867-62-7080
営業時間:11:00〜14:00(売店 10:00〜17:00/ 露天風呂 10:00〜21:00)
定休日:火曜日
毎年8月8日は奇祭「はんざき祭り」も開催!
湯原の夏の風物詩といえば、毎年8月8日に開催され奇祭とも呼ばれている「はんざき祭り」です。
その昔、体長が10mを超える巨大な「はんざき」(オオサンショウウオ)を退治した三井彦四郎(みついひこしろう)という若者が祟られ、それを鎮めるために祠(ほこら)を作り、祀ったとされる「はんざき大明神」伝説に由来しています。
お祭りでは、はんざき山車の「太郎」(写真上)を先頭に、囃子山車・道中囃子踊り連・はんざき山車「花子」(写真下)の順に温泉街を練り歩きます。
祭り後半には、黄金色に光る「はんざきねぶた」も登場して、湯原温泉街が「はんざき」一色で染まります。
お祭り広場では、舞台上でのパフォーマンスやクライマックスの花火の打ち上げもあり、例年は3000人ほどの人で賑わうそうで、湯原を挙げての一大イベントに温泉街は活気に包まれます。
湯原の盛り上げ役である「はんざき」。気になった方は、ぜひ湯原に足を運んでみてください!