【横浜市緑区】桐蔭学園高校野球部元監督 土屋恵三郎さんが講演 生徒の自主性重んじる指導などについて語る
かつて桐蔭学園高校の野球部監督を務め、元読売巨人軍監督の高橋由伸さんらの指導に当たった土屋恵三郎さんを講師に招いた講演会が11月16日、霧が丘にある霧の里の体育館で開催された。来場者ら約140人を前に、土屋さんは、子どもたちの自主性を重んじる教育の大切さなどを伝えた。
講演会は「霧が丘学園校区学校家庭地域連携事業」として、同事業実行委員会が主催。実行委員長を務める、市立霧が丘義務教育学校(市立義務教育学校霧が丘学園)の根岸淳校長によると、同委員会は防犯、防災、教育のいずれかをテーマにした講演会を年1回開いているという。今回、霧が丘連合自治会の塚田順一会長が、土屋さんの自伝『白球に夢をかけて』に感銘を受け、講師として招くことを提案。土屋さんが快諾したことで講演が実現した。
土屋さんは1953年、川崎市生まれ。桐蔭学園の4番捕手として71年夏、全国高等学校野球選手権大会で初出場、初優勝を果たした。法政大学進学後は大学日本代表に選ばれている。また、82年からは母校・桐蔭学園の野球部の監督を務め、部員たちを計10回(夏5回、春5回)甲子園出場に導いた。2015年からは星槎国際高校湘南の野球部監督を務めている。
講演会当日、地域の少年野球チームの児童や学校関係者ら大勢を前に、土屋さんは「監督人生40年〜選手たちが教えてくれたこと〜」と題して講演。スクリーンに自身や教え子たちの写真などを投影し、多くの人に支えられてきた自らの半生を紹介した。桐蔭学園での監督時代、雨の中、野球部員17人が自宅を訪れ、指導方針について勇気を持って直談判したことをきっかけに、選手の自主性を一層重んじる指導に変えたという自身の経験も伝えた土屋さん。「笑顔を忘れず、楽しく人生を過ごしてほしい」と来場者たちに呼び掛けた。
根岸校長は「子どもたちの状況を見て指導方針を変える所に懐の深さを感じた。変える勇気や柔軟性の大切さを教えてもらった」、塚田会長は「多くの人が集まり、皆喜んでくれた。開催して良かった」と語った。