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セクシーすぎる美女たちの誘惑をかわし、“最高のキス”はできるか? 視聴者を沼らせる新感覚ドラマ『デスキスゲーム』の危うい魅力

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セクシーすぎる美女たちの誘惑をかわし、“最高のキス”はできるか? 視聴者を沼らせる新感覚ドラマ『デスキスゲーム』の危うい魅力

「安いキス」をしたら即死、求められているのは「いいキス」。リアリティショー『デスキスゲーム — いいキスしないと死んじゃうドラマ』(Netflix)は、3名の男性芸人が、アドリブドラマの世界に突然放り込まれる。

最高のキスをして、主人公になるのは誰!?

この作品は、視聴者を沼らせるかなり不思議で危うい引力がある。なかなかの役者ぶりを見せる劇団ひとり、もはや素人なのか芸人なのか俳優なのかも曖昧になる森田哲矢(さらば青春の光)、最初は芸人的リアクションでありながらも、途中から中年AV男優のような雰囲気が漂いはじめる渡辺隆(錦鯉)らが、それぞれ異なる演技スタイルで1つのドラマに挑む姿は、見ていてかなり面白い。しかも終始“役者”としてまとまりを見せる劇団ひとりに対し、森田や渡辺はどこまでが演技で、どこまでが素のリアクションなのかが曖昧。その曖昧さこそが、潜在的な期待値を刺激し、独特な引力をキープし続けているのだ。

森田や渡辺のようなタイプだけでは単なるリアリティ番組に終わる。しかし、劇団ひとりと宮野真守、大ベテランの西岡徳馬、さらにはセクシー女優たちまでもがドラマ側の軸として機能することで、作品のドラマとしての完成度が確立し、ドラマでありながらリアリティ、リアリティでありながらドラマというパラレル構造を成立させている。ゆえに、はじめは『モニタリング』的なリアリティ番組っぽい何かのようなノリで観始めても、途中でドラマを観ているような感覚になったり、「やっぱりこれは“リアリティ番組っぽい何か”なのだ」と考え直したりと、絶えず幻惑されてしまうのだ。

また、この“地獄のキス劇”を神の目線で見守る立会人として、矢作兼(おぎやはぎ)、山里亮太(南海キャンディーズ)、池田美優を配置するという布陣も秀逸だ。番組MCを兼ねた「観察者」なのだが、その観察対象がドラマであり、“リアリティ番組っぽい何か”であることで、良く出来た劇中劇を見入ってしまうような不思議な感覚に陥るのだ。

そうした意味で本作は、リアリティ番組なんて結局は作り物なのだという、半ば公然の事実ともいえる共通認識を逆手にとる形で、あえてその線引きを複雑かつ柔軟にしている「ように見せる」ことで、リアリティショーのようでリアリティショーではなく、ドラマのようでドラマだけではないという独特な曖昧さを生み、それが結果としてオリジナリティとなっている。リアリティ番組としても、ドラマとしても、特殊性ゆえの危うい魅力を持った新しいタイプの作品であることは間違いない。

『デスキスゲーム いいキスしないと死んじゃうドラマ』はNetflixにて独占配信中

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