【三浦市】県立三浦初声高校 あま~い蜂蜜はいかが 生徒が養蜂成功、商品化へ
神奈川県立三浦初声高等学校入江キャンパスの部活動「地域・国際交流部」の生徒らが、自校で日本ミツバチの養蜂を行っている。地域貢献活動の一環として、採取した蜂蜜は近隣のパン屋「充麦」と協力し、今後販売する予定だという。顧問の古屋唯生教諭は「普通科の生徒が養蜂を行うのは県内でも珍しい。蜂蜜の販路開拓を通してマーケティング手法なども学んでもらい、自分自身を高めてほしい」と話している。
同部は昨年5月頃から活動を開始。当初はボランティア活動などを行う名目だったが、「生徒のためになにか面白いことを、自分たちの活動が地域の人に喜んでもらえる感動を伝えたい」と古屋教諭が前任校で学んだという養蜂をスタートさせた。はじめのうちは数人の生徒だけだったが、真剣に養蜂に取り組む姿に感化されたのか、次第に部員は増加。現在は14人と同校では大所帯の部活動となった。
商品開発ぞくぞく
ニホンミツバチは古くから日本に存在する在来種。環境の変化や刺激に敏感なため飼育が困難で、近年では養蜂家は減少傾向にあるとされる。
同部では春頃に新しい巣を作る場所を探して飛び立つミツバチの習性に合わせて、巣となる「重箱式巣箱」を自作し、校内に6基設置。最初はうまく住みつかなかったが、捕獲したり、ミツバチを誘引する植物「キンリョウヘン」を咲かせたりするなどの工夫を重ね、2つの群れの養蜂に成功。1基に約8千から1万匹ほどが入っている。
今夏は約3リットルの採蜜に成功したといい、部員の塚谷愛佳さん(3年)は「養蜂に成功して嬉しかった。最初は虫が苦手だったけど、ミツバチに触れあってからはかわいらしいと思うようになった」と笑顔で振り返る。
採取された蜂蜜をふんだんに塗ったオリジナルのパンは同校の近隣にあるパン屋「充麦」の協力のもと開発。豊かな香りと芳醇な甘みが特徴だといい、校内で販売後、同店でも売り出す予定だ。収益は部費や地域貢献のほか、生徒たちの発案で、ユニセフなどの国際貢献活動にも充てる。
ハチミツだけでなく、その副産物である蜜ろうを活用した商品開発にも挑戦している。米油やオリーブ油などを混ぜて作った蜜ろうハンドクリームの試作品がこのほど完成した。今後は、効果を検証し、商品化を目指していくという。
古屋教諭は「生徒たちには、自分たちの活動が人々に喜んでもらえるということを実感してほしい」と希望を込める。
