【スサノオの横暴】女神を生んだスサノオが起こした事件とは?【眠れなくなるほど面白い 図解プレミアム 古事記の話】
スサノオの横暴
エスカレートする悪業
【女神を生んだスサノオが起こした事件】
誓約により身の潔白が証明されたことで思い上がったのでしょうか。それからというものの、スサノオノミコトはアマテラスオオミカミの田の畦(あぜ)を壊し、灌漑(かんがい)用の溝を埋め、新嘗祭(にいなめのまつり)を行なう御殿に糞を撒き散らすなど、高天の原でまったくのやりたい放題を続けました。
にもかかわらず、アマテラスオオミカミはスサノオノミコトを一切咎(とが)めません。
「糞のように見えるのは、弟が酒に酔って吐いたもの。田の畦を壊し、溝を埋めたのは、土地を有効に使えると考えてのことでしょう」
そんな姉の心遣いなどおかまいなしに、スサノオノミコトの横暴はひどくなり、さらなる大事件を起こします。
アマテラスオオミカミが神聖な機(はた)織りの御殿に入って、機織り女たちに神に捧げる衣を織らせていたときのことです。スサノオノミコトは御殿の屋根に穴をあけ、尻のほうから皮を剥(は) いだ馬を投げ入れたのです。すると、驚いた機織りの女の一人は、誤って自分の女陰に梭(ひ)(舟形をした機織り道具)を突き刺し死んでしまいました。アマテラスオオミカミはこれを見て、嫌悪の情に身を震わせました。
スサノオは高天原で暴れまわった。
スサノオノミコトは神聖な機織りの御殿に皮を剥いだ馬を投げ入れた。
スサノオの横暴
新嘗祭は皇室の最重要儀礼としていまも続いている。毎年11月23日に全国の神社で行なわれ、勤労感謝の日の由来にもなっている。
田の畦を壊し、灌漑用の溝を埋める・・・・・・当時の産業基盤ともいえる田を破壊する
新嘗祭を行なう御殿に糞をまき散らす・・・・・・収穫に感謝し、豊穣を祈る儀式である新嘗祭を侮辱する行為
逆剥ぎした馬を投げ入れる・・・・・・逆剥ぎ(尻のほうから皮を剥ぐ行為)は、古代のタブーの一つ
→農耕社会を壊滅させ、神聖な権威に反逆しているともとれる行為
【出典】『眠れなくなるほど面白い 図解プレミアム 古事記の話』監修:谷口雅博