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"177天気予報電話サービス"が3月末で終了 1億総気象予報士の時代へ

TBSラジオ

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生活の知恵を授かるコーナー「スーさん、コレいいよ!」。
今日は天気が好きすぎる気象予報士・増田雅昭さん。

177・天気予報電話サービスが3月で終了!今はまさに、天気予報の時代の転換点なんです!

増田:177天気予報サービスご存じですか?電話で「177」とダイヤルすると、天気予報を電話で案内してもらえるサービスですが、来月3月31日をもって終了します。1955年に開始され、一時は大変多い利用があったのですが、近年は利用数が減り、今後も利用の減少が続く見込みのため、終了することを決めたということです。

※電話代がかかりますが、一度かけてみてください。

増田:このサービス、気象庁の予報をもとに音声を作っているんですが、1990年代までは自動音声ではなく、人が吹き込んでいました。しかも昔は、最初に流れる♪ピンポンパンポンのチャイムも手元に鉄琴を置いて鳴らしていたそうです。ちなみに、天気予報が、177番に決まったのは、“いい”てんきに、“なれ”、“なれ”、の語呂合わせからです。

日本では、1890年・明治23年に電話が実用化されました。初期の電話番号は申し込み順に割り当てられていたんですが、この「177」はある有名人のお宅の番号だったんです。さて、誰の電話番号だったでしょうか?

正解は「大隈重信」

増田:第8代の内閣総理大臣で、早稲田大学の創始者ですね。ちなみに、1番は東京府庁、160番は三菱グループ創始者の岩崎彌太郎でした。

この天気予報の177サービス、ピークだと年間3億件以上の利用がありました。1日平均にすると、90万回とか100万回近く誰かが聞いていたということです。晴れた日は利用が少なく、雨や台風の時などは多くなったようです。1回10円だとしても、年間30億円以上の売り上げがあったということですね。
ちなみに、個人的な話で恐縮ですが、私は1990年代後半に学生だった時この金額を聞いて、「そんなに天気予報を必要としている人がいるんだったら、マーケットは大きい可能性があるんじゃないか」「インターネットがもっと普及すれば、さらに広がるんじゃないか」などと考え、大学の卒論テーマは「民間気象会社の発展の可能性」でした。

ただ、近年はインターネットやスマホアプリの充実などに伴って、177の天気予報の利用は減り、昨年度は556万件となっています。ちなみに、個人や店舗などの名前と住所から電話番号を有料で案内する
「104」のサービスも、来年の3月末で終了することが決まっているそうです。

雨雲レーダーやアプリを使いこなそう!“1億総 気象予報士”の世界へ!

Q:全員が予報士になるってことですか?

増田:少し大げさに言いましたが、もちろん、気象予報士の資格をとりましょう、とか、自分で予報しましょう、ということではありません。今は、ネットやスマートフォンのアプリとか、天気の情報すごく充実しているので、それを使いこなせば、十分に気象予報士のような存在になれる、ということです。

「気象リテラシー」などと呼ばれますが、この気象リテラシーが上がれば、災害時に被災する人は減るはずです。それこそ、1億人が気象予報士のような存在になれば、災害に遭う人はかなり減ると思うんですよね。

Q:具体的には、どうすればいいんですか?

増田:難しくはありません!気象予報士のような…というのは、日々気象情報をこまめにチェックする、その情報の意味を理解する、それを周りの人たちにも伝えられる、そういったことです。

【初級編】

雨雲レーダーを使いこなすということです。われわれ気象予報士も目先数十分とか1時間後の雨がどうなるかは、最終的に頼るのは雨雲レーダーなんですよ。たくさん見れば見るほど、雨雲の気持ちが分かってきます。
どう動くか見えてくるようになるので、ぜひ頻繁に見て使いこなしてください。東京の方なら、以前おすすめした「東京アメッシュ」もいいですよ。

【中級編】

天気マークを見るだけで済まさない、ということです。一つの天気情報を見聞きして、はい終わりではなく、複数の気象情報を見られると中級レベルです。情報の出場所によって予報が違っているという日もありますから。さらに、今は予報マーク以外の詳しいデータもネットで見られます。
たとえば、おすすめのアプリは「Windy」。3時間ごとに、日本列島周辺、そして世界中の天気、雨雲の広がり方、雨の広がり方、風の強さなどの予測が、地図上で簡単に見られるようになっています。見れば見るほど、風の気持ちが分かってくるはずです!「既製品の天気予報」にプラスアルファで情報を見られれば、中級レベルです。

【上級編】

ネットやアプリの気象情報を見て、実際の空や雨の降り方、風の様子をリアルに想像できると上級レベルです。つまり、情報を見て、なんとなく分かったで終わらせないとうことですね。たとえば、1時間に50ミリの豪雨と予報が載ってあって、どれくらい危険度が想像できるか?風速15メートルが、どれくらいビュービュー吹くか?イメージできる人です。
そういう人が増えれば、危ない天気をちゃんと把握でき、危険回避につながって、災害って減ると思うんですよね。

ただ、上級者になるには、すごく難しいことをするわけではなくて、気象情報を見聞きして、実際にその日・次の日の天気がどうなったか、答え合わせをするように空を見るだけです。

そうすると、気象情報を見聞きするだけで、リアルな空や起こることがイメージできるようにだんだんなっていきます。毎日、空を見ること、これに尽きると思います。

増田:天気の情報を読み解くチカラをアップさせて、災害が近づいたとき、危険度がわかるようになっていきましょう!

(TBSラジオ『ジェーン・スー 生活は踊る』より抜粋)

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